スーサイド・スクワッド



どうも、松本です。

今回は映画、『スーサイド・スクワッド』についてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『スーサイド・スクワッド』は、DCコミックスの同名のスーパーヴィラン・チームをベースにした2016年のアメリカ合衆国のアクション映画。DCエクステンデッド・ユニバースの3作品目。


【あらすじ】

スーパーマンが消えた世界に危機が訪れる。そこで政府は服役中の凶悪犯を集め、特殊部隊スーサイド・スクワッドを結成。冷酷なスナイパー・デッドショットやジョーカーに思いを寄せるハーレイ・クインなど、一癖も二癖もある凶悪犯たちが解き放たれる…


今作は2016年公開のスーサイドスクワッドです。いわゆるデヴィッド・エアー版。


今やスーサイド・スクワッドと言ったらジェームズ・ガンによってリブートされた方が正史となっているので、こちらのスーサイド・スクワッドは 「じゃない方」のスーサイド・スクワッド扱いをされているかと思いますが。


というよりほとんどなかったことにされている作品かと思います


公式がこの映画をなかったことにしてリブートしてしまうのですから相当なことです。ファンによってなかったことにされたり、ある程度時間が過ぎてからのリブートというわけでもありません。


公開後、数週間から数ヶ月で駄作との評価が固まり、その数年後には公式になかったことにされてしまうのですから、ここまでスピード感のある落ちぶれ方をした大作映画というのもそうはない気がします。


スーサイド・スクワッドに関しては、超がつくほどメジャーな作品、かつ圧倒的低評価の作品なので、この作品に関してはオブラートはもはや不要かと思います。


思えば洋画の大作で、ここまでおおっぴらにクソ映画と呼べるような映画というのもなかなかないんじゃないかと。


単に評価の低い映画なら他にも腐るほどあるかと思いますが、この映画に関しては公開前の期待値がとてつもなく高い作品でした。


スーパーマンやバットマンなどを共演させるDCエクステンデッドユニバースの作品ということもあり、最高の期待値で多くの人が公開と共に劇場に駆けつけました。


なので興行成績については悪くはなく、むしろかなり成功した部類。


が、内容に関しては最低。もちろん評価も最低。 賛否両論とかそういう話ではないレベル。


近年まれに見る欠陥映画。後に制作に関して相当な紆余曲折があったことが明らかになりますが、 とにもかくにもストーリーは映画として破綻しているレベル。


全世界で多くのファンが待望していたDCエクステンデッドユニバースの3作目。前作の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は思った以上に微妙でした。


決して駄作ではないかと思うのですが、とにかく期待値が高く、しかし内容はそこまでではなく 、駄作というほどの低評価ではありませんでしたが、かと言って賛否両論となるほど高評価をつけている人もあまりおらず…とにかく微妙な空気感だったことを覚えています。


前作がそんな微妙な感じだっただけに、公開前のスーサイドスクワッドへの期待値は相当なものでした。


しかも今回はヒーローではなく、ヴィラン側の物語。DCの有名ヴィランが多数登場。


ヒーロー映画というのは主役がヒーローなだけに色々な制約があったりするのですが、今回は主役がヴィランなのでどんな無茶をやっても許されます。


もうつまらなくなりようがない。面白くしかならないだろうと、そんな状態でした。


仮に内容がイマイチだったとしても、これだけ魅力的なヴィランが登場するアンチヒーロー作品なのですから、気軽に見れるB級映画とか、頭を空っぽにして見れるおバカ映画とか、そういう楽しみ方や評価もできると思いますし。


とにもかくにもコケる要素というのは微塵も感じませんでした。前作が激しく微妙だったということもあり、とにかく並以上の作品なのであればそれなりに評価されることは間違いなかったと思うのですが。


全世界から期待され、しかし成功のためのハードルは限りなく低く、まあこの映画は大丈夫だろうと思って蓋を開けてみたら予想だにしないクソ映画だったので本当に驚きました。


むしろこの極上の素材をよくここまでまずく調理できたなと感心してしまうレベル。


意図して駄作を作ろうとしてもなかなかここまでの作品はできないんじゃないかという、それくらいある意味奇跡的な内容の酷さでした。


バットマン vs スーパーマンで肩透かしをくらい 、さらにこのスーサイド・スクワッドで地獄を見て、とはいえまだ『ジャスティス・リーグ』がある! 挽回は可能!そんなすがるような期待感を持ってみたジャスティス・リーグも結果的には散々なものでした。


ある意味DCエクステンデッドユニバースの暗黒時代とも言えます。


バットマン vs スーパーマンからスーサイド・スクワッド、そしてジャスティス・リーグへの奈落の底へのホップ・ステップ・ジャンプな、あの数年間の絶望感というのは、経験したくてもなかなかできるものではないかと思います。


DCエクステンデッドユニバース初期の映画は単独では面白いのに全員集合した途端につまらなくなるという逆アベンジャーズ状態が続きますが、DC側もさすがに焦ったのか、もう整合性とかなりふりとか構っていられなくなるようになり、結果的にそれがいい方向に進んで行くのですが。


スーサイド・スクワッド前後の数年間というのは、アベンジャーズのニ匹目のドジョウを狙ったクロスオーバーを目指した映画が多く作られました。


が、DCも含め、大抵は初期の数作でポシャリました。最後まで続いて成功を収めたのはそれこそ『ゴジラ』のモンスターバースくらいではないでしょうか?


そんな粗製乱造されるクロスオーバー作品や、毎度期待値を下回り続けるDC映画 、それ以上に絶望的な状態のスターウォーズ新三部作、その中で唯一の勝ち組であったマーベルのアベンジャーズも2018年に『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』という違った意味での絶望的な作品を公開します。


あの当時に満ちていたとてつもなく絶望的な空気感というのは、本当に今では経験しようと思ってもできない、あの時代特有のものだったのかなと思います。


DCはその後、テコ入れに見事成功し、興行成績や評価などに時折難はあるものの、一時期に比べたら大分持ち直してきています。


興行的にも批評的にも失敗作とされたジャスティス・リーグにおいても、『スナイダーズカット』という映画史上あまりない救済のされ方をして話題となりました。


スナイダーズカットが公開されたことにより、それ以前のDC映画への評価も変わってきました。


少なくとも劇場公開版のジャスティス・リーグではなく 、スナイダーズカットへと繋がることを前提として見れば、DCエクステンデッドユニバース初期作品への評価も、かつてほど低いものではなくなるかと思います。


ただしスーサイド・スクワッド、てめえはだめだ。


と、唯一 何ひとつの救済も受けていないのがこの作品。


ジャスティス・リーグが救済されたのだからスーサイド・スクワッドだって救済してくれよと監督のデヴィット・エアーが声を上げるも、ジャスティス・リーグほどの話題にはならず。


もちろん救済もされず、というよりデヴィット・ガン監督によるリブートで無かったこと扱い。今後はデヴィット・ガン路線でシリーズは進んでいくかと思うので、おそらくスナイダーズカットのような救済措置がなされる可能性も低いんじゃないかと。


ただ、ここまで不遇な扱いを受けると逆に守ってあげたくなってしまいます。


この映画がとんでもない駄作であることは間違いないのですが。ただここまでの扱いを受けるほどダメな映画かと言ったら、さすがにそうではないかと。


少なくともマーゴット・ロビーのハーレイ・クインという名キャラを生み出した功績はあるかと思います。


スーサイド・スクワッド版のジョーカーもかなり人気が高いですし。


ウィル・スミスのデッドショットも含め、登場キャラクターは皆魅力的です。


ただみんながみんな普通にいい人で、全然ヴィランではないのですが。とはいえそのツッコミどころが個人的にこの映画の一番の魅力でもあるのですが。


そういうちょっと視点を変えてストーリーさえ真剣に追わなければ、こちらのスーサイドスクワッドもそれなりに楽しめたりします。


とにかくストーリーがネックの映画なので、逆にそこさえ無視することができれば、ビジュアルは完璧ですので色々な楽しみ方ができる映画ではあるかと思います。


スーサイド・スクワッドはストーリーが破綻しているくせに無駄に長い映画なので、あってないようなストーリーを端折ってテレビサイズの90分くらいに編集したら、むしろかなり面白い作品になるんじゃないかなんて個人的には思ったりもするのですが。


集中して見る必要性が一切ないゆえ、パーティー映画としてもそれなりに優秀かと思いますし。


追いかける必要のないストーリーと、しかし要所要所で目を引く魅力的なビジュアル。途中で席を立ったりトイレに行ったりしても特に止める必要もない、そういう映画って時と場合によっては意外と重宝したりするんですよね。


というわけで今回はこの辺で 。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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