PERFECT DAYS



どうも、松本13です。今回は、『PERFECT DAYS』についてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『PERFECT DAYS』は、2023年に日本・ドイツ合作で制作されたドラマ映画。ヴィム・ヴェンダース監督作品。第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、主演の役所広司が男優賞を、作品はエキュメニカル審査員賞を受賞した。


【あらすじ】

東京・渋⾕でトイレ清掃員として働く平⼭は、静かに淡々とした⽇々を⽣きていた。同じ時間に⽬覚め、同じように⽀度をし、同じように働いた。その毎⽇は同じことの繰り返しに⾒えるかもしれないが、同じ⽇は1⽇としてなく、男は毎⽇を新しい⽇として⽣きていた…


この映画、カンヌを受賞し、批評的にもかなり絶賛されている映画かと思います。


ジャンルとしてはヒューマンドラマに属する作品。


B級ホラーやアクション映画などが主食な私としては、この手のプレーンな映画というのはそこまで好んで見る方ではないのですが。


ただこの映画は個人的にとても好きな作品だったりします。


この手の映画って本当に好きな人しか見ない、興味ない人はとことん興味ない類の映画かと思うのですが。


ただ時折、普通なら全く興味のない層にまで届くような素晴らしい映画というのがありまして。


例えば私のようなシンプルなアクション映画好きでも、デヴィッド・リンチ監督の『ストレイト・ストーリー』が好きな人ってめちゃくちゃ多いと思うんですよね。


個人的にこの映画はそんな感覚で見れる、ジャンルの壁を飛び越えられる類の作品かと思います。


普段この手の映画を見ない人もめちゃくちゃ楽しめる作品。


かといってそこまで明るく楽しい内容の映画ではないのですが。


ただぱっと見の印象ほど重くて暗い話でもないんですよね。むしろ内容としてはかなり気軽に見れる内容。


有名な映画賞を受賞したお墨付き作品ということもあり、もちろんこの手の作品を普段から好んでいる人にとってはめちゃくちゃ琴線に触れるタイプの作品かと思いますが。


この映画の優れているところって普段このような映画を見ていないような層に対してもしっかり届くところだと思うんですよね。


それとこの映画、キャストが本当に豪華なんですよね。


ちょっとしたシーンのちょっとした役にもめちゃくちゃ豪華なキャストが起用されていたり。


意外なところで意外な役柄を意外なキャストが演じていたり。


特にこの映画においての研ナオコ探しはかなり楽しめるんじゃないかと。


そういう楽しみ方も存分にできますし、クレジットされているキャストがどこに出ているかみたいな、そういう周回プレイもできちゃったりします。


それに加えて風呂なしアパートでの質素な暮らしや、フィルムカメラ、カセットテープみたいなエモい要素も多々あったり。


この映画の表現として適切かは分かりませんが、ただそういう「エモい」方面の切り口や接点から若者がこのような映画に入るのもありなんじゃないかと。


色々な世代が色々な視点で楽しめる作品だと思うんですよね。


挿入歌もめちゃくちゃセンス溢れてますし。


しかもこの映画、若い世代がただエモいと思えるだけの映画というわけではなく、ある程度年齢のいったミドル世代が憧れた古き良き平成初期や昭和後期の暮らしでもあったりするんですよね。


そういう世代にとってのエモさもあるんじゃないかと。


映画ではないのですが、知る人ぞ知る名作コミック『大東京ビンボー生活マニュアル』の「何もない幸せ」みたいな。


今作の世界観て本当にあのまんまの世界観なんですよね。


東京の風呂なしアパートでの質素な暮らし。


そういうものへのエモさとかちょっとした憧れみたいなのって割とどの時代にもあるんじゃないかと。


色々な世代がこのような生活や情景に憧れはしたものの、ただ実際にこのような生活が実現できた世代や、現実的に可能だった時代や場所って実はそう多くはないと思うんですよね。


こういう情景や生活って、もう平成中期にはほとんど失われていた印象です。


ある種この映画の情景って存在しない懐かしさみたいな側面があると思うんですよね。


誰もが知っていて、誰もが懐かしむけど、じゃあ実際にそれが存在するかと言ったら誰もリアルに触れたことはないみたいな。


喫茶店のナポリタンという概念は誰もが知っていながら、実際に喫茶店でナポリタンを食べたことがある人はそこまで多くないみたいな。


そういう妙な感覚を共有できる映画でもあると思うんですよね。


この映画の中の誰もが知ってはいるものの実際には存在しない概念上のエモさみたいな感覚って本当に興味深いんですよね。


実際この映画のような生活をするとなると相当なコストがかかるんですよね。


風呂なしボロアパートって家賃激安なイメージのある人もいるかもしれませんが、東京だとあの手のアパートでも家賃5万円以上なんてザラですし、駐車場付きならなおさら高く付きます。


銭湯通いにしてもその後の外食にしても質素に見えて結構高くつく生活してるんですよね。


本当にああいう生活って色々な時代の色々な人が憧れるも、実際にやろうとすると普通に生活するよりも高くついてしまうゆえ、あえてやろうと思った人もそれほどいない、憧れる人は多いけど、実際には存在しない質素さというか何もない幸せさみたいな、本当に概念上だけの存在だと思うんですよね。


そういう部分の考察もめちゃくちゃ捗る映画ですし、何かと語られない部分の多い主人公の過去などについてもかなり考察がはかどる作品だったりします。


そういう方面の楽しみ方もいくらでもできる作品だったりしますし、前述のようなとっつきやすい部分も多々あったりしますし。


それより何より素直に内容がめちゃくちゃいい映画なので、一度は見ておいても損はないんじゃないかと。


本当に普段この手の映画を見ない人でもめちゃくちゃ楽しめる作品だと思います。


ヴィム・ヴェンダース監督作品としてもかなり見やすい作品なんじゃないかと。


ヴィム・ヴェンダース監督作品って良くも悪くも好みが分かれる作品が多いですし、誰にでも気軽におすすめできる類の作品ではないと思うんですよね。


そういう意味でもこの作品はあらゆる層の鑑賞に耐えうる作品なんじゃないかと。


個人的にはめちゃくちゃおすすめです。


この作品を見る上で唯一注意しなければいけないのは、役所広司が似たような役柄を演じていた、似たようなタイトルで、なおかつ同じような時期に公開された『素晴らしき世界』と混同しないということ。


今作とは違い、素晴らしき世界に関してはゴリゴリに心をえぐってくる作品なので、視聴に関しては注意が必要です。いい映画ではあると思うのですが。


ただ良くも悪くもこの今作のような感覚で見れる映画ではないのでくれぐれも作品の混同に関してはご注意を。


というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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