イップ・マン外伝 マスターZ



どうも、松本13です。

 今回は、『イップ・マン外伝 マスターZ』 についてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『イップ・マン外伝 マスターZ』は、2018年の香港映画。実在の武術家葉問(イップ・マン)を主人公とする人気シリーズの三作目『イップ・マン 継承』のスピンオフとして制作された。


【あらすじ】

詠春拳の正統争いに敗れた男は、武術と闇稼業から足を洗い、息子と穏やかな日々を送っていた。しかし、犯罪組織に追われていた女たちを救ったことで彼はその組織と対立し、再び武術を解き放つ…


イップ・マンを題材とした映画は多々ありますが、当たり外れが結構激しかったりします。


というよりもドニー・イェンのイップマンが圧倒的すぎて、そこそこの良作程度では満足できなかったりします。


この作品はドニー・イェン主演のイップ・マンシリーズの作品です。が、しかし外伝的作品ということもありドニー・イェンの出演はほとんどなし。回想シーンに一瞬出てくる程度。


なのでそこまで期待はしていなかったのですが、いい意味で期待を激しく裏切られました。


この映画はめちゃくちゃ面白いです。カンフー映画としてもアクション映画としても恐ろしく完成度が高い。


ドニー・イェン主演の過去作品と同じぐらいのテンションで見ても全く問題ないレベルです。ドニー・イェンが出演していないからと期待値を下げる必要もなし。めちゃくちゃ期待して大丈夫です。


どんなに期待値を上げて見ても大抵の人の期待は叶えられる、それくらいに素晴らしい内容の映画です。


今作の主人公であるチョン・ティンチ を演じるのはマックス・チャン。彼もとても素晴らしい俳優ではあると思うのですが、しかしながらドニー・イェンと比べるとやはり少し弱いかなと。


ドニー・イェンと比べれば大抵はそのような評価になってしまうかと思うので、そもそも比較するのが酷なことではあるかと思うのですが。とはいえ過去作品ではドニー・イェンがいた主役の位置にいるわけなのでどうしても意識せずにはいられません。


確かに主人公単体では若干弱い部分はありますが、この映画は脇役がとにかく豪華。脇役も含めて考慮すれば本家イップ・マンと比べても引けを取らないレベル。


シリーズがヒットしたついでにもう一本作っておいた、みたいな低予算映画というわけではない制作陣の本気の度合いが伝わってきます。


今作の脇を固めるのはミシェル・ヨー、デイヴ・バウティスタ、トニー・ジャーという一人で一本主演映画作れるレベルの超豪華メンバー。


さらに香港映画界の名脇役でもあるユン・ワーもめちゃくちゃいい役で出演しています。


ユンワーに関しては名前を知らなくても一昔前の香港映画を見た人なら必ず一度は見たことがある顔だと思います。そして一度見たら忘れられない顔。


裏社会を牛耳る女ボスを演じたミシェル・ヨーも素晴らしかったです。これまでの輝かしいカンフーやアクション映画でのキャリアからリスペクトを込めてつい姉御と呼びたくなってしまうミシェル・ヨーがそのままのイメージで姉御を演じています。


動きもキレッキレ。顔見せ程度の出演ではなく、バチバチにやりあって最高のアクションを見せてくれます。


本家イップ・マンに比べると主演の部分で弱い部分はありますが、その部分を脇役で補っているのでとにかく見ていて本家に比べて地味さは一切感じません。


またカンフーシーンやアクションシーンについても、本家とは少し違った方向性で作られており、明確な差別化が図られています。


本家も本気で最高だけどこちらもこちらでかなりいい。とにかく退屈を感じることは一切ありません。


ストーリーについてもかなり秀逸。イップ・マンとの戦いに敗れ、詠春拳を封印し、一人息子との慎ましい暮らしを送っている主人公。


しかし紆余曲折あって戦わなければいけないことが多々あり、しかしながら封印した詠春拳は頑なに使いません。


作中の紆余曲折は割とハードに描かれており、古き良き香港ノワールの匂いもプンプンします。そういう部分も本家と差別化が図られていていい感じです。


今作はどことなくハードボイルドであったりアウトローな匂いのする作品。イップ・マンとは一味違った魅力があります。


ライバルとの戦いに敗れて落ちぶれた主人公。しかし紆余曲折あって捨てたはずの元の道に。それでも封印した詠春拳は使わず、しかし最後の最後についに…なんてとんでもなく胸熱なシーンもあったりします。


こういうの嫌いな人はほとんどいないと思うのですよね。むしろ大好物。


本家とは明確な差別化が図られていることもあり、これはこれですごくいい。本当にいい作品です。


イップ・マンの名を冠した作品ながらドニー・イェンの出演がないということで物足りなさを感じたり、あえてこの作品をスルーしている人もいるかもしれませんが、この作品は本当によくできた映画なのでドニー・イェン不在の物足りなさを感じることはありません。


ドニー・イェン不在のイップ・マンで物足りなさを感じないというのは、冷静に考えるととてつもなくすごいことだと思います。


レベルとしては良作スピンオフというより、傑作と言い切ってしまっても全然問題ないレベル。


それくらいに面白い作品ですので気になる方は是非見てみてください。


というわけで今回はこの辺で。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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