空の大怪獣 ラドン
どうも、松本13です。今回は、『空の大怪獣 ラドン』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『空の大怪獣 ラドン』は、1956年に公開された、東宝制作の怪獣映画。監督は本多猪四郎。特技監督は円谷英二。
【あらすじ】
九州の炭鉱で鉱夫や警官が惨殺される事件が発生。調査のため炭鉱を訪れた河村繁は、落盤に巻き込まれて記憶を失ってしまう。数日後、プテラノドンが変異した巨大翼竜ラドンが超音速で飛び回り、各地で暴れ始める…
この映画、めちゃくちゃ面白い映画です。
怪獣映画としてはもちろんなのですが、普通の映画としても抜群に面白いんですよね
昭和特撮って、大昔のものなだけに今の感覚で見るとちょっと展開がもっさりしていたり、それゆえに退屈してしまう部分って作品によっては結構あったりするんですよね。
ただこの作品はそういうの一切なしに今の感覚で普通に見れてしまうんですよね。
この映画が公開されたのは1956年にもかかわらず、今でも普通に見れてしまうというだけでもとてつもなくすごいことだと思うのですが、内容も抜群に面白い。
怪獣映画って怪獣が本格的に暴れ出す後半までって、どうしても退屈になってしまいがちだと思うのですが。
今作も肝心のラドンは前半はほとんど出てこなかったりするのですが。
ただ前半パートがかなりホラーテイストになっており、その部分がめちゃくちゃ面白いんですよね。
昭和特撮って一部作品のイメージでポップで子供向けみたいな印象を持っている人もいるかと思うのですが。
この映画に関してはゴリゴリに大人向け。
特に前半のホラーテイストなパートは子供が見たら泣くレベル。
作品としては結構ハードだと思うんですよね。
全然明るくないし、むしろめちゃくちゃ暗いですし、普通に人も死にますし、出血表現なんかも結構ありますし。
この映画、ふわっとした昭和のイメージだけで見るとかなり驚かされるんじゃないかと。
え?こうなるの?みたいな。
ゴジラってよくも悪くも、もうその成り立ちから広く知られた作品であり、キャラクターかと思うのですが。
ラドンの原点であるこの作品って、意外と知らない人も多いかと思うので、一度は見ておいても損はないんじゃないかと。
正直怪獣映画って、特に昭和特撮って個人的には好きだけれど、作品によっては気軽におすすめできないものも多々あったりするのですが。
特に子供が主役な作品って子役の演技がかなりきついみたいな場合も結構多いので。
ただ今作はその部分の心配も無用。名優たちのめちゃくちゃ重厚な演技が見れます。というか子供の登場はほぼなし。
大昔の特撮作品ではありますが、ただ1周回って面白いとか、そういうちょっとしたスタンスとかある種の作品への忖度みたいな、そういうのは一切なしで普通に見れる作品です。
公開から70年経ってなおそうやって見れる映画って本当にそうそうないと思うんですよね。
CGなんてものが一切存在しない時代ですから、今の感覚で見ると特撮パートにおいてはちょっとある種の作り物感というかチープさを感じてしまう部分はあるかと思いますが。
ただそれはそれで迫力は結構あると思うんですよね。
実際に作ったものを爆破したり燃やしたりしているわけですから。
それと今作を一切のCGなしで作ったという目線で見れば、それはそれで楽しめるかと思いますし。
この映画、怪獣映画として本当に名作中の名作ではあるのですが、ただ様々な要素がインフレしまくった今の感覚で見るのであれば、ド派手な怪獣映画としてではなく、ちょっとしたモンスターパニックくらいの感覚で見るのがいいんじゃないかと。
今作以降のラドンって、ゴジラ映画への客演などのイメージで、3番手4番手、作品によっちゃ三下扱いみたいなものも結構あったりするのですが。
主役張ってる今作はめちゃくちゃ脅威。
子供の頃は、「なんだラドンは光線とか出さないのか」、みたいに思ったりもしたのですが。
ただ超音速で空を飛び、衝撃波で通った場所は軒並み瓦礫の山って、普通に考えると相当な脅威だと思うんですよね。
今作以降のラドンって作品によっては本当に不遇だったりするのですが、ただそれなりにコンスタントに登場してはいるし、
平成VSシリーズなどではかなりの活躍も見せているので、ゴジラ映画の脇役怪獣としての立ち位置は決して悪くはないと思うんですよね。
扱いは別として。特にハリウッド版ゴジラ。
とはいえ登場の機会があるだけましだとは思いますが。かつて2番手筆頭だったアンギラスも昭和以降はほとんど登場の機会がありませんし。
それ以前に今や一部の怪獣好きにしか覚えられていないゴジラ映画への客演すら叶わなかった、もしくはほんの一瞬登場しただけみたいな怪獣もめちゃくちゃいますし。
というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。