ザ・ホエール



どうも、松本です。

今回は、『ザ・ホエール』についてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『ザ・ホエール』は、2022年のアメリカ合衆国のドラマ映画。主演のブレンダン・フレイザーの演技は高い評価を受け、アカデミー賞をはじめ、多数の賞を受賞した。


【あらすじ】

ボーイフレンドのアランを亡くして以来、現実逃避から過食状態になり健康を害してしまった40代の男チャーリー。自分の死期がまもなくだと悟った彼は、8年前、アランと暮らすため家庭を捨てて以来別れたままだった娘エリーに再び会おうと決意する…


この映画はカテゴリで言うとドラマに分類される作品かと思います。


特にSFでもホラーでもなく、かといってサスペンス的な展開もない人間ドラマ中心のストーリー。


個人的にその手の映画をあまり積極的に見る方ではないのですが、配給がA24、監督はダーレン・アロノフスキー、主演はブレンダン・フレイザーということもあり、鑑賞をするに至りました。


普通だったら素通りする類の映画なのですが、配給会社も監督も主演俳優も信頼できますし、実際私の中には数々の実績があります。


逆にその中の要素の一つでも欠けていたのなら、私は素通りしたかなと思います。A24配給とはいえ主演が見知らぬ俳優だったりしたら。


しかしながら今作品の主演はブレンダン・フレイザー。


『ハムナプトラ』や『センター・オブ・ジ・アース』などで子供の頃に何度もお世話になったという人も多いかと思います。私もその口です。


近年はメインストリームから遠ざかっていたブレンダン・フレイザーがこの映画でアカデミー賞を受賞し、久しぶりにカムバックしたことも大きな話題となりました。


しかも監督はダーレン・アロノフスキー。彼は映画『レスラー』においてミッキー・ロークで全く同じことをしています。


当時のミッキー・ロークも同じくメインストリームからはしばしご無沙汰をしており、そしてレスラーで久しぶりのカムバック。


そんなダーレン・アロノフスキーによるブレンダン・フレイザー主演映画。そう考えると内容云々はともかくとしても一度は見ておきたいという気分になってしまいます。


そういう経緯での鑑賞ゆえ、おそらくブレンダン・フレイザーという俳優そのものにそれなりの思い入れを持ち、作中の人物といくらか重ねて見ているゆえ、通常の鑑賞とはちょっと違った視点で見ている部分もあるかと思うのですが。


まあ、そのような補正をなしにしてもしっかりとした内容のあるいい映画ですので、一見の価値はあるかと思います。


とはいえハートウォーミングな感動作品とは言い切れない内容です。かと言って鬱映画という訳でもないのですが。


ダーレン・アロノフスキーと言うとその手の映画を結構撮っているので警戒している人もいるかと思います。しかも配給はこれまた地獄のような映画を世界中にバラまいてきたA24なのですから。


しかしその部分においてはそこまで心配する必要はないかと思います。皆無とは言いませんが胸糞要素や鬱要素は控えめです。トラウマ要素も強くはありません。


この映画を構成するひとつの要素として親子の愛がありますが、その部分もまたダーレン・アロノフスキー監督作品なので一筋縄ではいきません。


とはいえ明確な鬱展開に向かっていくというわけでもなく…さてどうなるか。


消して明るく楽しい映画ではありませんが、個人的には見て良かったなと思います。


ビジュアル的にもストーリー的にも万人向けとは言い難いですし、ちょっと拒絶反応が出てしまう人もいるかと思いますが、私のようにA24や監督や俳優など、何かしらに思い入れがあって、それゆえに気になっているというのならば過剰に期待しない限り十分に満足できる内容だと思います。


この映画は数々の賞を受賞したことで話題となりましたが、かと言って評価がめちゃくちゃ高いかと言ったらそうでもないようです。


この手の映画は批評家大絶賛なイメージが個人的にはあるのですが、賛否両論とまではいかずともなんとなくイメージよりは肯定的評価が控えめな気がします。


そういう部分でのある種の甘さが私のような層にとっての見やすさに繋がっているのかもしれませんが。


ダーレン・アロノフスキー監督作品に関しては明確なハッピーエンドでもバッドエンドでもないラストというのも多々ありますし、どう受け止めるかも人によってまちまちだったりな傾向があるので、未見作品の初鑑賞時は「さて今回はどうなるか…」というある種の緊張感があったりもするのですが。


そのようなアロノフスキー作品特有のクオリティというのはこの映画でもしっかり健在です。


あのビジュアルでしかもA24配給なのですからいい予感は全くしません。


この映画はそういうある程度予備知識のある人ならではの楽しみ方もできるかと思います。


監督の過去作品やA24配給の過去作品の傾向から、ビジュアルで深読みして警戒してしまう人もいるかと思いますが、良くも悪くもそこまで極端に重い内容の作品ではないので、あまり視聴に関するハードルを上げる必要はないかと思います。


むしろアカデミー賞を受賞したちょっといい映画くらいの認識で気軽に見てしまってもいいんじゃないかと思います。


好みは別れる部分かと思いますが、個人的にこの映画のラストはとても好きです。


ダーレン・アロノフスキー監督作品は『π』から入った口なので、それ以降の作品の評価や思い入れについては一般的なものとは少し違ったりするのですが、個人的にこの映画はこれからの人生でまた何度も見ることになるんじゃないかと思います。


そしてこの作品で久しぶりのカムバックとなったブレンダン・フレイザーの今後の活躍にも期待です。


ハムナプトラで育った世代ゆえ、彼に対しては親戚のおっちゃんくらいの親しみを持っているので。


というわけで今回はこの辺で。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。



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