デビルマン

 

どうも、松本13です。今回は、『デビルマン』についてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『デビルマン』は、永井豪の同名漫画を原作とした日本の特撮映画。2004年公開。興行・批評などあらゆる面で失敗した「伝説のクソ映画」として語られることも多い。


【あらすじ】

両親を亡くし、牧村家に引き取られた高校生・不動明は、親友・飛鳥了の父の死をきっかけに、人類の滅亡を画策するデーモンと合体することに。その強い意志により、人間の心を残したデビルマンとなった明は、デーモンと孤独な戦いを続けるが…


「邦画はクソ」という人がたまにいたりしますが、さすがにそれは言い過ぎなんじゃないかと思います。


日本の芸能界や映画界の一部の要素が激しくクソで、それが悪目立ちしている部分はあるものの、邦画ならではの素晴らしい部分も多々あったりします。


決して全てがクソというわけではないと思うんですよね。


ただ私自身、口には出さないながらも、心の中には邦画はクソ、みたいな妙なアンチテーゼがどこかにあるんですよね。


全く無いといったら嘘になります。


幼い頃は別に邦画はクソなんて思っていなかったんですよね。


当時は分かりやすい洋画ばかり見ていたので、邦画は暗いとか退屈とか難しいとか、そんなイメージしかありませんでした。


ただクソだとは思っていなかったんですよね。


じゃあ私はいつから邦画はクソと思うようになったのだろう?そう考えるとやはりデビルマンからなんですよね。


私はデビルマンを劇場公開から少し後のレンタルで見たのですが、当時は今ほどインターネットが発達していなかったので、デビルマンの悪評ってそこまでド派手に聞こえては来なかったんですよね。


というわけで私はデビルマンをノーガードで見てしまったんですよね。なんならちょっと期待すらしていたのですが。


内容のひどさについてはもはや語るべくもないかと思いますが。


そのついでに、というわけではないのですが、他の邦画の実写化作品も何本か見てみたんですよね。


それもまあデビルマンほどではないにせよ、どれも手放しには面白いとは言えない作品ばかりでして。


デビルマン公開前後ってアニメの実写化作品が割と立て続けに公開されていたと思うんですよね。


しかもそれらが結構大作チックにテレビで特集組まれてゴリ押しされていたり。


少なくともその時点ではどの映画もめちゃくちゃに面白そうだったのですが、本当にどれも全然面白くなかったんですよね。


あの当時の絶望感って相当なものでした。


もちろんデビルマンはともかく、他の作品に関しては今なら一周回って面白いとか、そのような見方もできるのかもしれませんが、ただ当時はそのような術を覚える前。


そんな子供心に、「何を見ても面白くない」との印象を植え付けるには十分なラインナップだったのですよね。


それこそ「邦画はクソ」と刷り込むには十分すぎるほどの。


そのゼロ地点となったデビルマンって、本当に負のパワーに満ち溢れた作品だと思うんですよね。


まさに悪魔の力。


とはいえどんな映画にでもいいところの一つや二つあったりするものなのですが、デビルマンのすごいところはどこを探してもそれが見つからない所。


全ての要素において満遍なくクソという部分が本当にすごい。


とはいえネットが発達した昨今なら尚更、クソであればあるほど、ネタとしては輝いたりするのですが。


デビルマンってキャストの演技が酷すぎてネタとして楽しむことすらできないんですよね。


一部キャストの演技ならともかく、デビルマンの場合大部分なので。


もちろんそのひどさを笑って見れる人もいるかと思うのですが、共感性羞恥を感じてしまう人にとっては、本当に見ていられないレベルのひどさだと思うんですよね。


逆に言うと海外のクソ映画って吹き替えに救われている部分が大分あると思うんですよね。


仮にデビルマンも吹き替えで演技のひどささえカバーできていれば、ネタとしての使い道はいくらでもありますし、むしろ作中の超展開も含め、カルト映画くらいにはなるポテンシャルはあったと思うのですが。


よくクソ映画を学芸会レベルなんて言ったりしますが、この映画ほど学芸会レベルな映画もそうはないんじゃないかと。


本当に日本映画界の悪い部分だけが悪魔合体したような映画だと思うんですよね。


散々面白そうな映画として宣伝しておいて実際に見てみたら最低という言葉では言い表せないレベルに悲惨な内容。


まあ映画もビジネスですから面白そうに宣伝しなければいけない事情も分かりますし、別にそういうのってデビルマンに限ったことじゃないとは思うのですが。


ただデビルマンほどのイメージと実際の落差というのもそうはないわけでして。


分別のない子供の頃にそれらを経験してしまった故、理屈ではない部分に邦画に対しての妙なアンチテーゼが刻まれてしまったという人は決して少なくはないはず。


実際今もこの当時の不信感や先入観が残っている人って結構いると思うんですよね。


ただ全ての邦画がクソなんてことは決してありませんし、実写化映画についても同様。


むしろ最近の実写化映画って大当たりも結構あると思うんですよね。


私としてもデビルマンをリアルタイムに近いタイミングで経験しているので、口には出さないながら実写化邦画に対するアンチテーゼって未だにどこかにあったりするのですが。


ただ最近の実写化映画には本当に素晴らしいものが多々あったりします。


それってデビルマン公開から20年、決して風当たりも弱くはない中で、真摯に作品に向き合ってきた作り手の努力の賜物だと思うんですよね。


当時、本当に最悪だった実写化映画のイメージをここまで回復させたのって本当にすごいことだと思います。


駄作映画も時間が経つにつれて許せる部分もあったり、一周回って面白いみたいになったりして再評価がなされる部分もあったりすると思うのですが。


20年経ってもなお、そういう部分が一つもないというのは本当にデビルマンという作品の凄まじいところだなと思います。


映画って自分にとっては駄作でも誰かにとっては宝物である場合もあるので、駄作認定やクソ映画扱いに関しては個人的にかなり慎重になりたいタイプなのですが。


この映画ほどその手の配慮が不要な映画もなかなかないんじゃないかと。本当に一切の躊躇なくクソ扱いできる映画ってそうはないと思うんですよね。


最低最悪の駄作ながらも、作品のどこか一部にでも原作へのリスペクトや作り手のパッションのようなものが感じられたりしたら、この作品の扱いも、もう少し違ったものになったのかもしれませんが。


この映画にはそういうものが本当に感じられないんですよね。むしろこちら側に向かって唾を吐きかけてくるくらいに感じるので、こちらとしても躊躇せずにぶん殴れるみたいな。


デビルマンと同時期に公開された、同じく昔のアニメの実写映画ということもあり、混同してクソ扱いされていることも多い『CASSHERN』という映画があるのですが。


ただCASSHERNにはパッションがあるんですよね。それはもうめちゃくちゃ感じるんですよね。


だから私個人としてはCASSHERNにについてはクソ映画だとは思いません。


かといってキャシャーンが面白いかと言ったらそれはまた別の話でして。


確かにパッションはめちゃくちゃ感じるのだけれど、ちょっとそれが前面に出て来すぎなんじゃ…作中の半分くらいが原作関係ない監督のパッションみたいになっちゃってるし…そこはもうちょっと控えた方がいいんじゃないか…みたいな部分もあったりするのですが。


デビルマンはもちろんのこと、今作の前後に公開された実写化作品の暗黒ラインナップって、当時を知る上ではめちゃくちゃ良い資料かと思うので、そういう意味では一度くらいは触れておいてもいい物なのかもしれません。


特にデビルマンについては、クソ映画としたら本当にこれ以上にない作品だと思うので。

この作品さえ見ておけば本当に大抵の駄作は許せると思うんですよね。


というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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