イグジステンズ
どうも。松本13です。
今回は映画『イグジステンズ』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『イグジステンズ』は、デヴィッド・クローネンバーグ監督・脚本による1999年のカナダ・イギリス映画。主演はジュード・ロウ。
【あらすじ】
脊髄に穴をあけ、そこにバイオケーブルを接続して楽しむバーチャルリアリティゲーム。その最新ゲームをめぐり、天才ゲームデザイナーと反ゲーム主義者たちとの闘いが繰り広げられる。究極の体感ゲーム「イグジステンズ」の発表会で、女性ゲームデザイナーが狙撃された。彼女は会場にいた男性と、その陰謀を暴こうとするが…
要は仮想現実系の映画です。これは現実かどうかとか。そういう感じ。
今の感覚からすると割とありがちかもしれませんが、この映画が公開されたのは1999年。なんとマトリックスと同じ年。
『マトリックス』は全体的にデジタルな感じでしたが 、イグジステンズはデヴィッド・ クローネンバーグ監督作品。
マトリックスとは違い、バイオポートというなんかよくわからない肉肉しい機械と言っていいのかどうかすらわからない道具を使って仮想現実の世界へと突入します。
デヴィッド・ クローネンバーグという監督の特性を理解している人はわかるかと思いますが、監督おなじみのブヨブヨしたりネバネバしたりグロかったりエグかったり、そんな大好きな人は大好きだけど無理な人はマジで無理な描写が満載です。
なので簡単に言ってしまうとこの映画は生肉『マトリックス』 、人肉『インセプション』、アニメならネバネバ『シリアル・エクスペリメンツ・レイン』かブヨブヨ『ソード・アート・オンライン』、そんな感じです。
なので仮想現実の世界もどこか狂気じみています。悪夢のような、場合によっては『サイレント・ヒル』の裏世界のような。
これはイグジステンズに限ったことではありませんが、デヴィッド・クローネンバーグ監督作品はおそらくサイレントヒルのような映画を好きな人の方がすんなり入りやすいかと思います。
とにかくのっけからラストまで デヴィッド・クローネンバーグエッセンス満載のこの映画ですが、主要キャストもかなり豪華です。
主演はジュード・ロウとジェニファー・ジェイソンリー 。脇を固めるのはウィレム・デフォー。
変則的な映画や鬱映画を好きな人ならば、このキャストの豪華さがわかるはず。そしてこの豪華キャストの不穏さも。
敵なのか味方なのか、正義なのか悪なのか、そもそもそんな境界線が存在するのか、彼らの出演する作品や役どころに心を引っ掻き回され、以来警戒している人も多いはず。
そんな要注意な豪華キャストがこれまた一筋縄ではいかない映画を量産してきたデヴィッド・クローネンバーグの監督作品に出るのだからさあ大変。
しかもそんなキャストと監督でマトリックスと同年にマトリックスと同じようなことをやっちゃうのだからまともな作品になるわけがありません。
じゃあこの映画が駄作なのかと言ったら決してそんな事はなく、むしろめちゃくちゃ面白い映画です。
グロやヌメヌメネバネバしたデヴィッド・クローネンバーグ特有の世界観が苦手でないのならば、むしろ誰にでもおすすめしたいくらいによくできた映画です。
特にこの映画は普通の映画としても、仮想現実やその手の物を題材とした変則ムービーとしても、グロや鬱映画としてもあまり知られていないので本当に声を大にしておすすめしたいです。
デヴィッド・クローネンバーグ監督作品は見る人を選ぶ作品が多いので、一般的な知名度がないのはまだ理解できるのですが、なぜだかこのイグジステンズはデヴィッド・クローネンバーグ映画作品としても知名度があまり高くありません 。
個人的にはデビッド・クローネンバーグ作品の代表作に持ってきてもいいくらいに思っているのですが。
最近は仮想現実を舞台とした映画も1つのジャンルとして定着し、ストーリーもある種テンプレ化した非常に出来のいいちゃんとした作品が多いです。
そんな作品がちょっと物足りなく、ちゃんとしてなくていいからもっとめちゃくちゃな世界を見たいという人にはイグジステンズは間違いなくおすすめの映画です。
人によっては私のように定期的に見たくなるくらいの人生の友になるはず。それくらいに素晴らしい映画です。
というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。