V.I.P. 修羅の獣たち

 




どうも、松本です。
今回は映画『V.I.P. 修羅の獣たち』についてです。

まずは簡単な概要とあらすじから。

【概要】
『V.I.P. 修羅の獣たち』はチャン・ドンゴン主演のクライムアクション映画。公開は2017年。制作国は韓国。上映時間128分。


【あらすじ】
北朝鮮から韓国に亡命したエリート高官の息子・グァンイル。その正体は、冷血な連続殺人鬼だった。彼をめぐってさまざまな思惑が複雑に絡み合う中、韓国と北朝鮮、そしてアメリカの各機関は壮絶な攻防を繰り広げていく。

今回は冒頭からすでに犯人の分かっているタイプの韓国サスペンスです。

しかし捕まえられなかったり、一旦捕まえるもうまくいかなかったりと、ある意味韓国映画名物である「殺人鬼が警察署出たり入ったり」状態。

韓国サスペンスおなじみの血みどろ展開や胸糞要素もこれでもかというくらいに詰め込まれています。

特に胸糞要素についてはもう本当にこれでもかというくらいの凄まじさ。

犯人である北朝鮮高官の息子ですが、このボンボンが、まあとにかく胸糞の悪い人間でして。自分の立場を利用してやりたい放題。

そういうバカ息子は他の映画にも出たりしますが、とにかくやる事と性格や言動などの胸糞悪さが天元突破しています。

ここまで胸糞悪さ全開のボンボンというのもなかなかいないかと思います。

もちろんそんな好き勝手ばかりやっていたらいくら高官の息子とはいえ、色々な人間を敵に回します。

そうやって敵に回した暴力刑事や工作員とのせめぎ合い。それがこの映画の最大の見所です。

世の中なめたボンボンが怖いおじさんを怒らせて狙われることになるのですが、しかしながらこのボンボンは単なるバカ息子ではなく、頭も相当に切れます。

怖いおじさんたちもあの手この手を使って追い詰めようとするのですが、あの手この手を使って捜査の手から逃れ続けます。

序盤の胸糞展開のあまり、世の中舐めたボンボンに怖いおじさんが正義の鉄槌をという痛快なストーリー を望みたくなるのですが。

しかしながらこのクソガキが中々に観念しない 。それどころか反撃すらしてくる始末。むしろ追い詰めているつもりが追い詰められちゃったり。おじさんピンチ。

なんてことも多々ありストーリーは佳境へ。

そこでこれまたとんでもない鬱展開があったりするのですが、 しかしそこからさらなる展開が…

とにかくボンボンの胸糞悪さにやたらとストレスの溜まる映画ですが、 しかし最後の最後まで目の離せないその展開の巧みさはさすがとしか言いようがありません。

この映画は何章かに別れており、 時系列も多少複雑だったりするので最初は何がどうなっているのかよくわからないのですが。

見ていくうちにだんだんとよくわかってきて次第に夢中となり、そしてまさかまさかの部分でまさかまさかの伏線回収があったりと、めちゃくちゃうまいこと構成のできている映画です。

胸糞展開てんこ盛りの映画ですが、とはいえそれだけじゃなく、内容が素晴らしく面白い映画なので、胸糞展開やグロに耐性のある方にはとてもおすすめの映画です。

サスペンス映画としてはめちゃくちゃ面白いです。予想を裏切る展開の連続、とにかく絶妙に安心させてもくれないし、スカッとさせてもくれない。その陰鬱さが癖になるとても素晴らしい映画です。

というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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