聖闘士星矢 The Beginning
どうも、松本です。
今回は実写版聖闘士星矢についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『聖闘士星矢 The Beginning』は車田正美による漫画『聖闘士星矢』を原作とした、2023年のアクション映画。主演は新田真剣佑。
【あらすじ】
幼い頃に姉と生き別れた星矢。彼は姉を探しながら、地下格闘技で生計を立てる日々を送っていた。そんなある日、彼の前に謎の男が現れ、星矢の身体に秘められた小宇宙 (コスモ)の存在を教える…
この映画は、公開前後のふわっとした情報ではハリウッド映画とのことでしたが、東映が100%出資しているので実質的には邦画との見方もできるかと。
東映が出資したのは約80億円。結果は大爆死。
この爆死の規模は間違いなく今後語り継がれることになるんじゃないかと。失敗した実写化映画としても、大コケ映画としても日本映画史に残るレベルであることは間違いないかと思います。
私個人としてもこの映画に関してはあまり評価する点もなく、面白いとも思えなかったのですが、ただこの映画がクソ映画なのかと言ったら、そうは思えないんですよね。
特に邦画においては【実写化】・【大コケ】・【クソ映画】という要素は三点セットのようなものになっていますが、聖闘士星矢については大コケは間違いないものの、内容はそこまで酷くはないかと思います。
確かに面白くはなかったのですが、それはただ面白くはないというだけで、つまらないわけではなかったです。私に原作愛がそこまでなかったからというのもあるかもしれませんが、クソだとは思いませんでした。
聖闘士星矢に関しては問題点を挙げればキリはないのですが、とはいえクソ映画にありがちな起用キャストの演技の質などに関する問題はありません。
これまたありがちな、無理やりな恋愛要素などもなく、予算不足な邦画にありがちな安っぽいCGなどと言う問題点もありません。
そういう部分の質に関してはかなりしっかりしています。問答無用の高品質というわけではないかもしれませんが、とはいえ見るに耐えないというレベルでは全くありません。
アクションシーンについてもしっかりしています。
見所はそれなりにあります。
ただ本当に面白くない。決してつまらないというわけではないのだけれど、絶妙に面白くない。そして盛り上がらない。
とはいえそれなりにしっかりと作られた映画なので、鑑賞ストレスはそこまで高くはありません。歴代のクソ映画に比べれば全然見れます。もう見ていられないレベルでは全くありません。
制作費や爆死の規模はとてつもないですが、内容としてはそこまで悪くはないレベルかと思います。
私個人としてはクソ映画要素はゼロ。普通に面白くない映画レベルです。
そういう意味ではネタにはならないタイプの映画かもしれませんが。
とはいえどんな映画にもいいところの一つや二つは必ずあるもの。個人的に聖闘士星矢のいいところはキャストの豪華さだと思います。
一応ハリウッド映画と名打っているだけあり、出演キャストは超一流のハリウッド俳優ばかり。
80億の制作費にしても、出演しているキャストにしても、ハリウッド映画と名打っても全く問題ないレベルだと思います。
そういう部分では、ハリウッド映画っぽく作っているけど無名の外国人俳優を起用しただけの偽洋画というわけでは全くありません。
リメイク版『ジュマンジ』に出演したマディソン・アイズマン、『ゲーム・オブ・スローンズ』や『リベリオン』のショーン・ビーン、『X - MEN』、『ザ・グリード』、『パラサイト』などのファムケ・ヤンセン、『ブラック・ダイヤモンド』でジェット・リーの相手役を演じ、『ジョン・ウィック:パラベラム』ではキアヌ・リーブスの相手役を務めたマーク・ダカスコス、『ターミネーター3』のニック・スタールなどのそうそうたる面々。
特に90年代から2000年代初頭あたりのちょっと偏った趣味の映画が好きな人にとっては超がつくほどの豪華キャスト。
特にマーク・ダカスコスの格好良さは必見です。個人的にはこの映画のMVPです。
そしてターミネーター3のジョン・コナーが自らがターミネーターのようなゴリラと化して帰ってきたニック・スタールについてもかなりの見ものです。
この映画をわざわざ映画館まで行って見る価値があるのか、という部分に多くの人が疑問を感じた故に映画史に残るレベルの大爆死をやらかした聖闘士星矢ですが、配信で見る分には何一つ問題のない映画です。
テレビ放映についても同様。むしろテレビサイズにストーリーシーンを多少カットした方が見やすく、面白くもなるんじゃないかと思ったりもします。
実際ストーリーや世界観設定に関する説明部分が異様に作品のテンポを悪くしているという指摘も多々見受けられるので。
前述した豪華キャストなど、一応の見所もあったりしますので、映画漬けの一日を送る際の選択肢の一本くらいには入れておいても損はないかと思います。
賛否両論はそれなりにあるかと思いますが、おそらく多くの人にとっては思ったよりもクソではないんじゃないかと。
むしろ一部の人にとってはクソと思われるぐらいの突出した何かがあった方がネタにも話題にもなったのかもしれませんし、一部からは熱狂的に支持されることもあったのかもしれませんが。
そういう部分での突出もなかっただけに『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の大ヒットの影で人知れず歴史的な大爆死をしただけで終わってしまった聖闘士星矢なのですが。
期待値ゼロで見ればプラマイゼロか、若干のプラスで終われるくらいの映画ではあるので、今後も実写化映画や大コケ映画が出る度、何かにつき話題となったり引き合いに出されるであろうこの映画を見ておくというのもありかと思います。
実写版聖闘士星矢は決して大好きな映画という訳ではないのですが、前述した諸々の見所も含め、クソ映画扱いされていたら思わず擁護したくなってしまうような、妙な魅力のようなものがあったりします。
少なくともそれなりのお金や手間はかかっていますし、この作品にかける熱意のようなものもそれなりには感じます。原作の知名度を利用しただけのタレント映画のようなクソ実写とは違うと思うんですよね。
とはいえ記録的な大爆死をやらかした映画、かつ決して面白くはないので視聴の際にはくれぐれも過度な期待はしないようご注意ください。
というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
