インディ・ジョーンズと運命のダイヤル



どうも、松本13です。

今回は、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』についてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は、2023年に公開されたアメリカ合衆国のアクションアドベンチャー映画。『インディ・ジョーンズ シリーズ』の第5作目。


【あらすじ】

考古学者で冒険家のインディが、人間の想像を超える力を持つといわれている秘宝「運命のダイヤル」を追う。ところが、そんな彼の前に、同じくその宝を狙う元ナチスの科学者・フォラーが立ちはだかる…


この映画、評価が激しく分かれている映画ですが、ただ評価が分かれているのは、「インディ・ジョーンズとしていかがなものか?」という部分であり、作品の質としてはとても高いかと思います。


作品として致命的な欠陥や何かしらの問題を抱えているわけでもなく、賛否は分かれているながらこの映画を高く評価する声も多く聞かれているので、あえて忖度やオブラートなしで個人的で率直な感想を言うとすれば、私にとってこの映画は激しくイマイチでした。


決して駄作というわけではないかと思いますが、ただインディ・ジョーンズとしてこの終わり方はあまりにも寂しすぎるというのが素直な感想です。


おそらくこの作品は過去のインディ・ジョーンズ シリーズのどこにどれだけの愛着を持っていたかで評価が分かれるんじゃないかと思います。


今作のジョーンズ教授は一言で言えば完全に老いぼれてしまっています。アパートでの侘しい一人暮らし。かつてのような覇気もなく、現役で教鞭は取っているものの、生徒からは冷ややかな目線で見られていたり。


今作の監督はスピルバーグではなく、ジェームズ・マンゴールド。『X−MEN』のウルヴァリンのその後を描いた『ローガン』と全く同じことをインディ・ジョーンズでやったわけなのですが、ローガンは私も大好きな映画ですが、インディ・ジョーンズは「もう少しなんとかならなかったのか」というのが正直な感想です。


とはいえハリソン・フォードも80歳を超えるもう完全な老人ですし、全盛期のようなアクションができないというのもわかるし、その分を補填するアクション要因が必要だったり、色々とテコ入れが必要なのも分かります。


個人的にこの映画は好きではありませんが、ただジェームズ・マンゴールドは素晴らしい仕事をしたと思いますし、ジェームズ・マンゴールドをしても賛否両論になってしまうのかとすら思います。


インディ・ジョーンズは、この映画の10年以上前に作られた、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』の時点でもうすでに作品としてのピークを過ぎていたように思います。


そもそもパート4の時点で初期三部作からだいぶ時間が経っていましたし、監督もキャストもかなりいい歳でした。


かつてやっていたことをそのままやるわけにもいかないだろうし、だから何かしら新しいことをやらなければいけないのだけど、かと言ってオリジナル要素もないがしろにはできず…


そういう色々と難しい中で4はよくやった方だと思うのですが、それでもかつてのような輝きを取り戻すことはできませんでした。


スティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、ハリソン・フォード、ジョン・ウィリアムズが揃っても尚。


作品としても致命的な欠陥があったというわけでもなく、それでも4は大成功とはなりませんでした。


私としてもインディ・ジョーンズ4は初期3部作ほど手放しで絶賛できるものではないのですが、かといって何か問題があったわけでもなく、結局インディジョーンズ4に感じた嫌な感じというのは、自分の親が老いて衰えていくのを認めたくないような、そんな妙な気持ちでした。


自分という人間を形作ったといっても過言ではないくらいに慣れ親しんだシリーズがピークを過ぎてしまったのを認めたくない。


そんな気持ちがどこかにあったのかもしれません。


しかし何事も全盛期のまま在り続けるということができるわけもなく、やはり老化や衰えというものとはどこかで折り合いをつけていかなければいけないものだったりします。


そういうことを何度も考えたり、繰り返し見ていたりするとインディ・ジョーンズ4というのは割と愛せる作品だったりします。


それに全盛期を過ぎたとは言ってもまだまだ当時のインディ・ジョーンズにはそれなりの勢いがありました。


『インディ・ジョーンズ』にしても、『ダイ・ハード』にしても、『ターミネーター』にしても、この時期は続編単発では終わらず、この後も何作かシリーズが続いていくというプレスリリースがなされていましたし。


今ほどキャストの年齢や健康状態などの問題もなく、映画界全体としても往年の名作シリーズに対する先行きは今よりも大分明るかったと思います。


結局は様々な理由で続編は、打ち切られたり先延ばしになってしまったりするのですが。


インディ・ジョーンズも紆余曲折があり、前作から10年以上経過してからの続編製作。10年以上前でもうすでにかなり厳しい状況であったのに、完結編を作るとなるともう選択肢はかなり限られてくると思うのですが。


主演のハリソン・フォードもかなりいい歳なので、それに準じたストーリー展開や内容を考えなければいけないし、制限もそれなりに多いです。


キャストをハリソン・フォード以外にすればそれなりに選択肢も増えますが、そうしたらしたでまた別の問題が多々でてくることになると思いますし。


そのような状況を考慮すればインディジョーンズ5は十分すぎるほどの作品だと思うのですが、とはいえ最近の映画にありがちな、やたらと冗長でそれでいて最後は賛否両論で終わる、他ならぬインディ・ジョーンズがその手の映画として終わってしまった事に寂しさを感じずにはいられません。


昨今のその手の映画の冗長さや賛否両論点というのは作品の重厚さに起因するものなので一概に悪とは言えないものではあるのですが。


ただ私にとってのインディ・ジョーンズってそういう映画じゃないんですよね。


そして結果論ではあるのですが、もしスピルバーグが監督していたのなら?と思わずにはいられません。


これまで数々の奇跡を起こしてきたスピルバーグならこの作品でも何かしらの奇跡を起こしてくれたんじゃないか?と、そう思わずには。


様々な問題や課題を抱えながらも、それでもなんやかんやでオリジナルメンバーが揃っていた前作。作品としては手放して絶賛はできませんでしたが、当時はまだシリーズとしての先行きにもそれなりに明るいものがありました。


ただ今回は正真正銘の完結編。ハリソン・フォード=ジョーンズ教授と考えると、年齢などの現実的な問題もあり、これ以上はどう考えても難しいかと思います。


そう考えてもやはりこの終わり方は寂しすぎるかなと。


特になんやかんやで前作を愛していた層にとっては。


初見時の「なんかいまいちだったなー」くらいで終わっていたら今作の見え方も違っていたのかもしれませんが、何とか自分の中で折り合いをつけつつ、そして何回も見たりしてその中で見えてきた良さもあったりして、そうやってなんだかんだここ10年ほど前作を愛してきた層にとってはこの作品はちょっと受け入れがたい部分があります。


現実的に考えるとこのような作品になった事情についてはある程度納得できるものがあるのですが、ただ今作における前作の扱いについては全く納得できるものではなく、この映画最大の地雷なように感じます。


とはいえ私のような層というのはそこまで多くはないかと思うので、その部分を切り捨てることによって非難もそこそこありながら、その一方で高く評価する声を多く得られたのかもしれませんが。


視点を変えれば前作をどのように受け止めたかによって評価が分かれるというのはこの映画の非常に面白い部分でもあるかと思います。


前作に大した思い入れがなかったり、素通りしたりしていたら今作のような内容はすんなり受け入れられていたかもしれません。


初期三部作からは相当に時間が経っていますからジョーンズ教授の老いぼれっぷりも自然だったのかも。


ただ初期三部作との間に、確かに衰えつつも「まだまだいけるぞ」感満載なパート4があるので、そこに重きを置いてしまうとやはりこの作品には異質なものを感じずにはいられません。


とはいえハリソン・フォード主演のインディ・ジョーンズに関しては、もう今後作られることはないかと思うので、前作がそうであったように、今後何年かかけてこの作品と折り合いをつけていくしかないのだと思いますが。


パート4がそうであったように、ある程度長い時間をかければこの作品も愛せるようになるのかもしれませんし。


幸いこの映画は個人的な思い入れを別にすれば、作品として素晴らしい仕上がりになっていることは間違いないので。


インディ・ジョーンズのような名作シリーズの完結編ともなると、何よりも感情が先立ってしまうので冷静に見られない部分もあるのですが、ある程度ほとぼりが覚めてくればこの映画の素晴らしい部分も今よりももっと見えてくるのかもしれません。


今現在の素直な自分の気持ちとしては決してそんなことはないと思うのですが、とはいえ時間というのは偉大なもので、キャスト変更などの部分で公開当時は絶対に許せない駄作だった『ターミネーター3』でさえ、今では再評価しているのですから、この作品に関してもどうなるかは分かりません。


そう考えるとある意味今後が楽しみでもあります。


というわけで今回はこの辺で。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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