ゴースト・イン・ザ・シェル



どうも、松本13です。 

今回は、『ゴースト・イン・ザ・シェル』についてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『ゴースト・イン・ザ・シェル』は、2017年のアメリカ合衆国のSF映画。主演はスカーレット・ヨハンソン。


【あらすじ】

電脳ネットワークと肉体の義体化が高度に発達した近未来。悲惨な事故から生還した世界最強の捜査官「少佐」の体は、脳の一部を除いて全身が義体化されていた。彼女は公安9課を率いて凶悪なサイバーテロ犯罪に立ち向かう中で、自身の存在にまつわる真実に迫っていく…


この映画は漫画・アニメの実写化なので賛否は分かれるかとは思いますが、個人的にはめちゃくちゃ好きです。


一本の映画としてもとても面白いと思いますし、攻殻機動隊の実写化としても、とても完成度が高いんじゃないかと思います。


原作から改変されている部分は多々あったりするのですが、1本の映画としてまとめるのであれば仕方がないのかなと。


漫画での膨大な説明書きや、押井守版アニメでの長々としたセリフのような部分をそのまま映画に持ち込むわけにはいかなかったかと思いますし。


そのような部分を端折ったり簡略化したり、様々なエピソードを切ったり貼ったりしたにも関わらず、それでも1本の映画としては普通に面白く見れますし、攻殻機動隊らしさというのも損なわれてはいません。


あら探しをしようと思えばいくらでもできるのですが、とはいえここまで綺麗にまとめられたのはとてもすごいことなんじゃないかなと思います。


攻殻シリーズのある意味お約束なシーンというのもちゃんとありましたし、めちゃくちゃ原作ファンへのサービスや配慮も感じました。


攻殻機動隊と同じくプロダクションIG制作、かつ押井守関連の作品で、同じく海外でも人気があり、実写化の話が幾度となく上がっては消えていた『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の実写化である、『ラスト・ブラッド』が、私にとってとてつもなくショッキングな内容であったので、もうそれに比べたら攻殻機動隊の実写化はとてつもなく素晴らしいものでした。


それこそ歴史的名作と言ってもいいくらい。それくらいラスト・ブラッドはアレな映画でした。アニメ実写における最悪なパターンがここまで揃った映画もそうはないかと。それくらいの悪夢。そして私は攻殻機動隊実写化の際もそれくらい最悪なパターンを想定していました。


どちらにしても、もっとひどい内容になる可能性は大いにあったと思います。そう考えると実写版攻殻は現実的に考えた上での、むしろ最適解だったんじゃないかなと。


原作そのまま実写化できるに越したことはないのですが、ハリウッドでの実写化でそれは不可能。かといって日本で作ったら予算的な問題があります。


アニメならともかく、実写化映画で押井守監督が参加するとなるとむしろ不安しかありませんし、かと言って他に誰か適任と思える監督も思いつかなかったり。


そういう諸々の部分を考慮した上で、ハリウッド映画としても不自然ではなく、日本の攻殻ファンから見てもそれなりに許容範囲、かつサイバーパンクの世界観だけはこれでもかというくらいに再現できていますし、これ以上の内容を求めるのはちょっと酷なんじゃないかなと。


個人的にキャスティングについてはほとんど完璧なんじゃないかなと思っています。


主演のスカーレット・ヨハンソンについてのホワイトウォッシング論争については、正直シリーズファン以外のところで行われていた気がしますし。


擬態化技術が進み、人種も性別もどうにでもなり、もはや人の形すらしていなくても特に問題のない世界観なので、その部分を問題視している原作ファンというのは正直あまり見かけなかったような気がしますし、私としても全く問題ありませんでした。


少佐役がスカーレット・ヨハンソンという部分については好みが分かれるかもしれませんが、個人的にはこの部分も押井守監督の発言通り、「考えられる限り最良のキャスティング」だと思います。


個人的にハリウッド俳優だとシャーリーズ・セロンの少佐役も見てみたかったのですが、とはいえ年齢的にちょっと厳しい部分もありますし、ギャラが高額なハリウッドゆえ、出したいキャストを出せるわけでもなし。


それに攻殻シリーズにおいて少佐というのはメスゴリラなので、やはりキャストについてもメスゴリラ感が重要になってきたりします。


ルックスだけを寄せるのであればいくらでも他の選択肢はあったのだと思いますが、ただメスゴリラ感を重視するのであれば、それこそスカーレット・ヨハンソンは考えられる限り最良のキャスティングだったんじゃないかと。


バトーさんに関しても個人的にはかなり良かったと思いますし、目に関するエピソードも相当に秀逸だと思います。


トグサについても同様。アニメ版とは少し違うかもしれませんが、とはいえコミック版のイメージにはそれなりに近かったり。


実際この主要三キャラについては、アニメ版の声優が吹き替えをしても全く違和感がなかったので本当に完璧なんじゃないかなと。もちろん吹き替えをする声優の素晴らしい実力があってこそだと思いますが。


荒牧課長役のビートたけしについては賛否が分かれるかもしれませんが個人的には好きです。


キアヌ・リーヴスと共演した同じくサイバーパンクな映画『JM 』のイメージが強かったから余計に役柄に違和感を感じなかった部分もあるかもしれませんが。


そんな諸々の部分も含め、個人的にはの作品はかなり好きですし、実写化作品としてもかなり高評価です。


本家シリーズに比べたらガバかったり軽すぎたりする部分もあるのですが、その部分の大味さゆえに何度も気軽に見れるというメリットもあったりします。


その部分を考慮すると軽くも大味でもないのに何度も見れてしまう本家は本当にすごいと思うのですが。


とはいえ私としても実写化に複雑な思いもそれなりにあり、この映画単体としてもマイベストに入るほどの名作とは思っていないのですが。


ただそこまでの愛着のなさや、大味さのある映画の方が意外と回数は見れたりしますし。変にかしこまる必要もありませんし。


作品への愛着と視聴回数というのは必ずしも比例するというわけではなく、私にとってはこのような作品が日常の中での映画としては一番使い勝手が良かったりします。


サイバーパンクな視覚的にもいい感じですし、攻殻機動隊主要3キャラの声優同士のやり取り、その音声だけでも十分だったりしますし。


この映画はサイバーパンクなSF映画としてもとても面白いですし、上述のような部分を踏まえてみれば原作ファンとしてもそれなりには楽しめるんじゃないかと。


それでもやっぱり許せない場合は一度BLOOD THE LAST VAMPIREの実写化であるラスト・ブラッドを見てみることをおすすめします。あの映画の後なら間違いなくこの映画がとてつもない名作に感じられるはずですし、大抵の実写化映画に対しては優しくなれるはず。


私としてもラスト・ブラッドの絶望がなかったらここまで寛容にはなれなかったと思いますし。


攻殻機動隊の実写化としてこの映画が「ベスト」だとは思いませんが、ただ現実的に考えた上での「最適解」ではあるかと思います。本当に現実的に考えるとこれ以上ってなかなか難しいと思うんですよね。ベストな実写化案は多々あれど、それが実現可能かとなるとまた別の話ですし。


そういう部分も含め、この作品はもっと評価されてもいいんじゃないかと。


というわけで今回はこの辺で。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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