エンター・ザ・ボイド



どうも、松本です。


今回は映画、『エンター・ザ・ボイド』についてです。


まずは 簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『エンター・ザ・ボイド』は、2009年のフランス映画。『アレックス』以来、7年ぶりとなるギャスパー・ノエの長編監督作品。


【あらすじ】

あてもなく日本にやって来たオスカーは、この街でドラッグのディーラーをしながら、自らもドラッグに溺れる日々。最愛の妹リンダも日本に呼び寄せ、小さな部屋に2人で暮らしていた。そんなある日、警察の手入れに遭い、混乱の中で胸を撃たれ、あっけなく死んでしまう。肉体を離れ、魂となって浮遊し始めたオスカーだったが...


この映画、個人的にはとても好きな作品です。間違いなく一般受けはしないかと思いますが。


とはいえ映像体験として一度は通っておいても損は無い類の作品であることは間違いないかと思います。良くも悪くも他では代替の利かない唯一無二な作品。


本作の監督のギャスパー・ノエはおそらく一般的にはあまり知名度はない映画監督かと思います。


が、知っている人は知っている名監督。


カンヌなども受賞していますし、寡作なので滅多に映画を撮らないのですが、撮った作品は必ず何かしらの賞にノミネートされたり受賞したりしています。


まあ穿った見方をすれば批評家受けのいい鬼才監督といったところでしょうか。


そのような監督の撮った映画を見ると、大味なアクション映画大好きな私のような人間は退屈してしまうのですが、そんな私でさえ夢中にさせるような強烈な魅力がギャスパー・ノエ監督作品にはあります。


とはいえキャスパー・ノエ監督作品には、過激な描写も多いですし、ストーリーも簡単に言ってしまえば鬱映画のようなものも多いので、確実に見る人を選ぶ映画ではありますが、とはいえ一生に一度は通っておいて損はないかと思います。


ハマる人はとことんハマる、刺さる人にはとことん ぶっ刺さる、そのような人にとって知らないことは人生の損失とも言えるレベルの作品を撮る監督です。


仮にギャスパー・ノエ監督作品が合わなかったとしても、その名前を覚えることはできると思いますので、今後妙な形での事故を防ぐことができます。


『ダンサー・イン・ザ・ダーク』が世界中で鬱映画と呼ばれているのは、世界的に有名なシンガービョークが主演のミュージカル映画で、カンヌのパルムドールを受賞し、ポスターやジャケットを見た限りでは感動超大作とも、ハートウォーミングムービーとも見れるからだと思います。


が、内容は… ということで世界中で災害級の大事故を巻き起こしました。


おそらくこの手の事故としては世界最大級、よほどのことが無い限りこれほどの事故は今後起きないのではないでしょうか。


ちなみにこの映画の監督はこれまた鬼才と呼ばれることの多いラース・フォン・トリアー監督。この監督が撮る映画もこれまた一筋縄ではいかない映画の数々です。


仮にダンサー・イン・ザ・ダークを見る前に、ラース・フォン・トリアー監督作品だということを知っていれば、絶対にハートウォーミングムービーとも感動超大作とも思わなかったでしょうし、内容についても展開についてもある程度の予想や警戒はできたはず。


そういう意味でも鬼才監督の映像作品には興味があるなしに関わらず一度は触れておいても損はないかと思います。


ギャスパー・ノエにしても、ラース・フォン・トリアーにしても、新作が公開されれば必ずと言っていいほど話題にはなるので、何かの拍子に内容を勘違いして見た挙げ句に心に傷を負ってしまうという事故を防ぐためにも、監督の名前と作品の傾向程度は覚えておいて損はないかと思います。


誰もが知る名優クリント・イーストウッド監督作品だからと彼の作品を見て心に傷を負った人も多くいるかと思います。


それもクリント・イーストウッド監督の作品の傾向を知っていれば防げた事故です。


彼の作品も毎回大小様々な事故を巻き起こしていますが、『ミリオンダラー・ベイビー』をその手のスポコンだとか感動作と思って見て大事故を起こした人も相当数いるかと思います。


比較的近年に公開された『アメリカン・スナイパー』という映画にしても、何も知らずにふわっとしたイメージ だけで見るのと、クリント・イーストウッド監督作品の傾向と、モデルとなったクリス・カイルという人物の経歴を知った上で見るのとではだいぶ違うと思います。


そんな様々な理由でギャスパー・ノエ監督作品というのも一度は通っておいてもいいんじゃないかなと思います。


とはいえキャスパー・ノエ監督作品はマイナーなものも多く、現在では簡単に視聴ができないものもあったり、内容的に万人におすすめできない物もあります。


そんなギャスパー・ノエ監督作品の中で、エンター・ザ・ボイドは比較的見やすい映画かと思います。


まあ、あくまでも他の作品に比べればという話で、本作単体で見ればそこまでノーマルな作品というわけではないのですが。


とはいえ外国人監督が撮ったヘンテコ日本映画という面でも楽しめますし、トリップムービーとしても楽しめます。鬱映画としての側面もありますし、変則ムービーとしての側面もあるので、その手のジャンルが好きな人にとっては一見の価値はあるかと思います。その手のジャンルの中でも知る人ぞ知る名作のような扱いを受けていることも多いので。


映画をそれなりの本数見ていると、鬼才監督のエグい作品で事故ってしまうという経験は少なからずあると思いますので、あえて自分から先に事故っておくというのも一つの手かと思います。


ギャスパー・ノエ監督作品に、あえて自分から事故りに行くという試みをする上で一番適している作品は今回紹介したエンター・ザ・ボイドなんじゃないかと、私は思っています。


内容の解釈や楽しみ方は人それぞれですし、そのような楽しみ方ができるのであれば問題はないのですが、なんだかよくわからなくてもサイバーパンクのヘンテコ日本をフワフワトリップする映像作品として見るだけでも十分に見る価値はあるかと思います。


人によってはギャスパー・ノエ監督作品というのは生涯の友ともなり得る作品です。それ以外の人にとっても、今後誤った接種で重症化しないための予防接種として有用かなと思うので、今回紹介した次第です。


ギャスパー・ノエ監督作品の中では比較的とっつきやすい部分もあるエンター・ザ・ボイドですが、それはあくまで他の作品に比べてですので、あらぬ事故で心に傷を負わないよう、くれぐれも視聴の際は最低限の警戒は崩さないようお願いします。


というわけで今回はこの辺で。

最後までお付き合いありがとうございました。


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