オデッセイ



どうも、松本13です。今回は、『オデッセイ』についてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『オデッセイ』は、2015年のアメリカ合衆国のSF映画。アンディ・ウィアーの小説『火星の人』を原作としている。監督はリドリー・スコット、主演はマット・デイモンが務める。


【あらすじ】

2035年。アメリカの有人火星探査計画「アレス3」の任務中に事故に遭った植物学者のマーク・ワトニーは、一人火星に取り残されてしまう。次の任務は4年後。彼は生き残りをかけて火星の地で自給自足を決意する…


個人的にリドリー・スコット監督作品は当たり外れが多いイメージです。


作品の質としては総じて高いかと思うのですが、個人的なツボに超ぶっ刺さるか大幅に外してくるかの両極端。そういう意味での当たり外れが多い監督です。


ちなみにこの作品は大当たり。もしかしたらリドリー・スコット監督作品の中で一番好きかもしれません。ひとまず視聴回数は群を抜いて多いかと思います。


この映画はそれくらいに面白い映画なんですよね。


映画としての面白さはもちろんのこと、コメディ的な面白さも多分に含んだ作品です。


リドリー・スコット監督作品には、当人はそこまで意識していないのかもしれないけれど、なんか妙に笑えてしまうような、そんなシーンが多々あったりします。


そんなリドリースコット監督の性質が悪い意味で出たのが『エイリアン:コヴェナント』であり、そして最もいい意味で作用したのがこの作品だと私は思っています。


とにかく普通に面白い。何も考えずに没頭して楽しめる映画です。かといって別に大味な内容というわけではなく、むしろそれとは対極に位置する重厚な内容。


にも関わらず2時間以上の上映時間があっという間という素晴らしさ。


私は大味なアクション映画が大好物な人間なので、エイリアンもUFOも出てこない宇宙を舞台にした映画というのはちょっと苦手だったりします。


その手の映画というのはちょっと退屈に感じてしまったりするので。どちらにしても宇宙でドンパチやる系の映画に比べれば絵面的には相当に地味になるかと思います。


この映画にはもちろんエイリアンもUFOも出てきませんが、そういう宇宙映画にありがちな退屈さは皆無。


紆余曲折あって火星に1人取り残された男が生き残りをかけて農業を。普通に考えたら火星で農業は無理だと思うのですが、不屈の精神と豊富な知識を活かしてそれを何とか可能としていく、そのシーンの数々がもう抜群に面白いです。


しかもそんな主役を演じるのはマット・デイモン。


個人的にマット・デイモンというのは様々な役を演じられるとても優れた俳優だと思っているので、あまり特定の映画のイメージはないのですが。若干ジェイソン・ボーンのイメージが強いくらい。


それでもシュワちゃんのターミネーターや、ジェイソン・ステイサムのだいたいいつも殺し屋か元特殊部隊のような固定したイメージはなかったのですが、この映画を見てからはもうとにかくマット・デイモンと言ったら火星農作、そんなイメージがついてしまいました。


たった一作でジェイソン・ボーンのイメージを超えるってかなりすごいと思うんですよね。


それくらいのエネルギーに満ちた作品であり、そして面白い映画です。


火星で農業ができるのか?という部分の科学的考察などについてはもちろんのこと、そもそも生き残れるのかどうか?という部分についても非常に手に汗を握る部分ですが。


それより何よりマット・デイモンという俳優の素晴らしさ。実際作中の火星のシーンのほぼ全てはマット・デイモン一人しか出てきません。あとは芋。


それで退屈するどころか手に汗を握って見てしまうのですから素晴らしいとしか言いようがありません。


それに加えて笑えるシーンも多々あります。個人的に映画で笑ったシーントップ3には間違いなく入る、それくらいに面白いシーンが作中にあったりします。そのシーンのためだけに見る価値もあるかと。


そのシーンは未だに何度見ても声を出して笑ってしまいます。


芋が育つのかとかマット・デイモンのギャグパートとか、とにかく見どころ満載の今作。火星という特異な環境での二転三転する展開に翻弄されまくりなのですが、最終的に地球に生還できるかどうかという点も相当に手に汗握る部分です。


とにかく何もかものバランスが素晴らしく、それでいて変に小難しくもなく、退屈もせず、頭を空っぽにして見れるのに、めちゃくちゃいい映画を見た気にさせてくれる、本当に素晴らしい映画です。


絶妙なタイミングで流れ出すセンスあふれる劇中歌、そして脇役のキャスティングもこれまたかなり最高です。いい感じの映画でいい感じの役柄を演じているいい感じな役者が多数脇を固めています。


リドリー・スコットの映画に対する思惑というのは、必ずしも毎回正確に作用するというわけではないかと思うのですが、むしろその部分においてはいつまでたっても不安定なのがリドリー・スコット監督作品の特色であり、ある主の魅力でもあるかと思うのですが。


そういう部分が全てうまく作用したのがこの作品なんじゃないかな、と個人的には思いました。


しかも最後の最後がめちゃくちゃいい。とても素晴らしい終わり方だし、めちゃくちゃいい映画を見た気にさせてくれるし、良質なカタルシスを味わうことができる本当に最高の終わり方だと思います。


とにかくこの映画は全方位に無条件でおすすめできる映画かと思います。ジャンル的な偏りもなく、特殊な趣味や性癖を持っていなくても楽しめますし、ホラーやグロやトラウマ要素があるというわけでもなく。


かといってそれらがないと退屈に感じてしまうような私のような層でも夢中になって見れるような面白さ。


とにかく見て損は一切ない作品かと思います。


というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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