ジャッキー・ブラウン
どうも、松本です。
今回は 映画、『ジャッキー・ブラウン』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『ジャッキー・ブラウン』は、1997年制作のアメリカ映画。エルモア・レナードの小説『ラム・パンチ』をベースに、クエンティン・タランティーノが監督・脚本した犯罪サスペンス。
【あらすじ】
黒人スチュワーデスのジャッキー・ブラウンは、密売人の売上金をメキシコからアメリカに運ぶ副業を持っていた。だが、ひょんなことから逮捕され、捜査官レイに密売人オデールの逮捕に協力するよう強要される。オデールが証拠隠滅のために自分を消そうとしていることを知ったジャッキーは、関係者をあざむき、お互いに潰し合わせようとする…
監督は言わずと知れた名監督、クエンティン・タランティーノ。ジャッキー・ブラウンはタランティーノ監督作品としては三作目。
前作『パルプ・フィクション』や前々作『レザボア・ドッグス』は世界中の映画に影響を与え、多くのフォロワーを生み、タランティーノっぽい演出や登場人物などが登場する映画が多く作られました。
タランティーノ監督作品が世界に与えた影響というのは何も映画に限ったことではなく、その他様々なカルチャーに影響を与えました。
日本に限定してもアニメや漫画などで初期タランティーノ作品の影響を受けているとおぼしきキャラやストーリーなどは多々ありますし、元ネタをタランティーノと知らずとも間接的な影響を受けている作品も相当数あるかと思います。
そんなレザボア・ドッグス、パルプ・ フィクションに次いで作られたジャッキー・ブラウン。ちなみに次作は『キル・ビル』です。
これまた世界中で大ヒットし、そしてこれまた世界中に影響を与えたタランティーノ監督作品の代表作の一つです。
そんな映画史に残る名作と言っても過言ではないレベルの作品の合間に公開されたせいか、ジャッキー・ブラウンは思いのほかマイナーという印象です。
隠れた名作とまではいかないかと思いますが、それでもパルプ・フィクションやキル・ビルに比べると知名度は一段も二段も劣る感は否めません。
映画本編を見ていなくても、タランティーノを知らなくてもパルプフィクションや キル・ビルのジャケットやポスターを見たことがあるという人は多いと思います。またはそれらに影響を受けた同じような構図の作品などを。
が、ジャッキー・ブラウンのジャケットやポスターを見て既視感を覚える人はあまりいないかと思います。
仮にジャッキー・ブラウンがパルプ・フィクションとキル・ビルというタランティーノ監督代表作の合間に生まれた駄作というのならばわかるのですが、決してそういうわけでもなく、むしろジャッキー・ブラウンはかなりよくできた映画です。
人によってはタランティーノの映画で一番好きという人もいます。私としてはタランティーノ映画で問答無用のナンバーワンかと言ったら、そうは言い切れない部分もありますが、少なくとも初期タランティーノの作品の中では一番好きですし、タランティーノ作品のベスト3の中には間違いなく入ります。
タランティーノ映画は作品ごとに異なった魅力があるので一概に順位付けはできないのですが、あえて順位をつけるのであれば私の中ではパルプ・フィクションよりキル・ビルよりもジャッキー・ブラウンの方が上だったりします。
ジャッキー・ブラウンは他の作品に比べるとタランティーノファンにとっては魅力的である独特のアクの強さのようなものが若干控えめなのかもしれません。
個人的にはそこがジャッキー・ブラウンという映画の一つの魅力でもあるのですが。
タランティーノ映画というのは良くも悪くもタランティーノの映画なのですが、ジャッキー・ブラウンというのはタランティーノ映画という側面もそれなりに持ちながらクライムサスペンスとしてもしっかり成立しています。
ジャッキー・ブラウンはタランティーノ映画としても個人的には名作だと思いますし、クライムサスペンスとしても名作の部類に入るかと思います。
タランティーノ映画に興味があってパルプフィクションを見てみたけどちょっと苦手…という人はジャッキー・ブラウンからならタランティーノの世界にすんなり入って行けるかもしれません。
個人的にはタランティーノ映画のおすすめを聞かれたらジャッキー・ブラウンを真っ先に挙げます。
他の作品はアクが強すぎたり、ちょっとマニアックすぎたり、グロすぎたりということが多々ありますし。それがタランティーノ作品の魅力でもあるのですが。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 』のような予備知識の有無によって評価が大きく分かれるような場合もあったりしますし。
その点ジャッキー・ブラウンは他のタランティーノ作品に比べれば、まだ見る人を選ばないタイプの映画かと思います。
主演キャストこそ他の作品に比べると知名度は劣るかもしれませんが、脇役にはタランティーノ作品の常連であるサミュエル・L・ジャクソンを始め、ロバート・デニーロ、マイケル・キートンと、そうそうたるメンツが名を連ねています。
ちなみにジェット・リー主演の『キス・オブ・ザ・ドラゴン』に出ていたブリジット・フォンダや、下水道の巨大ワニでおなじみの『アリゲーター』に出ているロバート・フォスターなども出演しています。
ロバート・フォスターに関しては『エンド・オブ・ホワイトハウス』シリーズなどでもいい感じの脇役を演じているので、どこかで見たことがあると思う人も多いはず。
そんなそうそうたるキャストの、タランティーノ演出での掛け合いは一見の価値ありです。
小説原作の実写化ということもあり、ストーリーも非常にしっかりしており、視聴後のカタルシスもしっかりと得ることができます。
他のタランティーの作品に比べると何か一つの要素が突出しているということがない上に、地味なイメージであったり、公開からしばらく経った今となっては他の作品に比べるとマイナーであったりしますが、逆に考えると全てがバランスよくまとまっているだけにとても見やすい映画だと思います。
タランティーノ監督作品は総じて長尺なので、そこにハードルの高さを感じてしまっている人もいるかと思いますが、ジャッキー・ブラウンはタランティーノ映画としてでなく、クライムサスペンスとしてもとてもよくできている映画なので、二転三転する展開に翻弄されている間に2時間半はあっという間に過ぎていきます。
これらの作品についての印象やタランティーノについての諸々に関してはあくまで私個人の感想でしかないので、ジャッキー・ブラウンという作品を視聴後に必ずしも私と同じような評価や感想となるかは分かりません。
が、 素晴らしい映像体験となることは、その部分は間違いないかと思います。見ておいて損は一切無いかと。
というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。