シューテム・アップ



どうも松本です。本日は映画、『シューテム・アップ』についてです。


まずは 簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『シューテム・アップ』は、2007年にアメリカ合衆国で公開された、マイケル・デイヴィス脚本・監督のアクション/スリラー/ブラックコメディ映画。主演はクライヴ・オーウェン。


【あらすじ】

ニューヨーク暗黒街で生きる凄腕ガンマンのスミスは、ある日ひとりの妊婦が悪党たちに追われている場面に遭遇する。助けに入ったスミスが悪党たちと銃撃戦を繰り広げる中、突然産気づいた妊婦はその場で赤ん坊を出産。流れ弾に当たって絶命した彼女に代わり赤ん坊を守り抜こうとするスミスだったが、悪党たちは執拗に赤ん坊を狙う。その背後には巨大な陰謀が潜んでおり…



概要からもなんとなくわかるかもしれませんが、この映画はコメディとしての側面があります。ビジュアルは硬派なガンアクションのように感じられますが、内容はかなり軽めです。 まあ「細けえことはいいんだよ」的な、そんな頭を空っぽにして見るタイプの映画です。


この映画を見て感じるのはガンアクションとコメディというのは親和性が高い要素なのだなということ。


細けえことはいいんだよとばかりにドンパチやりまくるガンアクションと、そこに深い理由や考察の入り込む余地のないそれなりの不条理が許されるコメディという要素はよくよく考えればこれでもかというくらいに相性のいい組み合わせです。


シューテム・アップは痛快という言葉がこれでもかというくらいに似合う作品です。とにかくのっけからラストまでスピード感もテンポも最高。鑑賞ストレスは皆無に近いです。


あって無いようなストーリーですが、それでもそれなりによくできており、一本の映画としての完成度はかなり高いかと思います。


「頭を空っぽにして見る」映画という表現は、作中の アクションシーンなど、一部様子は突出しているものの、映画全体としてはいまいちな作品を正当化するためによく使われる表現ですが、シューテム・アップは無理な正当化を行わなければいけないような残念要素はありません。


あえてシューテム・アップの残念な部分をあげるとしたら、クライヴ・オーウェンとモニカ・ベルッチの無駄使いという点でしょうか。


どちらも知る人ぞ知る名優です。受賞した賞は数知れず。名作への出演も多数。なのでクライヴ・オーウェンにしても、モニカ・ベルッチにしても、彼らを目当てとして作品を選ぶ人は多分それなりの内容を期待して見るかと思います。


少なくともクライヴ・オーウェンとモニカ・ベルッチ主演映画と聞いて痛快ガンアクションコメディを想像する人は殆どいないかと思います。


そういった部分での肩透かしはあるかと思いますが、そういうちょっとした事故さえなければとても面白い映画ですし、クライヴ・オーウェンとモニカ・ベルッチの無駄使いというのはある意味この映画の最大の魅力でもあると言えます。


この映画の絶妙なテンポやスピード感に一役買っている要素として特筆すべきは挿入歌です。


ニルヴァーナやモーターヘッドなど、今や伝説となったバンドの名曲がこれでもかというくらいに使われています。


ガンアクションと疾走感のあるロックナンバーの親和性は今更語るべくもないかと思います。


シューテム・アップの素晴らしいところは、その部分をあえてひねったりしないところです。


例えば激しい銃撃シーンやアクションシーンなどにあえて静かなクラシックを使用するなんて演出はよくありますが、シューテム・アップにはそんな要素は皆無です。


むしろこれ見よがしに盛り上がるシーンには盛り上がる曲をとばかりに、何のひねりもないチョイスをここぞとばかりにぶち込んできます。そのセンスがもう最高です。


そんな最高な内容とは裏腹に、世間では知名度がほとんどなかったりするのだから残念です。


そもそも痛快なガンアクションを目的とする人はクライヴ・オーウェン主演作品をわざわざ選ぶことはしないでしょうし、逆にクライブ・オーウェン主演作品を好んでみる人は痛快ガンアクションという要素をわざわざ選んだりはしないでしょう。


その辺のミスマッチ故にマイナーとなってしまっている部分はあるかもしれませんが、作品の質としては名作認定しても全く問題無いレベルの高い作品です。


個人的には『デスペラード』やジョン・ウー作品、そして『ジョン・ウィック』シリーズなどと並べても遜色ないレベルの名作だと思っています。


前述した作品が好きな人ならば おそらくシューテム・アップを見て残念な気分になる人はまずいないかと思います。


というわけで今回はこの辺で。

最後までお付き合いいただきありがとうございました 。



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