ハイリスク
どうも、松本13です。
今回は、『ハイリスク』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『ハイリスク』は、1995年の香港のアクション・コメディ映画。主演はジェット・リー。
【あらすじ】
特殊部隊に所属するリーは、「ドクター」と名乗る男が仕掛けた爆弾によって目の前で妻子を殺されてしまう。数年後、彼はアクションスターのボディガードとして働いていた。ある日、宝石展に同行することになったリーは、あの「ドクター」が展示会を襲撃しようと企んでいることを知る…
この映画、めちゃくちゃ面白かったです。頭を空っぽにして見れるタイプの素晴らしい映画。
冒頭で主人公であるジェット・リーの妻子がテロリストに爆殺されるというハードなシーンから始まるので、その後もそれなりの展開を想像してしまいがちですが、この映画はジャンルとしてはアクションコメディ。
冒頭はハードな展開ですが、それ以降は割と気軽に見れる軽いノリで話が進んでいきます。その部分を勘違いさえしなければ誰でも楽しめる映画なんじゃないかなと。
冒頭でハードなアクション映画と勘違いしてしまうと、それ以降肩透かしですが。主演がジェット・リー ということもあり硬派なアクションを期待してしまう人もいるかと思いますが。
現場で台本がコロコロ変わる、そもそも台本自体が存在しないなんていうのは一昔前の香港映画あるあるだったりしますが、この映画こそまさにそのようにして作られたのではないかと思ってしまうような内容です。
冒頭はハードで重たい展開なのに、そこから一転してコメディ展開になったり。雰囲気にしてもストーリーにしても本当にコロコロ変わるんですよね。
その部分を真面目に見てしまうとこの映画はダメだと思います。この時代の香港映画はこういうものだと割り切ってみるとむしろ最高に楽しい。
ストーリーに関しては香港版『ダイ・ハード』。テロリストに占拠されたビルでジェット・リーが右往左往。
エレベーターを利用したアクションや換気ダクト内の移動など、ダイ・ハード オマージュも多々あったり。
ちなみに妻子亡き後のジェット・リールは香港のアクションスターのスタントマンという役どころ。
ちなみにそのアクションスターは代役を使わないことで有名な、もろにジャッキー・チェンを彷彿とさせるキャラ。実際はジェット・リー扮する主人公がアクションシーンを担当しているのですが。
そんなアクションスターを演じるのはジャッキー・チュン。名前も似ているし、なんなら雰囲気も結構似ている。
ただ服装とカンフー シーンに関してはブルース・リー寄り。
この時代の香港映画をあまり見ない人にとってはなじみがないかもしれませんが、ジャッキー・チュンはジャッキー・チェンそっくり芸人とかそういうわけではなく、歌手としても俳優としても大成功を収めているかなりの大スターです。
そんなジャッキー・チュン扮するアクションスターのフランキーが、この映画の第2の主役だったりします。
というかシーンによってはほとんど主役のような扱いだったり。
序盤こそジェット・リー単独主演映画のような雰囲気でしたが、後半はジェット・リーがほとんど出てこないシーンが続いたりと、そのような脈絡のない展開も台本のない香港映画らしいと言えなくもないです。
この映画のジェット・リーに関しては、良くも悪くもよくあるジェット・リー演じる主人公と言ったところ。
真面目で実直で運動能力と格闘センスは抜群。おそらくジェット・リー が単独主演だとしたらこの映画もそれなりに硬派な作品になったのかもしれません。
しかし特に後半はジャッキー・チュンがこれでもかというくらいにコメディ担当として全面に出てくるので、その部分の緩急が個人的にはとても心地よかったです。
逆にその部分があったからこそ、ただの香港版ダイ・ハードで終わらなかったのかなと。
ジェット・リーは本当に良くも悪くもいつものジェットリーなのですが、とにかくジャッキー・チュン扮するフランキーがかなりいいキャラしてます。
お調子者で女好き。それでもただ外面がいいだけのアクションスターというわけでもなく。カンフーシーンに関しても相当に魅せてくれます。
逆にこの映画に関してはジェット・リーのカンフー シーンは控えめ。
台本があるのかないのかよくわからないようなストーリー展開、クスりと笑えるコメディシーンからカンフー、ド派手なガンアクション。この時代の香港映画のおいしいところはだいたい全部詰まっています。
ストーリーの大枠はだいたいダイ・ハードですし、車やヘリコプターがド派手にぶっ壊れたり、火薬をたっぷり使った爆破シーン、ちょっとした男同士の友情や胸熱シーンなんてのもあったり。
香港映画にとどまらず90年代のアクション映画におけるおいしいところはだいたい詰まっています。
この手のあれもこれも詰め込んだパーティーセットのような映画というのは、それぞれの要素が反発し合い、思ったよりも面白くなかったなんてことも多々あるのですが、この映画はその部分が非常にうまく調和しており、ちょうどいい具合にまとまっています。
そうやって話があっちに行ったりこっちに行ったりするのですが、最後の最後は意外なほど綺麗にオチたり。
とにかく最高に面白く気持ちのいい映画でした。
この時代の香港映画やアクション映画のいいところがこれでもかというくらいに詰まっている映画なので、その手の映画が好きな人にはこれ以上にない作品かと思います。
というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。