悪女/AKUJO
どうも、松本です。
今回は映画、『悪女/AKUJO』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『悪女/AKUJO』は、2017年に韓国で制作されたアクション映画。2017年5月の第70回カンヌ映画祭で世界初公開された。
【あらすじ】
幼い頃に父親を殺害された少女・スクヒは、北朝鮮マフィアの若頭ジュンサンに拾われ、彼のもとで育て上げられた。やがて二人は恋に落ち結婚するが、ジュンサンは敵対するソウルの組織に暗殺される。怒りに燃えたスクヒは敵アジトにたった一人で乗り込み組織を壊滅させたが逮捕される。国家が秘密裏に運営する暗殺者養成施設へ数年間所属した彼女は、身分を偽って国家直属の暗殺者となり新たな人生を歩むが…
概要とあらすじでわかる通り、この映画は女アサシンものの映画です。
女アサシンものの映画と聞いて大抵の人が思い浮かべるのは、『ニキータ』などのリュック・ベッソン監督作品ではないでしょうか?
先に言っておくとこの映画はそこまでじゃないかと思います。
リュック・ベッソンのお家芸とも言うべき女アサシンものの映画に関しては、女アサシンものというジャンルとして見ても、アクション映画として見ても、普通に映画としても面白いです。
が、この映画に関してはそこまで期待値を上げてしまうとちょっと残念さを感じてしまうかもしれません。
逆に言えばそこまで期待値さえ上げなければ最高に楽しめるとても面白い映画です。
細かなツッコミどころには目をつむり、大味なアクション映画として見ればこの映画は非常に優秀です。
韓国ノワールや、韓国アクション映画が好きな人は血しぶきドバドバな容赦の無い展開や、ぐるぐる目が回るようなアクションシーンやカメラワークなどを期待するかと思いますが、その部分の期待は十分すぎるほどに叶います。
とにかく女アサシンものと聞いて、リュック・ベッソンの往年の名作レベルに期待値さえあげなければ文句なしに楽しめる映画です。
そしてこの映画に限ってはツッコミどころや大味さも一周回って映画の魅力とすら感じてしまったりする不思議な魅力があります。
とにかくこの映画の主人公である女アサシンはとてつもない凄腕です。
幼少期から仕込まれたその殺人術は本当にすごいのですが、にもかかわらずとにかく仕事ができない。
技術自体はとてつもないのですが、じゃあ任務についても百戦錬磨かと言ったらその部分はダメダメです。
むしろ相当に使えないレベル。
仕事ができない凄腕という新ジャンルとすら感じてしまいます。
この映画の主人公の仕事のできなさは異常ではありますが、とはいえそもそも女アサシンものの映画自体、実はそこまで任務の成功率は高くなかったりします。
そういう目線で見ると、どの映画も結構失敗ばかりしているんですよね。
とはいえそれなりの成功はありますし、そもそもそのようなツッコミどころを感じさせないストーリー展開などがあるのですが、とにかくこの映画はストーリー自体が大味なこともあり、主人公である殺し屋の使えなさが至る所で際立ってしまっています。
それらの問題点だけ見るととんでもない駄作に感じられますが、それらの問題点を吹き飛ばすくらいの魅力がこの映画にはあります。
とにかくアクションシーンについては一見の価値ありレベルです。これは一体どうやって撮影しているんだ?というようなシーンの数々。
韓国アクション映画のひとつの到達点と言っても決して大げさではないかと思います。
この映画は前述の通り、ストーリーなどに関してはかなり難のある映画なのですが、それでもそこまでの駄作扱いを受けていないのはそれ以外の要素が突出して優れているからだと思います。
逆に言うとストーリーさえもうちょっとなんとかなればそれこそリュック・ベッソンの映画に並ぶくらいの名作になったかもしれないので、そういう意味では本当に惜しい映画でもあります。
本当にストーリー さえなんとかなれば超がつくほどの名作になったと思うんですよね。
それくらいにツッコミどころと、それ以上の見どころのあふれる映画ですので、大味なアクション映画が好きな人にはとてもおすすめです。
というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。