バイオハザード



どうも、松本13です。今回は、『バイオハザード』、およびバイオハザードシリーズについてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『バイオハザード』は、2002年のサバイバルアクションホラー映画。カプコンの同名ビデオゲームを原作とし、ポール・W・S・アンダーソンが監督・脚本を務める、映画「バイオハザード」シリーズの第一作目である。


【あらすじ】

製薬会社の地下研究所で新種ウイルスの漏えい事故が発生。事故直後に記憶を失った防衛要員のアリスは、暴走する制御コンピュータを停止させるべく特殊部隊と共に所内へ進入。だが、そこは怪物の巣と化していた…


この映画、多くの人にとってはもはや語るべくもないスタンダードかと思いますが。


むしろここまでのスタンダードになった映画というのもなかなかないんじゃないかと。


原作ゲームの知名度もありますし、続編が多く作られ、そしてそれらが何回もテレビ放送されていることもあり、もはやこのシリーズを知らない人はいないと言っても過言ではないのではないでしょうか。


好き嫌いは別としても、全く見たことも聞いたこともないという人はおそらくほとんどいないんじゃないかと。


じゃあこの映画が問答無用の名作かと言ったらそうは言い切れない部分も多々あるかと思うのですが。


批評家による評価はどの作品もかなり低め。原作ファンからの評価も同様。


しかしそれ以外の層からの評価は概ね好評。


それゆえに今作はシリーズとして大成功したんじゃないかと。


批評家受けのいい重厚な作品にするわけでもなく、原作ファンを納得させるスプラッターやホラー映画にするわけでもなく。


批評家や原作ファンって映画の市場で言ったらほんのごく一部なわけで、それ以外の層がとっつきやすい大衆的で大味なサバイバルアクション映画だったからこそ、ここまで大成功できたんじゃないかと。


その部分を監督がどこまで意図してやっていたかは分かりませんが。


とはいえ私も原作のゲームをリアルタイムでプレイしていたので、第一作公開時には「これじゃない感」がかなり強かったです。


当時の評価としては、悪くはないけど決して良くもない。かろうじて良作の範囲には入るかなと言ったABCで言ったらBマイナスくらいの評価だったと思います。


アクション映画としてはもちろん面白かったのですが、とはいえこの映画がバイオハザードかといったらかなり微妙なところ。


ゾンビが出てくる『フィフス・エレメント』くらいの認識だったかと思います。


今やミラ・ジョヴォ・ヴィッチと言ったらバイオハザードのイメージが強いかと思いますが、それ以前はミラ・ジョヴォ・ヴィッチと言ったらフィフス・エレメントなイメージが強かった思うんですよね。


ただなんやかんやでシリーズを重ねていき、そのたびにテレビで放映される過去作を何度も見ているうちに、なんやかんやで自分の中の視聴回数上位の作品になっていたりしました。


そこまで過剰に期待するほどの愛着もなく、しかし内容はいつ何時どの作品を見ても無難に面白く、大味な映画ゆえにそこまで頭を使わなくても楽に見れるのに視覚的にはかなり派手だから映画を見た気分にさせてくれる。


そういう映画ってなんやかんやでめちゃくちゃ有用なんですよね。


この作品に対してのアンチテーゼがなかったわけじゃないのですが。


原作を大幅に改変してのオリジナルキャラ登場。ストーリーも作風もほとんど別物。


第一作でもうそれだけのことをやらかしているので、そしてそれだけのことをやらかされたにも関わらず、それなりには楽しめてしまっただけに、それ以降の作品にはそこまでの拒絶反応は感じなかったんですよね。


慣れてしまったと言うか何と言うか。


第一作目からもうド派手にやらかしているだけに、もう何をされてもこちらも感覚が麻痺しているというか、アンチテーゼの残弾も第一作で全部使い果たして弾切れと言うか。


とにかくそういう方面にぶっちぎった感はあると思うんですよね。逃げ切った感というか。


2作目3作目でちょっと日和ったり、批評家や原作ファンに媚びたりしていたら後の展開もまた違ったかと思いますが。


むしろ続編を重ねるごとにどんどんとおかしなことになっていくんですよね。


「なんか最近ちょっと流行っているみたいだしスーパーパワーとかつけちゃおうか?」みたいな感じでチート級の超能力を身につけちゃったりしますし。


かと思ったら、「ちょっとチートすぎたからやっぱなかったことにするわ」と、注射1本でなかったことにしたり。


よくよく考えたらもうめちゃくちゃなんですよね。


ただポール ・W・S・アンダーソン監督って、それを軽快なテンポや勢いでもって謎の説得力を持たせることに非常にたけた監督なんですよね。


そこは本当に奇跡的と言っていいくらいの素晴らしさだと思います。


後に冷静になって考えてみれば、バイオハザードシリーズっておかしなことばかりなのですけど、 ただ少なくとも見ている間はそうは思わせない謎の説得力があったりします。


それってまさに映画の力そのもので、それだけの力を持った映画を作ることができるポール・W・ S ・アンダーソン監督というのは本当にすごい監督だと思います。


ポール・W・S・アンダーソン監督の映画ってバイオハザードシリーズに限らず、給食のツナご飯みたいなものだと思うんですよね。


カレーとかわかめご飯ほどの筆頭格ではないながらも、出たら出たで普通に嬉しい。テレビ放映していたらつい見ちゃうみたいな。なんならお代わりもしちゃうみたいな。


それにこの映画が映画史に与えた影響ってめちゃくちゃでかいと思うんですよね。


あくまで私個人の認識ではありますが、ゾンビ映画がここまでメジャーになったのはバイオハザードがあったからなんじゃないかなと。


少なくともそれ以前のゾンビ映画ってホラーやスプラッター寄りのおどろおどろしいイメージが強かったと思うんですよね。


ゾンビ映画というジャンルも今ほど盛んではなく、むしろ一昔前に流行ったジャンルくらいだったと思います。


少なくとも当時ライト層であった私にとってはそんな感じでした。


そんなゾンビ映画をおどろおどろしいマニア向けなスプラッターホラーから、スタイリッシュなサバイバルアクションという大衆娯楽にまで昇華させた功績というのはもっと評価されてもいいんじゃないかと。


それとこの映画によってゴア描写もかなり一般化したんじゃないかなと。


バイオハザードレベルの作品が大衆娯楽となったことで必然的に多くの人が過激描写に対する耐性を得たと思うんですよね。


それ以前ってバイオハザードレベルの描写のある映画って何かしら偏ったジャンルの映画だったと思うんですよね。


もちろん例外はそれなりにあったかとは思いますが、とはいえ大衆娯楽作品で隊長がサイコロステーキになっちゃうとか滅多になかったと思うんですよね。


そういう部分でも映画史に与えた影響ってかなり大きいんじゃないかと。


あくまで私個人の認識ではありますし、2000年代初頭の映画の転換点となった作品はバイオハザードシリーズだけではないかと思いますが、とはいえ決して小さくはない影響を与えていることだけは間違いないかと思います。


理屈では分かってはいても、この作品をちょっと認めたくはないみたいな気持ちも私はわかるのですが。


特に現代ゾンビ映画につながる大きな転換点として挙げられる2004年のザック・スナイダー監督、ジェームズ・ガン脚本によるリメイク版、『ドーン・オブ・ザ・デッド』はそれこそ革命的な作品。現代ゾンビ映画の金字塔とも言われていたりしますが。


バイオハザードはそれより2年早い2002年公開。そういう部分を考慮してもやはり過小評価されすぎている部分はあるんじゃないかと。


私も偏った趣味をしている人間なので、この作品を認めたくない側の気持ちというのは非常によくわかるのですが。


それとゾンビ映画というのは一概には語れない部分が多々あったりする非常に難しいジャンルであったりしますし。


そんな良くも悪くも様々な方面に影響を与えたバイオハザードシリーズですが、主演のミラ・ジョヴォ・ヴィッチのキャリアにも大きな影響を与えたかと思います。


本当にそれまでのミラ・ジョヴォ・ヴィッチと言ったら、赤髪のTMレボリューションみたいな服を着たフィフス・エレメントのイメージがかなり強かったんですよね。


厳密に言うとTMレボリューションがフィフス・エレメントのような格好をしていたのかもしれませんが。


それが一転して2000年代の映画における戦う女の代表格にまでなったのですから。


それまでの戦う女のイメージと言ったら圧倒的に 『ターミネーター』シリーズのサラ・コナーか『エイリアン』シリーズのエレン・リプリーだったと思うんですよね。


ただ、それらの作品の洗礼を受けていない世代にとっての戦う女のイメージと言ったらミラ・ジョヴォヴィッチがかなり強いのではないでしょうか。


もしくはアンジェリーナ・ジョリー。


個人的にそれ以降の世代が台頭してくる2010年代までの戦う女と言ったら圧倒的にこの2人のイメージです。


とはいえ今は2020年代。バイオハザードもシリーズが完結してしばらく経ちますし、今は別のリブート版が公開されたりもしています。


しかしミラ・ジョヴォ・ヴィッチを見ると未だにバイオハザードシリーズを連想してしまいますし、 新作映画の合間合間にバイオハザードシリーズをちょいちょいつまみたくなってしまいます。


バイオハザードって、本当に映画の合間合間のチェイサーのような役割にちょうどいい作品なんですよね。


シリーズのどこから見てもなんとなく楽しめますし。


続編ものの映画における冒頭のちょっとした回想で、バイオハザードほど効果的なものもなかなかないんじゃないかと思います。


本当にあの回想があれば前作見てなくても大体分かっちゃうんですよね。


いや、やってることめちゃくちゃなので冷静に考えると全然よくわからないのだけれど、ただわかった気にさせて、「あーなんかこれまでいろいろあったわけね。じゃあ本編いってみよう」と思わせる謎の説得力があるんですよね。


そこの部分も本当にポール・W・S・アンダーソン監督の素晴らしい才能なんじゃないかと思います。


というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。



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