少女は悪魔を待ちわびて
どうも、松本13です。
今回は映画『少女は悪魔を待ちわびて』 についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『少女は悪魔を待ちわびて』は、2016年公開の韓国映画。15年前に父親を殺害した犯人を追う少女の復讐劇を描いたクライム・スリラー。
【あらすじ】
15年前の冬、唯一の家族である父親を奪われ、一人ぼっちになったヒジュは復讐を誓い、父親の同僚たちの助けで警察署でアルバイトをしながらひそかにその時を待ちわびていた。そしてついに犯人が出所する日を迎える…
韓国映画のクライムスリラーでタイトルに「悪魔」という単語が入ってるということもあり、私は反射的に『悪魔を見た』を連想しました。
エグさや容赦の無さに定評のある韓国映画の中でも最狂クラスの呼び声の高い『悪魔を見た』に比べたら、その手の表現はもちろん控えめではありますが。
ただ系統としては同じ方面と考えても問題ないかと思いますし、『悪魔を見た』が好きな人にも楽しめる内容だと思います。
おそらく韓国スリラーやサスペンスを見る人が期待する要素に関しては大抵叶えられる作品ではないかと思います。
私個人としてはとても楽しむことができました。内容はまさにこれぞ韓国スリラーといった内容。
物足りなさは一切感じませんでした。むしろ大満足。
まあよくもここまでの話を思いつくなと見ていて感心してしまうくらい予想の斜め上の展開の連続。
後に冷静に考えてみれば「いやいやそうはならんだろ?」 というような展開も多々あるのですが、少なくとも見ている間はそう思わせない妙な説得力があります。
それはこの映画というよりも、韓国映画だからこそという面もあるのかもしれませんが。
女性にとても人気の高いキラキラとした映画を作る一方で、一部のマニアに熱狂的に支持されるエグさ天元突破な数々の作品を作ってきた韓国映画だからこそ、「まあ韓国映画だからありだろうな」と思えるのかもしれません。
正義と悪が明確に分かれた勧善懲悪ではなく、毒を持って毒を制すような、悪に対抗するならばそれ以上の悪にならなくては、のような展開は韓国スリラーのお家芸とも言えます。
そんな怒涛の展開でむしろ悪役がかわいそうに見えてきてしまったり、しかしそんなことでへこたれないレベルに悪役も頭がイカれていたり、しかしそんな悪役を上回る以上にその後の展開がイカれていたり。
とにかく先が読めずに不安定、その部分でとてもいい意味での鑑賞ストレスを与えてくれます。
あらすじを一見してわかる通り、爽快なストーリーでもなければ明るく楽しい話でもないのですが。
それでもある種の爽快感や、視聴後のカタルシスを感じてしまうのは地獄絵図がお家芸の韓国スリラークオリティならではの感覚なのかもしれません。
韓国映画のこの手のおどろおどろしいまでのクオリティに一度はまってしまうとなかなか抜け出せないものだったりします。
他の国の映画にも面白いスリラーはあるのですが、韓国のこの感じとは少し違うものだったりしますし、あったとしても単発だったりします。
これまで数々のエグい映画を生み出してきた、その層の厚さはやはり韓国が突出しているのではないかと思います。
韓国スリラーのこのような妙な魅力についてはうまく言語化ができない部分もあったりするのですが、比較的近いといえば『セブン』を視聴中のあの憂鬱な感じに近いかなと思います。
のっけからラストまで一切安心できない憂鬱な展開と描写の連続。それでもラストにはストンと落ちる。しかしその落ちる方向が地獄の地獄だったりするのですが。
もちろん韓国映画と言っても、それなりの当たりはずれはあるのですが、とはいえスリラーのジャンルに限って言えば相当に打率は高いかと思います。
もちろんその中でも外れ映画というのは少なからずあるのですが、ひとまずこの映画については大当たりの部類に入るかと思います。
もちろんまともな結末ではないので、それなりに好き嫌いは別れるかと思いますが、とはいえ結末の好き嫌いはこの映画に限ったことではないかと思いますし、ひとまず韓国スリラーとしてはかなり高いレベルにまとまった作品ではあるので、その手の映画が好きな人には激しくおすすめです。
というわけで今回はこの辺で 。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。