皆殺しの流儀
どうも、松本13です。
今回は、『皆殺しの流儀』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『皆殺しの流儀』は、2014年に制作された、イギリスのクライムアクション映画。
【あらすじ】
かつて、ロンドンで伝説のギャングとして名を轟かせていた兄弟リッチーとチャーリー。 ある日、若者ギャングに襲われていた女性を助けようとしたチャーリーが殺されてしまう。訃報を聞いたリッチーはスペインからロンドンに戻り、平均年齢70オーバーのかつてのギャング仲間を集め、かつてのやり方で兄を殺したギャング達を情け容赦なく一人一人追い詰めていく…
まあ簡単に言うとこの映画は舐めてたやつが実はクソ強だった系の映画です。
ホームセンターの従業員が元CIAの凄腕エージェントだったり、車を盗んで犬を殺した相手が鉛筆1本で3人を殺せるような伝説の殺し屋だったり。
映画において悪役の立場からすると最低最悪の巡り合わせというのは多々あるのですが、この映画もまさにそんな地獄の巡り合わせ。
うっかり殺してしまった相手が実は伝説のギャングのメンバー。はい、人生 終了です。詰みです。
そんなめちゃくちゃ面白そうなあらすじに、『皆殺しの流儀』というこれまた最高に面白そうなタイトル。
もうその時点でほとんど勝ちは確定なんですよね。作中でよほどの大ポカをやらかさない限りは面白いはず。
内容は期待通りの面白さ。テンポもいい爽快感のある復讐劇。
もちろん『ゴッド・ファーザー』のような重厚な映画ではありません。
そこはかとなくB級っぽさがにじみ出ていますが、まさにその通りの大味な内容です。冷静になってみると結構ツッコミどころはあったり。
とはいえ冷静になって見るような映画ではないですし、大味な部分はB級映画としては魅力の一つ。
個人的には期待通りの内容でめちゃくちゃ面白かったです。
B級映画としてこの映画を見て残念な気持ちになる人はそうはいないんじゃないかなと思います。
ただ贅沢を言うなら登場する伝説のギャングの面々にもう少し凄みが欲しかったかなと。
何分大味な映画なので、確かに普通の老人ではないのだけれど、かといって伝説かと言ったらちょっと弱いなと。色々ガバイ部分もあるしもうちょっと頑張れたんじゃないかと。
シビアに見たら主人公側にはそんな肩透かし感があったのですが、ただこの作品には嬉しいサプライズもありました。
それは悪役側の若いギャング。
主人公側の凄みは若干物足りなかったのですが、悪役側の若いギャングのリーダーが本当にいい仕事をしています。
このリーダーが本当にいいキャラをしているんですよね。キャラと言うか言動というか。
とにかくめちゃくちゃイキってるんですよね。このイキりの部分の完成度は相当に高いと思います。
なかなか言語化しづらい部分ではあるのですが、とにかくリーダーのイキったチンピラ感は一見の価値ありです。
別に三下というわけではなく、ギャングのリーダーをできる器ではないというわけでもなく、むしろ資質は十分。凶暴さもたっぷり。
ただ貫禄とか品性というものが皆無。その部分の軽薄さをイキリでごまかしてるような、とにもかくにもめちゃくちゃいいキャラをしています。
感情移入は全くできないのですが。
とはいえストーリー的に普通だったら敵のギャングがちょっとかわいそうになってきたりする部分もあるのですが、そのようなことを一切感じさせないのは、リーダーの何の好感も持てないイキりっぷりによるものだと思います。
仮にリーダーのキャラがなくてもそこそこ面白いB級映画くらいにはなったかと思うのですが、ここまでの爽快感を演出できたのは、それこそ何をされても同情する気すら起きない リーダーのクズさゆえだと思います。
そんなこんなで突っ込みどころは多々あるものの、それをはるかに凌駕する見どころや爽快感のある映画ですので気になる方は是非見てみてください。
往年の名作ギャング映画のような重厚ささえ求めなければきっと最高に楽しめるはず。
というわけで今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。