イージー・ライダー



どうも、松本13です。今回は、『イージー・ライダー』についてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『イージー・ライダー』は、1969年公開のアメリカ映画。ピーター・フォンダとデニス・ホッパーによるアメリカン・ニューシネマの代表作。


【あらすじ】

マリファナの密輸で大金を得たワイアットとビリーは、大型オートバイを手に入れて旅に出た。南部を目指して気ままにオートバイを走らせる2人。しかしその先には思わぬ運命が待ち受けていた…


この映画は言わずと知れたアメリカンニューシネマの代表的作品(アメリカンニューシネマとは1960年代後半から1970年代半ばにかけてのアメリカにおける映画のムーブメント)。


この作品が映画史に及ぼした影響とか時代背景とかカウンターカルチャー云々とか。


この作品について語るべきことは多々あるのですが、とはいえそれらは80年代くらいまでに語り尽くされていて、90年代にはすでにもう過去の名作となっていた気がします。


とはいえこの映画はあれこれ小難しいこと抜きに一度は見ておいて損はない映画かと思います。


イージー・ライダーって誰もがなんとなく知ってはいるけど、実際に見た人はそんなにいないイメージの作品です。


もちろん名作中の名作なので、ある一定の世代の映画好きならば大抵通っていたりはするのですが。


ただそれらは映画好きに限った話かと思います。


そうではない層で公開から50年以上経った今、実際にこの映画を見たという人はそこまで多くないんじゃないかと。


にもかかわらずイージー・ライダーというイメージについては、今もなお絶大な知名度があるというのがこの映画のすごいところだと思うのですが。


ロードムービーの金字塔としてはもちろんのこと 、チョッパー(カスタム) のアメリカン(バイク) の代名詞的存在ですし。


厳密に言うとちょっと違う部分もあったりするのですが、とはいえイージーライダーのようなバイクイコール、チョッパーやハーレーみたいな。


本来ならば一部のバイク好きしか知らないようなそれらの要素をふわっとしたイメージながら一般化したのって普通にすごいと思うんですよね。


両腕を高く上げハンドルを握るポーズで「イージーライダー」って映画を知らなくても結構通じると思いますし。


映画にしても音楽にしてもバイクにしても様々な方面に絶大な影響を与えた映画なので、それらを含めた間接的な影響まで含めると元ネタと知っているかどうかは別として、この映画の何かしらの要素に全く触れていない人ってあまりいないと思うんですよね。


そんな関節的影響も含めた圧倒的知名度に対して、実際にこの映画を見たことがある人ってその母数を考えたら本当にごくわずかな気がします。


この映画がロードムービーだということはビジュアルからして明らかなのですが、これまたもはや聞いたことがない人はほとんどいないであろう名曲『ワイルドでいこう!(ボーン・トゥー・ビー・ワイルド)』を主題歌とした痛快ロードムービーかと言ったらそういうわけでもないんですよね。


私も実際にこの映画を見るまではロックでワイルドな痛快ロードムービーだと思い込んでいたのですが。


実際の内容は割と胸糞な鬱映画だったりします。


もちろん痛快なロードムービー的側面もあるのですが、ただそれだけじゃないんですよね。


そもそもアメリカンニューシネマというジャンル自体がアンチハッピーエンドな反大衆映画なので、アメリカンニューシネマ自体が広義での鬱映画という見方もできるかと思いますが。


とにかく明るく楽しいワイルドな野郎共の痛快ロードムービーとして見ると結構な衝撃を受けると思います。


その手の要素に過剰に期待してしまうとちょっと残念な気分を味わってしまうかもしれませんが。


ただ場合によってはいい意味での衝撃となるかもしれません。


そもそもアメリカンニューシネマって見るタイミングや年齢次第では、ただ暗くてつまらない映画くらいにしか思えなかったりします。


ただ別なタイミングであったり、年齢を重ねた後に見てみたりすると、また違った感想を持てたりするんですよね。


そういう意味では、アメリカンニューシネマを見てつまらないと思えるというのも、ある意味貴重な経験かと思います。


とはいえ大昔の映画ゆえ、とっつきづらい部分も多々あるかと思うのですが、そういう意味ではイージー・ライダーはパブリックイメージしかり、音楽しかり、かなりとっつきやすい映画かと思います。


映画単体としても十分に素晴らしいのですが、アメリカンニューシネマ入門編としてもかなり優秀な映画ではないかと思います。


前述のように鬱映画のような側面もあったりしますし、もちろんロードムービーとしても楽しめます。


またドラッグやトリップムービーとしての側面も多々あるので、そのようなジャンル特化型映画として楽しむこともできるかと思います。


もちろんバイク ムービーとしても。


この映画はとにかくバイクムービーとしての影響が絶大な映画。


私が物心つく頃にはすでにこの映画は大昔の名作扱いでしたが、それでもバイクムービーとしては絶大な影響力を誇っていました。


この映画を見たらアメリカンに乗りたくなるし、バイクに乗って旅に出たくもなったりするし。


もちろんハーレーにどっぷりハマるというのもありかと思いますし、国産アメリカンでも、何ならアメリカンじゃなくても、原付でもいいんじゃないかと。


イージーライダーから受けた初期衝動のままバイクで旅をした若かりし日の経験というのは何事にも代えがたいものがありますし、後にいくらお金をかけても代替不可能なものであったりしますし。


もちろんある程度年齢を重ねてから、かつての憧れを叶えるというのもそれはそれで素敵だと思いますし、実際そのようなハーレーのオーナーもかなりいるかと思うのですが。


00年代以前は、今のようにビッグスクーターが主流ではなかったので、アメリカンの存在というのは今よりもかなり大きなものだったと思うんですよね。


ちょっとやそっとじゃ手が出ない、でも頑張れば何とか手に入るちょっと高級な憧れの存在みたいな。


当時のアメリカンの立ち位置というのはよくも悪くも今とは違うものだった気がします。


昔は今のようにバイクがそこまで高くはなく、原付くらいならば誰でも気軽に手が出せる存在だった気がします。


排ガス規制などもなく、今よりも多くの車種が販売されており、大型や中型だけでなく、原付免許で乗れるアメリカンなんていうのも結構ありました。


匿名掲示板2ちゃんねるで、『マグナキッド(原付で高速に乗ろうとした少年の物語)』なんていうちょっとした伝説も生まれましたし。あれももしかしたらイージー・ライダーの副産物なのかもしれません。


とはいえかつてほどバイクもアメリカンも身近ではない今だからこそ新鮮に感じられる部分も多々あるんじゃないかと思いますのでバイクムービーとしての価値も十分にあるんじゃないかと。


アメリカンニューシネマと一口に言っても様々な種類がありますし、それなりに当たり外れもあるのですが。


ただ『イージー・ライダー』や『タクシードライバー』、 人によってはこれらにもう数作加えたくなったりするかもしれませんが、とにかくこの辺りの映画は好き嫌いや、分かる分からないを抜きに、通っておいて損は絶対にない映画かと思います。

 

通っておくというそれ自体にとても意味があると思うので。


というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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