ノック 終末の訪問者
どうも、松本13です。
今回は、『ノック 終末の訪問者』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『ノック 終末の訪問者』は、2023年のアメリカ合衆国のスリラー映画。監督はM・ナイト・シャマラン、主演はデイヴ・バウティスタが務めた。
【あらすじ】
一家が森の中にあるキャビンで休暇を楽しんでいたところ、武器を持った4人組が突如押し入ってきた。抵抗空しく人質に取られた一家に対し、リーダー格のレナードは「世界の終末を回避できるか否かは貴方たちの選択にかかっている」と告げる…
山奥で休暇を楽しむ3人の家族。森の奥から野生のデイブ・バウティスタが登場。ある意味そこでもう詰みだったりするのですが。ちょっとしたヒグマと出会ってしまったようなものなので。
そんなデイブ・バウティスタを含む武装した4人組が家の中に押し入ってきて、椅子に縛り付けられ、「3人のうち誰か1人を殺さなければ世界は滅びる」とか言い出しちゃう始末。
普通なら「何言ってるんだって?」話なのですが状況が状況。
君たちには危害を加える気はないのだと、至って紳士な態度のデイブ・バウティスタですが、その存在自体がめちゃくちゃ怖い。何なら椅子に縛り付けられているし、武器も持ってるし、全く説得力がなかったり。
とにかくあらすじにしても冒頭部分にしても相当に面白そうなこの映画なのですが、監督はM・ナイト・シャマラン。
その名前を聞いただけで察する人はある程度察することができるはず。
ちなみに世間でのこの作品の評価はあまりよろしくないようです。
ただ個人的には普通に面白かったです。むしろ結構な良作の部類に入るんじゃないかと。
ただこの映画を低評価する人の気持ちもよくわかります。
冒頭はめちゃくちゃ面白そうなのにそこをピークに後は延々と下り坂。結末にも多くの人が低評価を下しています。
おそらく多くの人はこの手の映画に謎の多い前半の伏線回収と、そしてそれなりのどんでん返しを期待するかと思います。
そういう気持ちよさやある種のカタルシスを。
ただそういうのないんですよ。やってないんですよ。M・ナイト・シャマランは。
昔はゴリゴリにやっていたのですが最近はまったくでして。
めちゃくちゃ面白そうな冒頭はともかく、なぜ後半はこんな感じなんだと聞かれたら、「M・ナイト・シャマランの映画だから」としか答えようがありません。
例えばどう考えても人間の仕業とは思えないような怪現象が身の回りでいくつも起きて、その謎を解き明かしていくような冒頭の映画があったとします。
大抵の人はその謎の解明を望むと思うのですが、M ・ナイト・シャマランは最後の最後まで引っ張った挙げ句、どう考えても人間の仕業とは思えないこの怪現象は人間の仕業ではなく地底人の仕業でしたーばいばーい、で終わらせちゃう監督なんですよ。M・ナイト・シャマランという監督は。
なのでその部分の傾向を踏まえた上でのシャマラン映画として見てみると普通に面白いです。
ただその部分を分かっていない人は楽しめないという部分は本当に良くないことだと思います。この手のシャマランエッセンス満載の映画を見るたびに思うのですが。
しかもシャマランエッセンス満載の映画に関しても当たり外れはかなり激しく、打率は相当に低め。
しかも直近の作品『オールド』はシャマラン映画云々を抜きに普通に映画として面白かったですし、一般的な評価も高い作品でした。
直近の作品がそんな感じだったので次は外すかなと、2連続でヒットは厳しいかなと期待値は相当に低くして鑑賞したので、余計に評価が高くなった部分はあるかと思いますが。
そのような監督や作品に対しての忖度なしで見たらまあ駄作と言われてもしょうがないのかなと。
とはいえ別にストーリーが破綻してるというわけでもなく、結末に関しても無理があるというわけではありません。話としての筋はしっかりと通っています。筋を通す方向がちょっとアレなだけで。
ただ映画としてはちゃんと成立していると思いますし、話もちゃんとオチていると思います。
シャマラン映画にはそうならなかった映画も多々あるので。
M・ナイト・シャマランという監督は映画の冒頭に面白そうな風呂敷を広げるのが天才的にうまい監督です。
しかしながら畳むのが殺人的に下手。これまでは畳み忘れなんてことも多々ありましたが、今回はぐっちゃぐちゃながらも一応全て畳めはしたのでよかったんじゃないかなと。
何も知らずにこの映画を見てしまったり、『シックスセンス』と同じくらいの傑作を期待してしまうと残念な気持ちになってしまうかと思いますが、上述のシャマラン映画の傾向などを踏まえてみればそれなりに楽しめるんじゃないかと思います。
シャマラン映画はそれなりの頻度で公開されますので、たしなみ方も身につけておいても損はないかと。
というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。