クローズZERO
どうも、松本13です。今回は、『クローズZERO』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『クローズZERO』は、高橋ヒロシの漫画『クローズ』を原案とした2007年10月27日公開の日本映画。監督は三池崇史、主演は小栗旬。
【あらすじ】
手に負えない不良学生たちが集まる鈴蘭男子高等学校。派閥争いが続く校内では、最大勢力「芹沢軍団」が幅をきかせていた。しかし実現不可能といわれる学園制覇を狙う滝谷源治が転校してきたことにより、情勢が変わり始める…
この作品、伝説の不良漫画の実写化ということもあり、それなりに賛否は分かれているながらも、一般的には良作ぐらいの評価は受けているかと思います。
個人的にもコミック版クローズについては直撃世代であり、とても強い思い入れがあるのですが、この作品に関しては嫌いではありません。
正直大好きかと言ったらそういうわけでもないのですが、ただいい作品だとは思いますし、見て良かったなとは思います。
作品としてはとても優れていると思うんですよね。
原作ファンなので多少もやる部分はありながらも普通に楽しめました。
これって何だか煮え切らないレビューのように感じられるかもしれませんが、クローズ実写化の評価としてはとてつもなく高い評価だと思うんですよね。
クローズ実写化が発表された際は、本当にとんでもないことになると思ったんですよね。それこそ本当に、「えらいこっちゃ… 戦争じゃ…」みたいな。
めちゃくちゃ荒れるだろうなと。
何て言うかクローズって、実写化しちゃいけないコミック筆頭格みたいなものだと思っていたんですよね。
クローズって本当に世代によっちゃ聖典というか聖域というか、それくらい言っても大げさではないくらいの存在でして。
『デビルマン』やなんやで火柱あげてる日本映画界が絶対に手を出しちゃいけないところなわけで。
しかもゴリゴリのヤンキー漫画なわけで、読んでる方も血の気の多い人間が多いわけで、それを実写化するんだからそれこそ血の雨が降るんじゃないかと。
本当にそれくらいの予感がしていたんですよね。
しかもヤンキー漫画ゆえ、本物感が問われる部分も多々あったりしますし、SF要素が皆無な分、特撮やらCGやらでごまかすこともできませんし。
ちょっとこの漫画の実写化は無理だろうと思うことはこの作品に限ったことではなかったのですが、ただ他の作品に関しては割とSF要素なり何なりの強い作品なのでもしかしたらCGとかなんかでワンチャン何とかなるんじゃないかみたいな可能性もなきにしもあらずだったのですが。
ただクローズに関しては何のごまかしも聞かない完全素材勝負。
絶対無理だろうと思っていたのですが。
蓋を開けてみたら普通に面白かったという。めちゃくちゃ上手に軟着陸したという。
それは本当にとてつもなくすごいことだと思うんですよね。
もう本当にどこをどう考えても失敗する要素しかなかったのにも関わらず、問答無用の大成功ではなかったかもしれませんが、一応の成功を収められたって本当にめちゃくちゃ評価されていい部分だと思います。
とにかくこの作品、原作をめちゃくちゃリスペクトしているんですよね。しかも原作を元にしたオリジナルストーリーということで、地雷原の中を驀進しながらも本当にうまい具合に地雷だけをよけている。
この地雷原の中でよく一つも地雷を踏まなかったなと、本当にそこは素晴らしいの一言につきます。
主演の小栗旬をはじめ、当時第一線で活躍していた若手俳優が多数出演。
原作に比べたらちょっとアレな部分はありつつも、とはいえ学芸会要素を全く感じないとても素晴らしいクオリティーでした。
しかも監督はバイオレンス映画の巨匠三池崇史。
何かと制約の多いメジャー作品だと三池崇史監督って当たり外れの多い監督なのですが、バイオレンス要素が多い得意分野ということで、この作品は本当に大当たりの部類。
この作品、本当に実写化作品としても、三池作品としても素晴らしい映画だなと。
原作ファンの地雷を踏まず、コミックの雰囲気をうまく実写化し、なおかつ映画としても普通に面白いんですよね。
それに加えてこの映画、THE STREET BEATSというバンドがライブシーンで出演しているんですよね。
THE STREET BEATSってほんと素晴らしいバンドなのですが、ただメディア露出ってほとんどしていないんですよね。
ネットも今ほど発達していない当時は、気軽にYouTubeでどんなアーティストの映像も見ることができるなんて時代ではなく、動画でTHE STREET BEATSを見ることができるという、それ自体がとんでもなく貴重な機会だったんですよね。
そしてこの時代特有のギラギラ感というのもこの作品の大きな特色かと思います。
この時代の高橋ヒロシ作品ってまだ本当にギラギラしていた頃だと思うんですよね。
多くの派生作品が作られたり、作者自身が年齢を重ねてそれなりにマイルドになった部分もあったり、逆に読み手が年をとって価値観が変わってきた部分もあったりと、今現在の高橋ヒロシイズムみたいなものへの評価って良くも悪くも当時とは少し違うものになっているかと思うのですが。
その部分は三池崇史監督についても同様かと思います。
監督自身が「仕事は来た順に受ける」という仕事を選ばない姿勢ゆえ、作品にも当たり外れが相当に激しく、個人的に比較的近年はハズレの方が多いのでむしろ地雷監督として警戒すらしているのですが。
ただこの時代の三池崇史監督ってまだ多くのファンが新作が公開されるたびに大きな期待を寄せていた頃だと思うんですよね。
そんなバイオレンス映画の巨匠が伝説のヤンキー漫画をめっちゃくちゃうまく実写化することに成功し、なおかつ伝説のバンドのライブ映像も見れてしまうというギラギラ全開な今作。
1つの映画としても普通に面白いので一度は見ておいても損はないんじゃないかと。
少なくともありがちなクソ実写ではないかと思うので。
平成中期頃の実写化映画って本当に作品選びが難しいと思うんですよね。クソなものは底なしにクソだったりするので。
ただ全てがクソではなく、この作品のようなちゃんとした映画もそれなりにあったりはするんですよね。
この作品は本当にその手の警戒は不要な映画です。普通に映画として見れるので。日本映画にしては頑張ってるよね、とか一周回って面白いとか、そういうスタンスなしで直球で楽しめるかと。
というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。