殺人者の記憶法



どうも、松本13です。

今回は、『殺人者の記憶法』についてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『殺人者の記憶法』は、2017年の韓国映画。ストーリーが本編とは若干異なる『殺人者の記憶法 新しい記憶』というバージョンも同時に公開されている。


【あらすじ】

かつて連続殺人犯だった獣医のビョンスはアルツハイマーを患っており、自身の声を録音することで記憶をつなぎとめていた。ある日、車で接触事故を起こしたビョンスは、相手のテジュもまた殺人犯であると確信する…


個人的に韓国サスペンスと言うと他国のそれにはない、むちゃくちゃな胸糞ストーリーやグロ要素などが魅力なのですが、この映画はそのような韓国サスペンスならではの要素もありながら、ストーリーがとてもよくできているめちゃくちゃ面白い映画です。


とにかく先の読めない二転三転するストーリーや一瞬たりとも安心できないハラハラドキドキの連続。


とにかくよくできた映画です。


主人公がアルツハイマーを患っているゆえ、記憶が短期間しか持たないという部分がこの映画を面白くしている最大の要因だと思うのですが、この手の変則ムービーというのは脚本にしても作中の時系列にしても複雑になりがちなので、相当なセンスや技術のある人しか手を出せないジャンルかと思います。


下手に手を出しても物語として成立しないので。


もちろん原作小説の力という部分も大いにあるかとは思いますが、ただその魅力を損なうことなく映像化するのも簡単なことでは無いかと思います。


主人公の頭部の怪我が原因で記憶が短期間しか持たない。それゆえの変則的なストーリー展開という部分に関しては、変速ムービーの金字塔『メメント』とよく似ている部分がある映画だと思います。


メメントに関してはストーリーはもちろんのこと、ビジュアルやスタイリッシュさも魅力の一つかと思うので、韓国版メメントと言い切ってしまうには若干弱い部分もあったりするかもしれませんが。


とはいえビジュアルはともかく、変則ムービー としては相当に素晴らしい出来の映画だと思います。


ストーリー展開を二転三転させるために常識ではありえないような無茶苦茶な出来事やファンタスティックな巡り合わせがあるのが、ある意味韓国サスペンスのお約束みたいな部分がありますが。


この映画に関しては主人公のアルツハイマーという部分で十分にストーリー展開がつけられるので、韓国サスペンス名物の「そうはならんだろ⁉」的な出来事は控えめ。


とはいえその手の要素が皆無というわけではありません。


そもそも普通に考えたら片田舎の小さな町に連続殺人犯が2人も住んでいるのがありえませんし、その2人が普通にその辺の道でかち合うというのもありえないので、ある意味その手のお約束ノルマは果たしているんじゃないかなと思います。


割とカジュアルに殺人犯と殺人犯がかち合うというのも韓国サスペンスあるあるかと思うのですが。


娘を守るために連続殺人犯と渡り合うことになる主人公自身も元連続殺人犯。清廉潔白な正義の味方というわけではないのですが、相手の連続殺人犯は警察。証拠隠滅も捜査妨害も簡単にできる立場。


一方の主人公は一般人でアルツハイマーというハンデ持ち。どう考えても勝ち目はないのですが、あの手この手を使って何とか渡り合っていく、その部分もこの映画の見所の一つだと思います。


主人公の記憶が短時間しか持たないゆえ、その記憶がリセットされるたびに展開が二転三転するので、とにかく退屈する暇がありません。


様々なミスリードやストーリーが進んでいくにつれて伏線回収などがあるので、とにかく時間が過ぎるのが早い。2時間近い作品ですが体感では1時間半くらいに感じました。


韓国サスペンスと言うと良くも悪くもクセのある作品が多く、グロや胸糞要素も多いので好き嫌いも人によって激しく別れたりする作品が多いです。


が、この映画に関しては韓国サスペンスにしては過激描写は控えめだと思うので、そういう意味ではかなりとっつきやすい作品かと思います。胸糞描写はそれなりにありますが。


とにかくストーリーがよくできている映画なので、大どんでん返し系のサスペンスが好きな人におすすめですし、メメントのような変速ムービーが好きな人にもおすすめできる映画かと思います。


意図してかどうかは分かりませんが、なんだか妙に笑えてしまうシーンもあったり、あっと驚くような描写もあったりと、サスペンス要素以外の部分や視覚的な刺激もそれなりに楽しめたりします。


個人的にはリアルアンパンマンみたいになっちゃってるとあるシーンがとても印象的でした。詳細はネタバレになってしまうので伏せますが。


というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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