PIG/ピッグ
どうも、松本13です。
今回は、『PIG/ピッグ』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『PIG/ピッグ』は、2021年に公開されたアメリカ合衆国のドラマ映画。主演はニコラス・ケイジ。
【あらすじ】
オレゴンの深い森の中で、忠実なブタを相棒にトリュフハンターとして暮らす孤独な男。ある日、何者かに最愛のブタを誘拐された彼は、その行方を懸命に追う中で、自身の過去と向き合う事になる…
今回は豚を盗まれたニコラス・ケイジが愛豚を取り戻すために奔走するという、もうあらすじの時点でかなり面白そうな作品です。
ニコラス・ケイジ主演作品において、彼の大切なものに手を出した人間が無事に済んだことはほとんどありません。
大抵はどえらい目にあったりします。
割と最近のニコラス・ケイジ主演作品でも、舐めてたニコラス・ケイジが実はクソ強だったという展開で無双しまくる映画が何本もあります。
今作品もまさにその手の映画かと思ってしまいがちですが、この映画はそれらとは少し毛色の違った作品です。
その手の映画のようなバイオレンス無双な展開はほとんどありません。
バイオレンスな無想展開がないのであればどうやって豚を取り戻すのか?そこがこの映画のとても面白いところです。
この映画は一部でリベンジ スリラーなどと呼ばれていたりもしますが、一般的なリベンジスリラーなどとは少し違った内容の作品です。
上述の諸々も含め、おそらくこの映画のビジュアルから期待する要素は作品にほとんどなかったりします。
大抵の人の期待は裏切られるかと思います。が、この映画の素晴らしいところは、その期待を見事なまでに良い方へ裏切ることだと思います。
この映画は批評家からは絶賛されています。
この手のオフビートな映画が批評家から絶賛されるということはよくあることだと思いますが、この映画のすごいところは単に批評家受けのいい、だけにとどまらないところだと思います。
私のように単純なニコラス・ケイジ無双展開を期待して見たような層からもかなり絶賛の声が聞こえてきます。
映画のストーリーとしてはそこまで複雑なものではないですし、そこまで派手な展開や演出があるというわけではありません。
じゃあ何があるのかと言ったら、それはもう純度180%のニコラス・ケイジ。
とにかくニコラス・ケイジの演技が素晴らしい。演技というか存在感というか。
全盛期を過ぎた俳優が小規模な作品に出るということは多々あります。大抵の場合、それらの作品はあまり面白いものではなかったりするのですが。
近年のニコラス・ケイジも小規模な映画に多々出演していたりします。ただ、ニコラス・ケイジの知名度だけが売りの駄作というのは殆どありません。
ストーリーだけを見たら、まあこれはちょっとアレだろうなと思ってしまうような映画も、ニコラス・ケイジが出るとそれなりの映画になってしまったりするんですよね。
むしろ近年のニコラス・ケイジ主演作品は小規模な作品である分、よりエッジの効いた役者ニコラス・ケイジの仕事っぷりを純粋に楽しめたりします。
それは小規模な作品だからと言って決して手を抜かない、ニコラス・ケイジの真摯な姿勢あってこそだと思いますが。
ニコラス・ケイジの場合、小規模な作品に次々と出演するようになったきっかけは別に落ち目になったからではなく、経済的な事情なので役者としてまだまだバリバリの全盛期だったりします。
そんなニコラス・ケイジが今作品でも最高の仕事を見せてくれます。
特定のスターの主演作というのは良くも悪くもステイサム映画や、ジャッキー映画や、シュワちゃんやスタローン主演作品など、作品云々よりもまず役者名が前に出てくる場合が多いです。その手の作品も私は大好物なのですが。
しかしニコラス・ケイジはどれだけのスターになっても、主演作品がニコラス映画ではなく、あくまでも一つの映画でありつづけるのは、その作品毎の役者としての素晴らしい仕事があるからなのだと思います。
ちなみにこの映画の助演はアレックス・ウルフ。彼がまたニコラス・ケイジに負けず劣らずのとてもいい仕事をしています。
むしろこの2人でこの映画は成り立っていると言っても過言ではありません。実際作中のシーンのほとんどはニコラス・ケイジとアレックス・ウルフのやり取りで占められていますし。
ニコラス・ケイジと言ったらその顔面のインパクトがとても印象的な俳優ですが、アレックス・ウルフも相当に味のある顔をした俳優です。
個人的には『ヘレディタリー/継承』などの印象もあり、若手俳優として一番印象に残っている顔面といってもいいくらいです。
そんな新旧の味のある2人の俳優の掛け合いもこの映画の見どころの一つです。
余談ではありますが、ニコラス・ケイジと言うとハゲのイメージが強いですが、何気に長髪がとても似合うと思うのは私だけでしょうか?
この映画や、『コンエアー』でも思ったことなのですが。
というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。