X-MEN:ダークフェニックス


どうも、松本13です。今回は、『X-MEN:ダークフェニックス』についてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『X-MEN:ダーク・フェニックス』は、マーベル・コミックの「X-メン」をベースとした、2019年のアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画。「X-MEN」フランチャイズでは『デッドプール2』に続く12作目で、メインシリーズでは『X-MEN:アポカリプス』に続く7作目であり、最終作。


【あらすじ】

アポカリプスから人類を救う戦いから10年。サイコキネシスとテレパシーの特殊能力をもつミュータントであるジーンは、宇宙でのミッションで起きた事故が原因で自分の中のダークサイドが増幅し、制御不能になってしまう…


この映画、あらゆる面で爆死したフルボッコ映画として私は記憶しています。


個人的にも、この映画については擁護する点のない映画だと思っています。


ただこの映画、一連のX-MENシリーズ作品としてはかなり問題のある作品かとは思うのですが、単体で見ればそこまで悪い作品ではないかと思います。


というか現時点でこの映画を見ていない人というのは、おそらくX-MENにそこまで興味も愛着もない人かと思います。


一連のシリーズにそれなりに興味や愛着を持っている人って、もうすでにこの映画を見て辛辣な評価を下していると思うので。


ただその手の評価で既に原型無きまでにボッコボコにされている状態のこの作品を、大して期待しないで見るとむしろ普通に面白いんじゃないかと。


そういう意味ではそれなりの良作ではあるかと思います。本当に作品単体としてはそこまで悪くはないと思うんですよね。


単体作品としてフラットな気持ちで見るのだとしたら、むしろ普通におすすめできるくらいのレベルなんじゃないかと。


この作品単体で見たら、なんでこの映画がここまでぶっ叩かれまくっているのかわからない人もいるかと思うのですが。


まあ簡単に言ってしまえば、この作品踏んじゃいけない地雷を片っ端から踏んでいる作品なんですよね。


個人的に、この映画を見た素直な感想は、「何でこんなひどいことをするんだろう?」でした。


理不尽な暴力を受けた時のように。そしてこの映画は本当に私にとっていきなり何の理由もなくぶん殴られたような、そんな暴力に等しいひどさでした。


まあ理屈はわかるんですよね。


初期三部作でまあいろいろあって。


そこから仕切り直しての新三部作。


そこから分岐した未来での話。


そこまでおかしなことはやっていないんですよね。本当に理屈ではわかる。


理屈ではわかるんですけど、映画って理屈じゃないじゃないですか。むしろめちゃくちゃ感情的なものですし。


これまで20年近く続いてきたシリーズの完結編にこんなことやる?わざわざこれを持ってくる必要があるのか?何のためにこんなことを?


素直にそう思った映画でした。


この映画の主人公であるジーン・グレイというキャラクターがチート級のやばいやつであるということは、そこまでX-MENが好きでなくても、これまでのシリーズをちょいちょいつまんでいればわかることかと思うのですが。


まあジーンはやばいからね。あんまりね、やばいことにならないようにしないとね。みたいな話ってもうこれまで散々こすられ続けてると思うんですよね。


そもそもそれでまあいろいろあったのが初期三部作でして。


三作目の時点でもうほんとぐっちゃぐちゃだったのですが、そこから仕切り直しての新三部作。


本当によく立て直したと思うんですよね。相当な紆余曲折があったと思うので。


初期三部作もその後の三部作も決して安定しているわけではなく、賛否はそれなりにあるかとは思うのですが、シリーズ通してみればそこまでひどいものではないと思うんですよね。


今の感覚で見たら初期三部作も結構アレな部分があるかもしれませんが。


ただ当時ってまだMCUのない時代なので結構洒落にはなっていたんですよね。というかむしろX-MENがなかったらアメコミ映画が毎年何本も公開されるような時代にはならなかったと思うので。


アメコミ映画もドラマも名作が多数ある今の感覚で見ると微妙な部分もあるかもしれないのですが、ただ当時の感覚で見るとそこまでひどいものではありませんでしたし、それより何より初期三部作が後の映画史に与えた影響というのは計り知れないと思うんですよね。


ただそういう部分を踏まえてみても第一作目はともかく、三作目くらいまで行くとさすがにちょっとアレだよね、みたいな香ばしい香りはプンプンしていたのですが。


そこから仕切り直して別路線での三部作は個人的にめちゃくちゃ好きだったんですよね。


まあ新三部作も賛否はそれなりにあるのですが、 ただ新三部作がなかったらおそらく『デッド・プール』や『ローガン』といった超がつくほどの名作スピンオフも生まれなかったかと思うので、こちらについてもめちゃくちゃ意義のあるシリーズだったと思うんですよね。


そんなこんなであっち行ったりこっち行ったりしながら長い間やってきたわけで、決して愛情だけを持ち続けられるシリーズではなかったと思うんですよね。


多くの人の中では愛憎入り交じるシリーズなんじゃないかと。


そんな多くのファンの愛憎と、作り手や演者の努力によって20年近く続いてきて。


『ローガン』という一つの明確な終わりも迎え、ものすごくいい雰囲気だったと思うんですよね。


紆余曲折あったけど終わりよければ全てよしみたいな。


同じぐらいの時期にこれまた長期続いていたMCUが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』という素晴らしいフィナーレを迎え。


それらのムーブメントの先駆けとなったX-MENシリーズも堂々完結。


と思ったらこれですよ。


そこまでを踏まえてこの映画を見ると本当に理不尽な暴力としか感じられないくらいにひどい。


いや、本当に理屈ではわかるんですよ。ただそれで納得できるならここまで大荒れはしていないわけで。


まあこれはあくまで私個人の意見ではあるのですが、ただ少なからずのシリーズファンの心を逆なでしたのは間違いないわけで、踏みにじったと言っても言い過ぎではないくらいの内容でして。


それゆえの大爆死。不死鳥なのに大爆死ってめちゃくちゃ皮肉が効いてるしある意味めちゃくちゃ面白いのですが。


ただ本当にこの映画、考えうる限りの最悪の選択肢を選んじゃったんじゃないかと。


何て言うか、そこそこ生ぬるい大団円でも、まあ終わりよければ全てよしみたいな、それくらいの感覚で受け止めてくれる人って結構いたと思うんですよね。


ほんとこの作品こそデッド・プールに「なかったこと」にしてほしい作品です。


ただそれは上述の経緯を時系列順で追った上での話ですので、それらの爆死や大荒れが鎮火し、駄作との評価が固まった今、フラットな気持ちで単体映画として見るのであれば、全く悪い映画ではないかと思うので、そういうスタンスで見るのであれば見て損をする映画ではないかと思います。


本当に映画としてはそこまで悪くはない映画だと思います。それだけに本当にもったいないなと。


もう少し違ったストーリーを選んでいたら結果だって全く違ったと思いますし。


そんなこんなで最後の最後で壮絶な爆死を遂げたX-MENシリーズ。


一方のMCUはエンドゲームという最高のフィナーレを迎えたものの、その後なんやかんやでシリーズは継続していくこととなり、今ではダークフェニックスレベルの作品を連発するという迷走っぷり。


アメコミ映画の先行きは決して明るいとは言いがたい状況なのですが。


まあここまで長くムーブメントが続くとさすがにしょうがないかなとは思うのですが。


本当に20年近くやっているので。


そんな一大ムーブメントの先駆けとなったX-MENシリーズの大爆死フィナーレ作品。


作品単体としては全然悪い映画ではありませんが、ただこの映画が許されるにはもう少し時間が必要なんじゃないかと。現在進行形で怒ってる人も結構いますし。


というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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