ジュラシック・エクスペディション
どうも、松本13です。今回は、『ジュラシック・エクスペディション』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『ジュラシック・エクスペディション』は2017年制作のアメリカのSF・アクション映画。
【あらすじ】
資源調査のため、とある惑星に降り立った宇宙船の乗組員たち。だがそこは恐竜のようなモンスターがのさばる恐怖の星だった…
本家以外のジュラシック○○というタイトルの時点でもうすでに壮大な駄作フラグが立っているかと思うのですが。
その期待を裏切ることのないなかなか香ばしい内容です。
ジュラシック・エクスペディションというめちゃくちゃ語呂の悪いタイトルについても、星1つ台というめちゃくちゃ低い評価についても。
そのくせジャケットだけはめちゃくちゃ面白そうという点についても琴線にビンビンくるものがありましたので視聴をするに至りました。
実際に見てみると、まあ予想通りいろいろとツッコミどころが豊富な内容。
案の定ほとんど恐竜は出てこず。
よくあるジュラシック詐欺。
ストーリーや描写などについても、既存の作品を切ったり貼ったりしたといった印象。どこかで見たことのあるシーンの連続。
とりあえずこの映画作った人、攻殻機動隊はめちゃくちゃ好きなんだろうなと。
登場する恐竜型エイリアンについても、もろに『エイリアン』のデザイン。しかも透明になれる特殊能力付き。そこはなぜかプレデター。
透明になれるので直接的な描写も最小限で済み、めちゃくちゃ制作費節約にもつながるという親切設計。
まあそんなエイリアンと、これまた香ばしい上陸部隊があれこれやらかすみたいな内容なのですが。
この映画の低評価に学芸会レベルとか作りの安っぽさなどを指摘するレビューが多々あるのですが。
個人的にはそのようなことはあまり感じませんでした。
CGについても作中の小物などについても、これよりひどい作品を多く見ているので、むしろそこにはクオリティーの高さを感じました。
CGについてはZ級映画を多数見ている私からすると全然問題ないレベル。
作中の小物については、安っぽさはあるものの、ただそれなりに手はかけてある感じは伝わってきます。
宇宙船内部についてもZ級映画にありがちな貸会議室ほど安っぽくはなく、底辺ビジホくらいのクオリティはあるかと。
何の加工もないポリタンクを背負って火炎放射器とかそういうことも全くやっていないわけなので。
仮に学芸会レベルであっても結構いい学校なんじゃないかと。
もっとひどい地獄のような学芸会に何回も参加したことがあるので。
この手の映画ってもはやつまらないことは確定しているわけでして、その中にどのようにして面白さを見出していくかだと思うのですが。
この作品、半端によくできている分、そういう楽しみ方が全然できないんですよね。
一周回って面白いというところまで行かないんですよね。
じゃあ面白いかと言ったら全然面白くないのですが、つまらないまでもいかない。
突出したマイナス要素って逆に面白いみたいな、一周回って面白いみたいな、そういう楽しみ方ができると思うのですが。
この映画、面白くはないくせに絶妙にマイナスまでいかないんですよね。
なんかゼロ付近で妙に踏ん張っているんですよね。
そのせいでZ級映画特有の楽しみ方もできず、かと言って面白くもならず。
終始限りなく虚無に近い何かを見せられてるような状態。
そういう意味ではかなり貴重な経験でした。
映画としては全然面白くなく、かと言ってZ級映画としても絶妙に楽しめない。そういう塩梅の作品ってありそうであまりないと思うんですよね。
昨今のZ級映画ってネタとしてはそれなりに優秀な映画が結構多いかと思うのでなんやかんやで使い道はあったりするのですが。
この映画はそういう部分でも微妙だったり。
本当に限りなく虚無に近い何の意味もない映画でした。
ただゴミではないんですよね。クソでもなく、そこまでも行かない。
ただ何の使い道もない置物とか貰い物のお土産とか。何に使うかわからない何かの予備パーツなのだけれど、いつか使うかもしれないから捨てるわけにもいかないみたいな。
そんな絶妙な虚無さを味わえる一作。
全くおすすめはできないのですが、他の映画ではなかなか味わうことができない虚しさを味わうことができますので、無駄にしたい時間がある時は一度見てみてもいいかもしれません。
「時間を無駄にした」という自虐すら感じられないレベルの虚しさを味わえる映画って本当になかなかないと思うんですよね。
ネタにするにも、ついさっき見終わったばかりなのに何一つ内容を思い出せないみたいな。
というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。