ウィッチサマー

 


どうも、松本13です。
今回は、『ウィッチサマー』についてです。

まずは簡単な概要とあらすじから。

【概要】
『ウィッチサマー』は、2019年のアメリカ合衆国のホラー映画。1000年の時を生きてきた魔女に立ち向かう少年の戦いを描く。

【あらすじ】
両親の離婚の危機に苦悩する反抗期の少年ベン。ある日彼は、近所に住む女性が1000年も生きている恐ろしい魔女だと知り…

この映画は、我らがサム・ライミ御大が「最高に面白い!近年で最もユニークで怖いホラー!」と絶賛していますが、まさにその通り。

私としてもこの手のホラーの近年の作品ではトップクラスに面白い作品だと思っています。

ちなみに私にとっての「この手の作品」というのは、特定のジャンルに属さない雑多なホラー映画のことを指します。

例えばゾンビ映画やサメ映画、マイケル・マイヤーズやジェイソン、チャッキーなど、もはやそれ自体が一つのジャンルと化した名作シリーズなども私の中ではその手のホラージャンルには属しません。

ちなみに個人的にはスラッシャー映画に関しても、ホラーではなくサスペンス側に分類されています。

なので雑多なホラー映画というのは個人的にちょっと楽しみ方が難しかったりします。

例えば名作シリーズやゾンビ映画やサメ映画のような特定ジャンルならではの、ある種の忖度や「一周回って笑える」のような生ぬるい目線での鑑賞ができないので。

その手の映画に比べて面白い・面白くない、怖い・怖くないくらいの評価基準しか持てなかったりします。

特にその手のジャンルの映画の中でも、悪魔や魔女を題材とした映画というのはかなり鑑賞が難しかったりします。

そもそも悪魔や魔女に対する感覚というのはキリスト教圏か否かで大分違ってくると思います。特に日本においては八百万の神であったり妖怪という概念が存在したりするので、西洋に比べると悪魔や魔女に対する感覚というのは大分違うかと思います。

なのでその手の映画に関しても妙にかしこまったスタンスで見てしまったりするのですが。

ただこの映画に関してはそういう難しいこと抜きに純粋に楽しめました。

本当にこれまで魔女を題材とした映画というのは、題材が題材なので偏った趣味を持つ日本人の私にぶっ刺さる映画というのはそこまでなかったのですが。

ただこの映画は見事にぶっ刺さりました。大好きです。

逆に言うと私のような人間にぶっ刺さってしまうくらいにこの映画は従来の魔女映画らしさのない映画なのかもしれませんが。

あらすじを見てある程度予想はつくかと思いますが、この映画は魔女によって家族や街が乗っ取られていくタイプの話です。

そしてそれらに気づいているのは主人公だけというパターン。

ストーリーの大枠はどちらかというと魔女映画というより宇宙人などによる侵略モノに近いかと思います。

宇宙人による侵略モノは私の大好物ですので、だからこそ余計にこの映画が楽しめたのかもしれませんし、そのようなストーリーをあえて魔女でやろうとしたそのセンスもすごいなと思います。

魔女映画というと薄暗くてなんだか湿っていてちょっと重くて…なんてイメージがあるのですが、この映画はB級SF映画のような、比較的軽いノリとテンポでサクサクと物語が進んでいきます。

そもそも主人公についても家庭の事情でひと夏を田舎町で過ごすことになったというコテコテな設定。

そんな田舎町で出会った女の子とちょっといい感じになっちゃったり、地元のパーティーに参加して飲み過ぎたり、もちろんその手の映画にありがちなスクールカースト上位のマッチョな嫌な奴らもいたりして。

そんな部分も含めこの映画は魔女映画にはあまりない楽して見れるB級感がとても魅力的です。

B級感といっても決して安っぽいわけではなく、大衆的な見やすさ。作品の内容に関しての不足は一切なくむしろストーリーはめちゃくちゃ面白いです。

先の読めないハラハラドキドキな展開はありますし、最終的には予想もつかなかったことに…さらにそこからの大どんでん返し…そしてラストについても。

とにかくストーリーがめちゃくちゃ面白く、テンポもよく、尺も1時間半というちょうどよさ。

色々な飛び道具を使いつつもお約束はしっかりと。 そういう部分のバランスの良さもさすがです。

この映画に登場する魔女はある特殊能力を使うことによって町を侵略していきます。

その部分がこの映画を面白くしている最大の要因かと思います。

よくよく考えれば魔女なんだから魔法の一つくらいは使うよなと思わなくもないのですが、とはいえそれは万能の魔法ではなく、場合によってはなんとか太刀打ちできそうなくらいに用途の限られたものという部分もまた絶妙です。

そんな特殊能力の要素がなければ単なるクリーチャーなのですが、その部分での狡猾さがこの映画の魔女を魔女たらしめている部分かと思います。

本当にこの映画はホラージャンルの映画としては久しぶりの大当たりでした。

近年見た作品にも面白い作品は多々あったのですが、それらはあくまでも良作でした。個人的な偏った趣味のツボにぶっ刺さるような傑作はあまりなかったので、この映画は本当に大当たりでした。

逆に私のような人間にぶっ刺さってしまうような、ある種ライトな部分がある映画ではあるので、従来のその手の映画のようなガチさはありません。

なのでその部分を期待する人にとってはちょっと物足りない内容になるかもしれません。逆に私のようにその部分のガチさが苦手な人にとってはこれ以上にない作品になると思いますし、それさえ期待しなければ誰にとっても楽しめるいい映画なんじゃないかなと思います。

ストーリーはとても面白いですし、テンポもよく尺も短め。昨今のホラー映画にしてはグロやトラウマ要素という部分も控えめなので、そういう部分での汎用性も高いのかなと。

そのような御託を抜きにしても、普通に面白い映画ですので一度は見ておいても損はないんじゃないかと思います。

『パラサイト』や『インべージョン』 くらいの感覚で見ることができるとても素晴らしい映画です。

というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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