サイン
どうも、松本13です。
今回は、『サイン』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『サイン』は、2002年のアメリカ合衆国のSFホラー映画。監督はM・ナイト・シャマラン。出演はメル・ギブソン、ホアキン・フェニックスなど。
【あらすじ】
妻の事故死を境に牧師を辞めたグラハムは、弟のメリル、そして二人の子供達と静かに暮らしていた。しかしその家族の前に、狂暴化する動物やミステリーサークルなど、様々な兆候(サイン)が現れはじめる…
私の中でこの作品は長年良作くらいの位置づけだったのですが、公開から20年以上経った今、改めて評価すると傑作くらい言い切ってしまってもいいんじゃないかなと思っています。
内容は普通に面白いですし、なんやかんやで公開から20年以上の間、何度も見ているんですよね。忘れた頃に定期的に見たくなる。そんな魅力がこの映画にはあると思います。
キャストもメル・ギブソン、ホアキン・フェニックス、ローリー・カルキン、アビゲイル・ブレスリンと、よくよく考えるとめちゃくちゃ味のある豪華なメンツ。
この映画は何者かに日常が侵食されていくというSFホラー要素と、舞台もだだっ広い畑のある田舎町ということもあって気付きづらいのですが、主人公家族4人の割とこじんまりとした話なんですよね。
主演のメル・ギブソンとホアキン・フェニックスはもちろんのこと、子役の二人もかなりいい味出してます。
そこまで意識はしていなかったのですが、この家族、何げに私の中の映画史における印象的な家族の上位だったりします。
映画における家族とパっと頭に思い浮かべると必ず最初の方にこの家族が思い浮かんだりするのですよね。
そんな妙に味のある家族の不穏さ溢れるやり取りがこの映画の大きな魅力の一つだと思います。
かといって緊張感満載の映画かと言ったら決してそういうわけでもなく、むしろ設定はガバガバだし、ツッコミどころの多々ある笑える映画だと思います。
これだけ不穏な雰囲気で真面目にやっているにも関わらず、なぜかクスりと笑えてしまう妙な面白さがあるんですよね。
よくよく考えるとツッコミどころ満載な大味で笑える映画って私の大好物なんですよね。
にもかかわらずこの映画が私の中で傑作ではなく良作止まりだったのは、この映画の監督がM・ナイト・シャマランだったからだと思います。
この頃ってまだ私を含め、多くの人がM・ナイト・シャマラン監督作品に『シックスセンス』を求めていた頃だと思うんですよね。
実際当時のM・ナイト・シャマラン監督は稀代の天才監督くらい言ってしまっても決して大げさではない評価がなされていたと思いますし。
そんなM・ナイト・シャマランが新たに作ったSFホラー映画ということで、世界中が大いに期待していました。
が、蓋を開けてみたら設定ガバガバの大味映画だったという。
映画としての出来は素晴らしいのですが、ただ私も含め世界中の多くの人がM・ナイト・シャマランのそのような映画を受け止める準備ができていなかったのだと思います。
『シックスセンス』、『アンブレイカブル』ときたら同じようなノリを期待してしまうわけです。が、蓋を開けてみたら頭にアルミホイル巻いて電波遮断とかしちゃってるわけです。
今でこそ笑えるシーンは多々ありますが、公開当時は ゴリゴリのSFホラーとして宣伝していたので、そのようなシーンを唐突に見せられた時に感じたのは面白さではなく戸惑いでした。
私の中でも世間的にもこの映画の評価が悪いまではいかないながらも、過去2作に比べていまいちパッとしなかったのは、多くの人の中でシャマラン映画と言ったらシックスセンスというイメージが強かったことが原因の一つ なんじゃないかなと思います。
しかしあれから20年。今やM・ナイト・ シャマランに当時のようなイメージを持っている人はほとんどいないかと思います。
散々クセのある映画やちょっとアレな映画を作ってきましたし、その後のシャマラン映画を知っていれば知っているほどシックスセンスを期待したりしませんし、期待どころか新作が公開されればむしろそれなりに警戒をしたりもします。
そうなった今、改めて見てみるとこの映画は一つの映画としてもシャマラン映画としてもかなりの傑作なんですよね。
M・ナイト・シャマランの初期キャリアやある種の黄金期となると、シックスセンスやアンブレイカブルがフィーチャーされがちですが、個人的にはそこにサインも加えてもいいんじゃないかなと思っています。
ツッコミどころは多々あれど最後まで気持ちよく見れると言う点は過去2作と同様なので。
逆にこれ以降の作品はそのような気持ちよさが無い映画が多く、良くも悪くも「シャマラン映画」な作品が多いので。
そのような一癖も二癖もあるシャマラン映画も好きですが、それとは違うベクトルのサインのような映画も個人的には大好きです。
とにかくM・ナイト・シャマラン監督作品にしては数少ない気軽に見れる楽な映画なので気になる方は是非見てみてください。
しばしご無沙汰の方もぜひぜひ。きっと当時とは違う感想が持てるはず。
というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。