デモニック
どうも、松本です。今回は、『デモニック』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『デモニック』は、2021年に公開されたアメリカのSF・ホラー映画。監督はニール・ブロムカンプ。
【あらすじ】
故郷に戻って来たカーリーは、絶縁していた母アンジェラが、全身マヒで昏睡状態になっていると伝え聞く。母が保護されている医療新興会社セラポールを訪れると、医師のマイケルから、「シミュレーション」と呼ばれる意識へと繋がる仮想空間に入り、母を呼び戻して欲しいと頼まれる…
この作品、一般的な評価がとてもよろしくないのですが、映画としてはそこまで悪い出来ではないかと思います。
何の期待もせずに配信でなんとなく見たとしたらそれなりに満足できるレベルの映画ではあるかと思います。
大満足して高評価できるかと言ったら別ですが、とはいえそこまで極端にひどい部分のある映画でもないかと思います。
じゃあ何でこの映画の評価がここまで低いかと言ったら、この映画の監督がニール・ブロムカンプだからだと思います。
ニール・ブログカンプってめちゃくちゃ面白い映画を撮る監督ですからね。
しかも内容は仮想現実もの。凶悪犯の頭の中に入り込むという、その手の映画としては名作と名高い『ザ・セル』と同じようなストーリー。
いわばニール・ブロムカンプ版ザ・セルを期待した人もそれなりにいるかと思いますし、それを抜きにしたってビジュアルにしても何にしても名作フラグが立ちまくっているわけです。
それらのフラグや視聴者の心を叩き割るような面白くなさがこの映画の最大の特色です。
つまらないのではなく面白くない。絶妙に盛り上がらない。この部分のニュアンスがちょっと難しかったりするのですが、とにかく面白くなりそうなフラグが立ちまくりだし、作中でも、何度もここからは盛上がるのだろうな、というポイントが あるのですが、それら全てをなぜか素通りするという謎仕様。
映画の中盤になるとかなり退屈になってくるのですが、とはいえ監督はニール・ブロムカンプ。ここまではあえて退屈させてタメを作って後半から一気にたたみかける算段なんじゃないか。
何かしらの仕掛けやサプライズはあるだろうと、誰もが思うと思うのですが。だってニール・ブロムカンプ監督作品だし。
しかし結局何も起こらず、盛り上がりどころも全てスルーしてエンディング。
ニール・ブロムカンプは一体どうしちゃったんだろうと心配になるような面白くなさ。
社会実験か何かであえて計算してつまらなくしているんじゃないかと疑わしく思ってしまうくらいに。
私がこの映画を鑑賞した際のアマプラの評価は星5つ中2.8個でした。
これ、ニール・ブロムカンプ映画としては相当に低い評価だと思うのですが、ただ逆にここまで評価が低いとむしろ気になってしまったりするんですよね。
それだけ評価の分かれる結末なんだろうとか、そこまで評価が低いとむしろ一周して笑えたりするんじゃないだろうかとか、映画ってそういう楽しみ方もできると思うのですが、この映画はそういう楽しみ方もできないくらいにただ純粋に面白くない。
ニール・プロムカンプほどの才能のある監督が製作も監督も脚本もやって、なぜここまで面白くない映画が作れるのかむしろ不思議に思ってしまうくらいに。
作品の質が決して低いわけではなく、脚本が決定的に破綻しているわけでもなく、ただ単純に面白くないという、むしろその塩梅に落ち着ける方が難しい気がするのですが。
しかも用いているテーマもめちゃくちゃ面白そうなわけで。
登場人物についてもいちいち魅力的でなかったりします。それこそそう計算したかのごとく本当に何と言うか、感情移入も何もできない、ただただ魅力のない人々。
むしろニール・ブロムカンプ映画としてこの奇跡的とも言える面白くなさは逆に特筆に値するかと。
何というかそこまでの才能も技術もない監督が身の丈以上のテーマを用いて、それを使いこなせずに空回ったような、そんな映画です。
そんな映画をニール・プロムカンプが作るなんてなかなか予想はできないかと思います。
逆にニール・プロムカンプ監督作品という要素を全て抜きにすれば、そこそこなホラー映画としてそれなりに楽しめる映画だったりはしますが。
とにもかくにもこの映画の奇跡的な面白くなさは逆に一見に値するものがあるかと思います。
どちらにしても前述のようなこの映画の特色をある程度理解した上で見るのであれば、そこまでのダメージはないかと思います。
期待度全開で劇場で見てしまったら不幸な事故としか言いようがないかと思いますが。
というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。