マジカル・ガール
どうも、松本13です。
今回は、『マジカル・ガール』についてです。
まずは 簡単な概要とあらすじから
【概要】
『マジカル・ガール』は、2014年のスペインのサスペンス映画。架空の日本のテレビアニメ『魔法少女ユキコ』にあこがれる少女をめぐる物語。
【あらすじ】
ルイスは、白血病で余命わずかな娘の秘密の願いノートを見つける。ノートを開くとそこには「魔法少女ユキコが着るドレスを着て踊ってみたい」と書いてあった。失業中で金の無いルイスは娘の願いを叶えようと金策に奔走するのだが…
ビジュアルの印象からおそらくB級映画か何かだろうなと思って見てみたら、めちゃくちゃ面白い映画でした。
日本のアニメが題材に使われているので、おそらくヘンテコ日本要素が出てくるようなコメディ成分も多少はあるのかなと思いきや、コメディ要素皆無のガチな内容。
これは本当にいい意味で予想を裏切られました。というより何の予備知識もなしにこの映画の結末を予想できる人はおそらくほとんどいないかと。
病気で余命わずかな娘のために、娘の好きな日本の魔法少女のアニメのドレスを買ってあげようと父親が奔走する…となるとなんだかハートウォーミングな内容に思えてしまいますが実際は地獄の地獄。
そのような不穏さはビジュアルにも若干にじみ出ているので、まあロクなことにはならないだろうなくらいのスタンスで多くの人はこの映画を見るかとは思います。
私もそのようなスタンスで見ていたのですが、作中で描かれる地獄のベクトルが私が思ったものとだいぶ違うものでした。
何がどうなればこうなってしまうのか?どうしてこうなった?そんな展開の連続に翻弄されまくり。
この映画は複数の時系列が細切れに繋がれているタイプの映画で、思わぬところに思わぬ伏線が張り巡らされていて、それが思わぬタイミングで回収されたりします。
そのような巧妙な映画だとは全く思っていなかったので、それらはとても嬉しいサプライズでした。
完全に頭を空っぽにしてみるタイプの映画かと思っていたのですが、実際はめちゃくちゃによくできた映画です。
まあ気持ちのいい映画ではありませんが。むしろバッキバキの鬱映画です。
しかもその鬱のベクトルが、ありそうであまりないようなもので、 ラース・フォン・トリアーやギャスパー・ノエのような奇才監督の作品をそうとは知らずに見てしまった時のような、ちょっぴり懐かしい映画事故のような気分を思い出した映画でもありました。
鬱映画や胸糞映画などのちょっとオルタナティブな映画が好きな人にはとてもおすすめです。思いっきりな展開や描写などではなくじわじわ精神的に侵食してくるタイプ。
その手の映画には興味なくても内容はとてもよくできてるので、ちょっと変わったサスペンス映画として見てみるのもありかもしれません。
どちらにしても見て損をするタイプの映画ではないので一度は見てみてもいいんじゃないかなと思います。
というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。