イエスタデイ
どうも、松本13です。今回は、『イエスタデイ』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『イエスタデイ』は、2019年のイギリス・アメリカ合衆国のファンタジー・ロマンティック・コメディ映画。監督はダニー・ボイル。
【あらすじ】
イギリスの小さな海辺の町で暮らすシンガーソングライターのジャックは、幼なじみの親友エリーから献身的に支えられているものの全く売れず、音楽で有名になる夢を諦めかけていた。そんなある日、彼は交通事故に遭い、「ザ・ビートルズ」が存在しない世界に転生してしまう…
売れないミュージシャンがビートルズが存在しない世界に転生するというあらすじの時点でめちゃくちゃ面白そうな映画ですが、実際の内容もめちゃくちゃに面白い映画です。
自転車で事故って目が覚めたら世界からビートルズが消えていたという、もろに異世界転生っぽい話なのですが、ただ本格的なその手の映画ほど厳密な世界観の設定や考察はなされてはいません。
あくまで異世界転生要素を含んだコメディくらいのゆるいスタンスで見た方がこの映画を楽しめると思いますし、異世界転生要素に過剰に期待しすぎるとちょっと残念な気分を味わってしまうかもしれません。
それとビートルズに関してもそこまで深く掘り下げた内容でもないので、コアなファンというよりはライト層向けの内容なんじゃないかと。
ビートルズを題材として映画を作ったらどのような内容であっても全てのファンを納得させることは不可能だと思うのですが。
逆にそういう部分にこだわり過ぎなければ、誰でも楽しめる素晴らしい映画だと思います。
本当に気軽なコメディとして見る分にはかなりの傑作だと思います。
正直ビートルズやその楽曲を題材とした映画は名作揃いとは言いづらかったりします。
個人的にあまり好きになれない映画もありましたし、悪くはないながらも楽曲負けしている感が否めない作品も多々ありました。
ビートルズというのはバンドにしても楽曲にしても相当なエネルギーがあるので、ちょっとやそっとの内容だと負けてしまったり食われてしまったりすると思うんですよね。
しかしこの映画はそんなことは全くなく、ビートルズという題材に食われることも負けることもなく、しっかり渡り合っています。
そういう意味でもダニー・ボイル監督はさすがだなと。
ミニシアター系からゾンビ映画、ショーレースを制した大作まで。
ダニー・ボイル監督作品と言っても様々な映画がありますが、私も含め初期の名作『トレインスポッティング』がUKカルチャーの原体験という人もそれなりに多いんじゃないかと思います。
特にインターネットが発達していなかった時代は海外のイメージというのが今よりもだいぶ漠然としたものだったので。
イギリスと言っても近衛兵や二階建てバスくらいのイメージしかなかったという人も多いはず。
そんなイギリスのセックス・ドラッグ・ロックンロールな一面をトレインスポッティングで知った世代にとっては、ダニー・ボイルというのはある意味UKカルチャーの伝道師的存在だったりするのですが。
そんなダニー・ボイルによるビートルズを題材とした映画となったらもうその時点で勝ち確定のようなもの。期待値も相当高かったのですが内容はそれ以上に素晴らしいものでした。
さすがにビートルズを全く知らないという人はいないかと思うのですが、とはいえこれまで興味がなくて聞いたことがなかったという人のビートルズ入門編としてもこの映画は適切なんじゃないかと。
映画の内容にしても曲のチョイスにしても良くも悪くもライトなので。
トレインスポッティングがそれまでUKカルチャーを知らなかった人にとってのUKポップやロックの大きな入り口になったように、この映画をきっかけとしてUKカルチャーやロックを深掘りしてみるというのもそれはそれで面白いんじゃないかと思います。
比較的ライトな内容の映画なので、特定の要素にこだわりすぎると期待はずれ感は否めないかもしれませんが、かといって気を抜いて見ていると結構二転三転する展開に驚かされたりもします。
普通のコメディ映画としてみても相当に面白いですし、ビートルズやダニー・ボイル映画入門編として見てみるのもそれはそれでいいんじゃないかと思います。
内容がライトな分、ジャンルや世代問わず楽しめる映画となっているので一度は見ておいても損はないんじゃないかと。
個人的にはとても好きな映画ですし、気軽に見れるコメディなので、今後もまた何回も見ることになるんじゃないかなと思います。
というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。