エイリアン3



どうも、松本13です。

今回は映画、『エイリアン3』についてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『エイリアン3』は、1992年のアメリカ合衆国のSFホラー映画。『エイリアン』シリーズの3作目。デヴィッド・フィンチャーの映画初監督作品。


【あらすじ】

2270年、エイリアンの脅威から逃れたリプリーの乗る救命艇が囚人惑星フィオリーナに不時着。ひとり生き残り労働矯正施設に収容されたリプリーは、その星が過酷な環境にある監獄星である事を知る。そんな中、エイリアンが惑星に紛れ込んでおり、囚人たちを次々と襲撃。逃げ場もなく、武器すらない状況下でエイリアンとリプリーの最後の死闘が始まる…


エイリアン3はエイリアンシリーズの中でも1・2を争うくらいに評価のよろしくない作品です。


批評家やシリーズファンからの評価の低い続編というのはエイリアン以外にも多々ありますが、エイリアン3については批評家やシリーズファンのみならず、キャストや監督自身からもボロクソに言われています。


この映画の撮影裏話などについてもいい話が全く出てこない。


それに加えて映画自体もシリーズ屈指の鬱シナリオ。とにかく救いがない。


そんな様々な条件によって、何重にも良くないイメージの重なっているエイリアン3ですが、公開から数十年経った今改めて見てみると、そこまで悪い映画ではない事に気付かされます。


むしろエイリアンシリーズとしてはよくできているのではないかと個人的には思います。


前作がド派手な傑作だっただけに、落差や地味さを感じてしまった人もいるかと思いますし、ネタバレになるので詳細は伏せますが、キャスティングやストーリーに関する賛否両論点もあります。


その部分を考慮するとリアルタイムでこの映画を見たのなら評価が低くなってしまうのは仕方がない事なのかもしれませんが。


リアルタイムで見た場合、映画史に残る傑作、そして続編ものとしても名作と名高いエイリアン2の続編、そしてシリーズの完結作品となるのでエイリアン3のストーリーや制作に関する諸々を考えると荒れるのは必然かと思います。


私としてもかつてはこのエイリアン3という映画に関してはいい印象を持っていなかったのですが 、数十年経った今改めて見てみると、当時とはシリーズを取り巻く環境も、視聴スタンスも随分と変わったことに気付かされます。


リアルタイムで見た場合はエイリアン2を意識してしまったり、シリーズ完結編という部分を意識してしまったりしますが、結果的にエイリアン4が作られ、さらにスピンオフ作品や前日談など様々な形でエイリアンシリーズは継続していくことになります。


その部分を踏まえてエイリアンシリーズの最後の最後ではなく数あるエピソードのうちの1つと考えてみると、かつてとは違った角度から作品を楽しむことができたりします。


前作エイリアン2はエイリアンが大群で押し寄せてくるド派手なアクション映画でしたが、エイリアン3に登場するエイリアンは1匹のみ。


登場人物の大半が坊主の囚人という絵面の地味さもあり、スケールダウン感が否めません。


とはいえ初代エイリアンも登場するエイリアンは1匹のみ。原点回帰といえば原点回帰です。


逃げ場のない限られた空間、かつ銃火器などの武器もなしという点も初代と同様です。


シリーズの集大成としてはあまりにも救いのなさすぎる作品ですが、その後もなんだかんだで続いていくシリーズの中の数あるエピソードのうちの一つとして見るなら普通に面白いですし、シリーズ屈指の鬱シナリオというのもこの作品の魅力のうちの一つだと思います。


公開当初からとにかくひどいひどいと言われ続けていたエイリアン3ですが、それは主にキャスティングや前作からの落差、制作環境等についてであり、映画そのものの質とは別な部分だったりします。


散々酷評されていたのでその部分を混同しがちですが、公開から数十年たち、ほとぼりも冷め、公開当時ほどの拒否反応ももう大して感じないくらいになってから見てみると、映画の質の高さに驚かされます。


特にエイリアン3は制作がとても難航した作品です。公開までに相当な紆余曲折やトラブルがあったにも関わらず、完成した映画はエイリアンシリーズとしての品質はしっかりと保っており、ストーリーも決して破綻しているというわけではありません。


そこまでの映画に仕上げることができたデヴィッド・フィンチャー監督についてはもっと評価されてもいいんじゃないかと思いますし、この作品自体についても同様です。


エイリアン2と同じく名作続編として名高い、そしてエイリアン2と同じジェームズ・キャメロンが監督したターミネーター2の続編であるターミネーター3についても、公開当時はジョン・コナーのキャスト変更などで世界中で拒否反応が起きました。


が、その後何作も続編が作られ、ある程度時間が経つにつれてターミネーター3を再評価する声も多く聞こえてくるようになりました。


それと同様にエイリアン3ももっと再評価されてもいいんじゃないかと個人的には思います。


ただエイリアン自体が明るく楽しい映画ではなく、その中でもシリーズ屈指の鬱展開、かつ何もかもにいい話を聞かないエイリアン3とあっては、あえて再度視聴する気にもならなかったりするのですが。


そういう部分を一旦置いておいて、フラットな気分で今一度見てみると思った以上に素晴らしい映画だったりします。


シリーズ屈指の傑作とは言い切れないかもしれませんが、少なくとも現状は過小評価されすぎているかなとは思います。


エイリアン4は娯楽色が強いスーパーリプリー映画になりましたし、エイリアン・コヴェナントでは思わず笑ってしまうような迷シーンも多々ありました。


そういう振れ幅の多いシリーズの内の一作と考えると、この映画の問題点といわれている部分に関しても許容できたりしますし。


これはあくまで結果論ではありますが、エイリアン3がなければその後のシリーズ展開もなかったかもしれません。


エイリアンシリーズとは無関係ではありますが、この映画がなければデヴィッド・フィンチャー監督がサスペンス映画の歴史的名作『セブン』を撮ることもなかったと考えると、この映画が映画史に与えた影響というのは決してマイナスなものだけではないのではないかと私は思ったりもします。


シリーズものの映画というのはシリーズや時代が進んでいくにつれ、評価や立ち位置が変わってくるのも面白いところの一つだったりします。


エイリアン3のように駄作と思い込んでいた映画がいつのまにか真逆の評価になっていたりなんてことも多々あるので。


というわけで今回はこの辺で 。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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