ジョジョ・ラビット
どうも、松本13です。今回は、『ジョジョ・ラビット』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『ジョジョ・ラビット』は、2019年のアメリカ合衆国のコメディ映画。監督・脚本はタイカ・ワイティティ。
【あらすじ】
第二次世界大戦中、孤独なドイツ人少年のジョジョは、イマジナリーフレンドのアドルフ・ヒトラーのみが救いだった。そんなある日、彼は母がユダヤ人少女を自宅に匿っていることに気づいてしまう…
この映画、個人的にめちゃくちゃ好きな映画です。
めちゃくちゃ面白い映画ですし、そしてめちゃくちゃいい映画でもあるかと思います。
オールタイムベストには間違いなく入ると思いますし、2010年代映画でも間違いなく10本の指には入る作品だと思います。
個人的にそれくらい思い入れのある作品ですし、それを抜きにしても妙な偏りや癖のある作品ではないので、全方位に自信を持っておすすめできる映画かと思います。
舞台は戦時中のドイツ。となるとちょっと尻込みをしてしまう人もいるかと思います。
戦争映画ってなんか暗いし重いし、よくも悪くも気軽に見れる映画ではなかったりするので。
ただこの映画はそういうとっつきづらさは全くありません。
むしろめちゃくちゃ楽に見れる映画です。ジャンルとしてはコメディですし。
もちろん戦争映画なので明るく楽しい話ではないのですが。
しかも舞台となるのは第二次世界大戦末期のドイツ。むしろ地獄の地獄 。
ただ戦争映画にありがちな、心をえぐられるような鬱展開はあまり無いので、比較的安心して見られる部類の映画かと思います。
じゃあ中身が空っぽかと言ったら決してそういうわけでもなく、戦争映画にしてはかなり楽に見れるコメディタッチではあるものの、しかし心に残るものはかなりあるんですよね。このようなコメディタッチのアプローチだからこそなおさら。
ただ基本的には普通に面白くて子供が可愛いコメディ映画だったりします。一応戦争映画ではあるのですが。
本来混ざり合うことのない、それら二つの要素が奇跡的に混ざり合い、両立しているのは監督のタイカ・ワイティティの手腕によるものが大きいのかなと思います。
個人的にタイカ・ワイティティ監督というのはとても信頼している監督でして。
こういう本来混ざり合うことのないニつの要素を両立させることに非常に長けた監督だと思うんですよね。
タイカ・ワイティティ監督作品と言ったら、『マイティ・ソー バトルロワイヤル』が一番有名かと思うのですが。
あの作品もそれこそ本来混ざり合うことのないニつの要素が奇跡的に両立した作品だと思うんですよね。
それまでのマイティ・ソーって重くて暗い、 割とハードな話だったと思うのですが、少なくとも明るく楽しいコメディ路線ではなかったわけで、そこに上手いことコメディ要素を持ち込んで大成功したのが『マイティソー バトルロワイヤル』という作品だと思うんですよね。
個人的にタイカ・ワイティティはMCUの1・2を争う功労者くらいに思っています。
『アベンジャーズ/エンド ゲーム』という歴史的とも言えるクロスオーバー作品を、私が心の底から満喫できたのは、マイティソー バトルロワイヤルという映画があったからだと思うんですよね。
あの映画がなければソーにそこまでの思い入れは持てなかったかなと個人的には思います。それまでのシリーズも見ていたものの、個人的にはそこまで大好きというわけではなく、アベンジャーズの筋肉担当くらいの認識でした。
新作の不振などが続き、マーベル疲れなんていう言葉が囁かれ始めて久しい昨今ですが、私個人としてはフェーズ3の時点でもう十分に疲れていたんですよね。
正直マーベル作品については、そこまでの思い入れもなく、惰性で追いかけている部分もあったので、正直もういいかなと思っていた私を、もう一度グッと引き寄せた、繋ぎ止めた作品がマイティソー バトルロワイヤルであり、
そしてそこからの『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』という衝撃。そして『アベンジャーズ/エンドゲーム』という素晴らしすぎるフィナーレ。
それらを迎えられたのも、タイカ・ ワイティティによるマイティソー バトルロワイヤルという作品があったからこそなんですよね。
タイカ・ワイティティはそういう意味でも非常に信頼している監督なのですが、マーベル以外にも面白い作品を多々監督しています。
タイカ・ワイティティってアウトサイダーを描くのがめちゃくちゃ上手な監督だと思うんですよね。アウトサイダー、もしくはアウトサイダーとすら認識されないその他の人間だったり。
今作の主人公の少年もまさにそんな感じ。ナチス万歳ヒトラー万歳なユーゲント(青少年団)からは真っ先に脱落。
世間一般の子供とは違った道を歩むことになるのですが。
そういうドロップアウトをきっかけに人っていかようにでもおかしくなっていくものだと思うのですが、ただこの映画は周りの大人にいい人が多いんですよね。
もちろん戦時中なので今の感覚とは少し違う部分もあるのですが。
ただ本当にめちゃくちゃキャラが立っているいい人が多いんですよね。 特にキャプテンK。めちゃくちゃいいキャラしてます。
熱血とは対極なやる気なさげでいつもダルそうだけど実は生徒思いの先生みたいな。
今の感覚で見たら子供が「ハイルヒトラー!」なんてとんでもないと思いますが、ただ当時は外部からの情報は一切入ってこない戦時中。そりゃ子供はヒトラーやナチスに憧れるよなと。
ただ全ての大人がナチス万歳なスタンスかと言ったら決してそういうわけでもなく、ナチスに憧れる子供に「いいぞ、やれやれ」とはいかないわけで。
とはいえ時代が時代なだけに大っぴらに体制批判などはできないわけで。
そういう部分の微妙なニュアンスも、この映画の面白いところの一つだったりします。その部分を踏まえての二週目三週目もめちゃくちゃ面白い。
そのようなストーリー面も非常に優れた映画なのですが、音楽の使いどころがまた素晴らしい。
タイカ・ワイティティの映画って、思いっきりなところに思いっきりな古いロックを、思いっきりぶち込んでくるところが本当に最高なんですよね。
それに加えて主人公の男の子が可愛いこと。
本当にめちゃくちゃ可愛いんですよね。ちょっと生意気なところも含め。
その部分の可愛さってこの映画の大きな魅力の一つだと思うので、この映画を見る際は吹き替えではなく字幕版を見ることを個人的には激しくおすすめします。
吹き替えがそこまで最悪というわけではないのですが、ただちょっとした言葉のニュアンスやリアクション、若干舌ったらずな喋り方とか、そういう部分の魅力は吹き替えでは全く再現できていないので、特別な理由がない限りは字幕で見た方がいいんじゃないかと。
吹き替えで一度見たことがある人も、字幕で見るとまた違った印象を持てるかと思います。主人公に対する印象は本当にかなり変わると思うんですよね。
この映画は反戦映画としての価値とかそういう部分での小難しい理屈をこねることもいくらでもできるのですが。
ただそれ以前にただ単純に映画として抜群に面白いんですよね。
こういうアプローチだからこそ届くもの、響く層というのもあると思うので。
とにかく見ておいて損は一切ない映画かと思います。
というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。