男たちの挽歌
どうも、松本13です。
今回は、『男たちの挽歌』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『男たちの挽歌』は、1986年制作の香港映画。監督はジョン・ウー。主演はチョウ・ユンファ。
【あらすじ】
相棒のマークと香港の裏社会を仕切るホーは、学校を卒業した弟キットが刑事を志していると知り、足を洗おうと決意。部下のシンと最後の取引に臨むが、それは敵の罠だった…
今作は監督のジョン・ウーと主演のチョウ・ユンファの出世作としても有名。その名を世界に知らしめた名作中の名作と言っても過言ではないかと思います。
今でも様々な場所で語られたり引き合いに出されたりしているので、タイトルやビジュアルや作中のワンシーンなど、大抵の人は一度くらいはどこかで見かけたことはあるのではないでしょうか?
じゃあ実際に見たことがある人はどれくらいいるかと言うと、公開が大分昔ということもあり、そこまで極端に多くはないかと思います。
配信サイトなどでの再生回数はそれなりにあるかと思いますが、おそらくその中の大半は私のようなこれまで何度も見たことがある作品のファンによるものだと思います。
この映画はめちゃくちゃ素晴らしい映画なのですが、何分公開が少し昔ということもあり、また香港ノワールという今ではちょっと手を出しづらい、というか当時を知らない人にとってはよくわからないジャンルなのかもしれませんが、とにかく映画史に残る往年の名作の中ではとっつきづらい部類に入る作品なのかもしれません。
主演のチョウ・ユンファにしても全盛期をリアルタイムで知らない世代にとってはちょっととっつきづらい部分もあるかもしれません。どちらにしてもジャッキー・チェンほど気軽にはいかないかと思います。
それに世代が違うとチョウ・ユンファの魅力というのはちょっと分かりづらかったりする部分もあるかもしれませんし。
実際私も男たちの挽歌についてはリアルタイムで鑑賞したというわけではなく、むしろ私が物心ついた時にはすでに今のような名作扱いとなっていました。
ビジュアルに関してもちょっと古いイメージがありましたし、チョウ・ユンファの格好良さというのもいまいち分かりませんでした。
が、実際に見てみると作品の圧倒的な面白さと、それより何よりチョウ・ユンファの圧倒的な格好良さにやられました。
もちろん主人公のティ・ロンやレスリー・チャンなども素晴らしいのですが、ただこの映画は何と言ってもチョウ・ユンファなんじゃないかと。
男たちの挽歌=チョウ・ユンファというイメージがありますが、第一作は主人公ではないんですよね。準主役という立ち位置。
同じ位置にレスリー・チャンがいますので明確な第二の主人公というわけでもなく。
にもかかわらずこの映画と言ったらとにもかくにもチョウ・ユンファ。その存在感もかっこよさも圧倒的です。
この部分の感覚というのは言葉ではなかなか伝わりづらい部分なので、実際に見て感じるのが一番だと思います。
かつて私も上の世代から何度ジェームズ・ディーンのかっこよさを解かれても全く分かりませんでしたが、作品を一本見たら容易に理解できました。
名優や名作の魅力って本当に時代は関係ないんですよね。見てみれば世代違いにもめちゃくちゃぶっ刺さる。
ジョン・ウーという名監督、チョウ・ユンファという名優、香港ノワールというジャンルの源流となった作品でもあり、未だに様々な作品でオマージュをされている歴史的な名作なので、興味のあるなしに関わらず一度は見ておいて損はない映画だと思います。
かなり昔の作品なのでそれなりに時代を感じるかと思いますが、古臭さを感じるような作品ではないかと思いますし、展開サクサクのガンアクションなので退屈することも鑑賞ストレスを感じることもないかと思います。
ネットでネタとして使われているシーンや、オマージュの元ネタなども多々あるので、そういう部分の答え合わせとして見てみてもいいかと。
とにかく一度は通っておいて絶対に損はない作品です。そして見てみたらチョウ・ユンファのなにがそこまで凄いのかがわかるかと思います。
本当に言葉にするのが難しい部分なのですが、この当時のチョウ・ユンファにしかない圧倒的さというのは間違いなくあると思います。
実際、今同じようなことを同じような誰かがやったとしても同じような結果にはならないと思いますし、とにかく他では真似できない唯一無二の魅力がこの作品のチョウ・ユンファにはあります。
可もなく不可もない髪型をして、もっさりしたサングラスをかけ、ロングコートにニ丁拳銃のアジア人。
今やテンプレとなったそれの何がかっこいいのか?と言われたらやはりうまく言葉にできませんし、男たちの挽歌としか答えようがないのですが。
この作品が映画史に果たした役割というのはそれこそ数え切れないくらいにありますが、私個人としてはこの映画一本で格好良さの一つのジャンルが確立されたことが本当に凄いことだと思っています。
男たちの挽歌のチョウ・ユンファのような、という格好良さのジャンル。そしてそれが30年以上経った今もなお現役というのがすごいところ。
しかも基本に忠実なままに、というよりアレンジしようがないのかもしれませんが。やんわりと同じようなことをやったり応用を利かせてやってみたりしてもいまいちで結局チョウ・ユンファのものまねをするしかないみたいな。
などとチョウ・ユンファについてばかりあれこれ語ってしまいましたが、香港ノワールとして見てもガンアクション映画として見てもとても素晴らしい作品です。
ストーリーもとにかく胸熱がすぎるくらいに胸熱なストーリー。そして名シーンの連続。
気になる方も気にならない方にも是非一度見ていただきたい作品です。
古い映画だからあんまり面白くなさそうとか世代が違う故になんかちょっとダサく見えるくらいでも全然問題ないかと思います。
実際私も最初はそのくらいのゆるいスタンスで寝転んでみたのですが、90分後には起き上がってめちゃくちゃ泣いていました。
まあこの手の往年の名作というのは熱心に勧められれば勧められるほど拒否反応が出てしまう場合もあるかと思うのですが、頭の端にでも留めておいて何かのきっかけに一度見て見るのもいいんじゃないかと思います。
刺さる人には相当ぶっ刺さる作品ですし、映画としても普通に面白いですし、映画史においても重要な役割を果たした作品なのでこの作品を通っているかいないかで映画感や同ジャンルの見え方も少し違ってくるかと思います。
どちらにしてもおっさんがドンパチやりあう95分の映画なのでそこまでかしこまる必要はないかと。
とにもかくにも素晴らしい作品なのでめちゃくちゃおすすめです。
というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。