アンダードッグ 二人の男
どうも、松本13です。
今回は、『アンダードッグ 二人の男』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『アンダードッグ 二人の男』は、2016年の韓国のクライム・アクション映画。出演はチェ・ミンホ、マ・ドンソクなど。
【あらすじ】
家を持たない不良グループのリーダー・ジニルは、仲間と一緒に盗みと転売を繰り返し生きていた。ある日、ジニルが仕事でミスをした穴埋めに美人局を画策するもゴリラのようなおっさんがやってきて…
SHINeeのミンホと人気俳優マ・ドンソクW主演! が売り文句なこの映画。
アイドルグループの誰々が主演!なんて売り文句の映画は日本だと大抵ライトなラブコメか、ちょっと泣ける感じの感動系なんてパターンが多いですが。
この映画は地獄の地獄で血反吐にまみれるパターンのゴリゴリのサスペンスです。事務所への忖度とかはないのでしょうか?と見ていてちょっと心配になってしまうレベル。そういう部分の容赦の無さがまた韓国映画の魅力でもあるかと思うのですが。
この映画に限らずアーティストやアイドルが扮する登場人物が洒落にならないレベルの地獄に突き落とされるというパターンの韓国映画は結構あると思うのですが、入り口で一旦地獄を見せるみたいな、登竜門的意味合いでもあるのでしょうか?
個人的にはこの映画はダブル主演のもう一方のマ・ドンソク目当て。ドンソク映画として見ました。
とはいえ今回の作品は単独主演ではなくダブル主演なので、そこまでいつものドンソク要素はないかなと思ったのですが、意外と見どころは十分でした。
大抵どの映画でも暴力担当のドンソクの兄貴。今作でもしっかり魅せてくれます。
マ・ドンソクの役どころと言ったら大抵は刑事か反社かどちらかですが、今回は違法風俗の店長という何とも香ばしい反社会的な役どころ。
しかも投資で失敗して経済的にはカツカツ。しかし家に帰ると娘を愛する家庭人な一面も。
暴力担当という部分は変わらないながら映画によって正義だったり悪だったりするドンソクの兄貴。
今回はゴリゴリの反社会的な黒ドンソクながらも時折人間らしい白ドンソクも垣間見えたり。その部分が見どころの一つでもあったりします。
まあ暴力兄貴という部分は相変わらずなのですが。
そんな兄貴相手に美人局を画策してしまったのが運の尽き。
紆余曲折ありながらも結局バチバチにしばかれ、借金を背負わされ、恋人を風俗に沈められることに。
この時点でも十分に地獄なのですが、とは言ってもこれはまだまだ序盤の話。地獄の鬱展開に定評のある韓国映画。本当の地獄はまだまだこれから。
普通に考えれば世の中舐めたガキが怖いおじさんに懲らしめられるという、まあそういう話なんだろうなと思うのですが、それだけで終わらせてくれないのがトラウマ製造工場である韓国サスペンス。
そこから思いもよらない斜め上な地獄の展開に。
詳細はネタバレになってしまうので伏せますが、イカれたやつにイカれたやつをぶつけてさらに最悪な状況を作り出すという地獄の錬金術。ある意味韓国のお家芸とも言える怒涛の展開。どうしてこうなった。
ドンソク映画ながら単独主演というわけではないのでまあそこそこ楽しめればいいかな、くらいの軽い気持ちで見てみたのですが、前述の通りドンソク要素は意外と豊富ですし、二転三転するストーリーなど、サスペンス映画としても普通に面白かったので私としては大満足でした。
ドンソク映画としても韓国サスペンスとしてもよくできた映画なので過剰な期待さえしなければ十分に楽しめるかと思います。
逆に言うとドンソク映画としても韓国サスペンスとしても、何か一つぶち抜けた要素がある映画かといったらそういうわけでもないかと思うのですが。
とはいえ韓国サスペンスには『悪魔を見た』のような絶対にぶち抜けてはいけないような方向に激しくぶち抜けてしまった映画もあるので、そういう意味ではこの映画は韓国サスペンスの中では見やすい映画の部類に入るんじゃないかなと思います。
とはいえ無駄な温さはありませんし、 ごく一般的な目線で見たら十分に過激な部類に入る映画だと思いますが。
作中に心温まるようなシーンも安心できるようなシーンも一切なく、見終わった後も絶妙に嫌な気分を味わえる素晴らしい映画ですので気になる方は是非見てみてください。
というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。