鬱映画ファイル19『カッコーの巣の上で』
どうも、松本13です。今回は、鬱映画ファイル19、『カッコーの巣の上で』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『カッコーの巣の上で』は、1975年のアメリカ映画。原作はケン・キージーが1962年に発表した同名のベストセラー小説。いわゆるアメリカン・ニューシネマの代表作の一つであり、アメリカでは興行収入1億ドルを超える大ヒットになった。
【あらすじ】
刑務所の強制労働から逃れるため精神異常を装い、精神病院に入ったマクマーフィは、絶対的な管理体制をしくラチェット婦長のやり方に反発を覚える。マクマーフィは、管理されることに慣れ、無気力になっていた入院患者たちに生きる希望と活力を与えようとするが…
この映画、言わずと知れた名作中の名作かと思います。
アメリカンニューシネマの代表的な作品でもありますし、様々な名作ランキングにも必ずと言っていいほど食い込んでくる作品。
そういうフワっとしたイメージだとこの作品ってかなりの優等生映画に感じられたりもするかと思うのですが。
ただこの映画って単なる感動ドラマや社会派作品という訳でもないんですよね。
もちろんそのような側面も多々ありつつも、かなりアナーキーな内容の作品。
そもそもアメリカンニューシネマってアンチハッピーエンド、アンチハリウッドなアナーキーな作品が主流であった訳で、そこまでお行儀のいい名作って訳じゃないんですよね。
アメリカンニューシネマに限らず、ムーブメントが過ぎ去った後にほんの一部の表層的なイメージのみで当時と全く違った語られ方をしている物って結構あると思うんですよね。
フォークミュージックなどについてもそうかと思うのですが。フォークミュージックもかつては四畳半な昭和でピースフルなミュージックではなく、アナーキーな側面を持った音楽でもありましたし。
そんなこんなでこの映画もそんなにお行儀のいい映画ではないんですよね。
基本的なプロットだけをなぞればゴリゴリの鬱映画ですし。
その手のオルタナティブな映画が好きな偏った趣味をしていると、王道中の王道の名作はあえてスルーしたくなったりする場合も多いかと思うのですが、この映画に関してはむしろ逆なんですよね。
王道中の王道ではなく、むしろこっち側。めちゃくちゃ偏った映画なんですよね。
もちろん名作中の名作であることは間違いないのですが、鬱映画としても相当に満足度が高い映画かと思います。
そもそもアメリカンニューシネマって血気盛んな若者がその若さや勢いでもって体制などの「大いなるもの」に反抗するも、結局はそれらに圧殺されるみたいな、そういうストーリーが王道だったりするのですが。
そういう意味でもこの映画は典型的なアメリカンニューシネマなんじゃないかと。
とにかく映画としては抜群にすばらしい作品なので一度は触れておいて損はないんじゃないかと。
往年の名作としてはもちろんのこと、その手の映画として食指が動かないのであれば鬱映画や胸糞映画のような特定ジャンルの映画として見てもいいかと思いますし。
そしてこの映画、あらゆる方面からの視聴に耐えるクオリティのある作品だと思うんですよね。
アメリカンニューシネマとしても社会派ドラマとしても感動の名作としても。そして鬱映画としても。
そしてこの映画、見るタイミングや時代、年齢などによって様々な見方ができるところがまた面白いんですよね。
タイミングによってはパッとしない暗い映画だったり、ゴリゴリの鬱映画に感じたり、とんでもない感動作だったり。
視点によっては今作のジャック・ニコルソンはヒーローにもなりえるし、悲劇の主人公にもなりえるし、単なる迷惑な犯罪者にもなりえるし。
鬱映画と一口にいっても様々なタイプの映画があるかと思います。
鬱映画の金字塔である『ミスト』って良くも悪くもいつ何時見てもミストだと思うんですよね 。もう胸糞と絶望と副店長とカルトババアな鬱映画だと思うんですよね。
ただアメリカンニューシネマって見るタイミングによって様々な印象を持てるのがとても面白い所だったりします。
特にこの作品は見るタイミングによって本当に視点や印象が違ってくるので一度は通っておいてもまず損はない映画かと思います。
という訳で今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。