いますぐ抱きしめたい



どうも、松本13です。

今回は、『いますぐ抱きしめたい』 についてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『いますぐ抱きしめたい』は1988年制作の香港映画。ウォン・カーウァイの監督デビュー作。


【あらすじ】

ギャングの一員のアンディは、ランタオ島からやってきた従姉妹のマギーと密かに想いを寄せ合うようになる。次々にトラブルを起こす弟分ジャッキーのトラブル処理のため身も心もボロボロになっていくアンディは、ランタオ島に戻ったマギーとつかの間の安息の時を過ごすのだが、再びジャッキーが問題を起こし、アンディは彼を救いに駆けつける…


香港映画界の巨匠、ウォン・カーウァイの監督デビュー作品ということもあり、後の作品にもありがちな男と女のちょっとした恋模様みたいなものだろうと大した予備知識もなく見たのですが。


蓋を開けてみたら思いっきり香港ノワールでした。


残酷描写へのオブラートなどは一切なし。血は出まくり人死にまくり。


思えば韓国の血みどろサスペンスなどにハマる随分前は、その役を香港ノワールが担っていたのだなと今更ながらに思い出しました。


今は当時と同じ意味での香港映画というのはおそらくもう存在はしないのかと思います。香港という街自体が地政学的に一言では言い表せない土地になってしまったので。


この映画は様々な意味で今は無き、昔懐かしの香港ノワールをしっかりとしている映画かと思います。


後の作品で次第に構築されていく、ウォン・カーウァイならではの映像美というのは控えめ。


とはいえ皆無ではなく、後の数作品で開花するその才能の片鱗はこの映画でも垣間見ることができます。


むしろウォン・カーワイ初心者が入るにはいい映画かもしれません。


主演はアンディ・ラウとマギー・チャンという香港映画を代表する2大俳優。公開が1988年ということもあり2人とも恐ろしく若い。


後の一部作品のような難解さは一切ない作品なので、かなりとっつきやすく、そして分かりやすいです。


この映画を一言で言ってしまうとギャングと田舎娘のラブストーリーなのですが、何分香港ノワールなのでラブストーリーの合間合間に激しい暴力描写が入ります。


その振れ幅はまさに天国から地獄。中間がない。その部分の脈絡のなさというのもある意味後のウォン・カーウァイ監督作品に通じるものがあります。


そんなこんなでラブ&バイオレンスを行ったり来たりしながらストーリーは佳境へ。


そして「え?ここで終わるの?」というラスト。それもある意味当時の香港映画あるあるだったりします。


古き良き香港映画の美味しいところがたくさんのこの作品は、よくも悪くもライトな内容なのでウォン・カーウァイ初心者にも、香港ノワール初心者にもおすすめです。


もちろんその手の映画がご無沙汰で久しぶりに見てみたいという人にもおすすめ。


これぞ当時の香港ノワールという内容なので。


個人的にはウォン・カーウァイ監督作品も香港ノワールも大好きなのでこの映画には大満足でした。


というわけで今回はこの辺で。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。


Twitterで更新通知を受け取る

このブログの人気の投稿

ボーはおそれている

ウィッチサマー

ミッション:インポッシブル2