海にかかる霧
どうも、松本13です。
今回は、『海にかかる霧』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『海にかかる霧』は、2014年公開の韓国映画。2001年に起きたテチャン号事件を戯曲化したものを、映画監督のポン・ジュノのプロデュースにより映画化。
【あらすじ】
漁船チョンジン号のカン船長は金に困り、中国から朝鮮族を密航させる仕事を引き受ける。夜の海上で、闇に紛れて中国船から多数の密航者を乗り移らせるチョンジン号。だがその帰り、監視船に遭遇してしまい…
この映画は実際の事件をモデルとした映画ですが、あれこれ下調べをせずに予備知識なしで見た方がより楽しめるかと思います。
私は何の予備知識もなくこの映画を見たので、本当に大満足でした。めちゃくちゃ面白かったです。
とはいえそこまで大きな期待もしていなかったのですが。
韓国サスペンスと言ったら陰鬱な展開と目を背けたくなるような容赦のないグロ描写が特色ですが、なんとなくテーマと言うか雰囲気的にこの映画はその手の韓国サスペンスにありがちな要素に関しては控え目かなと勝手に予想していました。
が、その予想は見事に裏切られることとなりました。
海に生きる男たちの熱い物語とか、そういう感じなのかなと私は勝手に思っていましたし、実際映画の序盤にはそのような要素もあります。
また密航者たちとの心の交流、みたいなのかなとも思ったりしました。序盤にはそのような要素もあります。
しかし海洋警察の巡視船が現れたあたりから徐々に不穏な空気が漂い始め、そして物語はあらぬ方向に。
そのあらぬ方向があらぬ方向過ぎて完全にしてやられました。
そこからの怒涛の展開についても、おそらく事前に予想できる人はほとんどいないのではないでしょうか?
ふと気づくと序盤の雰囲気はすっかり鳴りを潜め、息が詰まるような、見ていて胃が痛くなるような展開の連続。
そりゃ韓国サスペンスだし、ポン・ジュノプロデュースだし、おまけに主演はキム・ユンソク。血の臭いしかしない。冷静に考えればまともに終わるはずがないのも当たり前っちゃ当たり前なのですが。
とにかく何を考えているかわからない、死んだ目をしたおっさんを演じることに定評のあるキム・ユンソクがこの作品でも魅せてくれます。
多くの人間の命を預かっている船長という立場ながら、とにかく何を考えているかわからない。
この作品も他の作品の例に漏れず、無口な役どころなので余計に分からない。
口数の少ない職人気質な男から、無口なサイコパスまで様々な役を演じてきたキム・ユンソク。
果たして今回のキム・ユンソクは白か黒か?まあ真っ白ではないにしてもシャレになる程度のグレーなのか?それとも極悪なのか?
その部分から目を離せない一作。
洋上の船という逃げ場のない空間で繰り広げられるあんなことやこんなことに手に汗握ること請け合いです。
韓国サスペンスの「いつもの」要素もしっかり詰まったとても素晴らしい映画ですので気になる方はぜひ見てみてください。
というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。