メタルマン
どうも、松本13です。今回は映画、『メタルマン』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『メタルマン』は、2008年のアメリカ映画。『アイアンマン』の、いわゆる「パクリ映画」として一部では非常に有名な作品。
【あらすじ】
人畜無害な大学生カイルは、頭のおかしな科学者ブレイク博士の実験の為にメタルマスクをかぶることに。しかし紆余曲折あり、そのマスクを二度と外す事ができなくなってしまう…
この映画は一見してわかる通り、『アイアンマン』のパクリ映画です。
もちろん中身は別物。
Z級映画にありがちな、パッケージだけ寄せただけのクソ映画。
個人的に映画について語る際、クソ映画のような極端な表現を用いることには慎重になりたいタイプなのですが、この映画に関しては問答無用のクソ映画と言っても過言ではないかと思います。
とはいえこの映画は単なるクソ映画というわけではなく、クソ映画としてはかなりの名作。
名作クソ映画という謎概念な映画です。
普通に見たらこの映画は文句のつけようのないレベルのクソ映画、というよりも文句のつけどころしか見当たらないような映画なのですが。
ただネットの一部で擦られまくった結果、1周回って面白い、もしくは2周3周回って面白いくらいのネタ映画として、今ではかなり高い知名度を誇っています。
一部世代や一部界隈では一般教養レベルに有名だったりします。
実際この映画、ネタ映画として見たらめちゃくちゃ面白いんですよね。
何の予備知識もなしにこの映画を見たらとても見られたものじゃないのですが、ある程度の予備知識やネット上の語録などを踏まえてみると本当に抜群に面白い。
それはこの映画そのものというより、ツッコミや語録など、この映画をネタ映画として見出し、成立させた人のセンスによるものだと思いますが。
そういうスタンスでこの映画を見てみるとなんか妙に癖になるんですよね。
たまに無性に見たくなるというか。
とにかくツッコミどころしかない映画なので、見るたびに新たな矛盾点を見つけられるという新鮮さもあります。
諸々の予備知識や語録などで補填した後に見てみると、ストーリーも結構面白いんですよね。
マッドサイエンティストによって一生脱げないヘルメットをかぶらされ、砂糖水しか摂取できない体になってしまい、両親も殺され、ヘルメットにはマッドサイエンティストの人格を反映したAI内蔵で何もかもが筒抜け。夢の内容さえも。しかもそれらはオフにできないという地獄の地獄。
そんな不憫な主人公の大学生がこれまたいいキャラしているんですよね。この映画唯一の良心と言うか。
言動がいちいちまともなので、彼の言動自体がこの映画に対するツッコミとして機能していて、本当に面白い。
そんな主人公のツッコミに対しての最大のボケというか、この映画最大の害悪であるマッドサイエンティストが、これまたとんでもないキャラをしているのですが。
すでに多数の語録があるので知っている方も多いかと思いますが、言動がとにかくサイコパス。
「本当に申し訳ない」はこの映画を代表する名言としてとても有名です。
その他にも喉の調子が悪いのか、物語が進むにつれどんどんガラガラになっていく声優の声とか、近くに巣でもあるのか鳥の鳴き声がやたらピヨピヨうるさいシーンとか、この映画にしては割と力の入った白熱のバトルシーンの舞台がなぜか牧場で所々に牛が入り込んできたりとか、見所は満載。
間違っても普通の映画としては見れたものではないですが、ただクソ映画としては相当に有名な作品なので、一昔前のインターネット文化の資料として一度は見ておいてもいいんじゃないかと。
この映画が制作されたのは2008年。当時はまだサメ映画という概念が今ほど一般化する前の時代だったので、この映画のクソさというのはかなり際立っていたのですが。
サメ映画の氾濫した今となっては場合によってはちょっとまともに見えてしまったりもするのだから、とんでもない時代になったものだと思ってしまったりもします。
サメ映画というジャンルの始まりには諸説あるかと思いますが、私の中では2013年の『シャークネード』からという認識です。
昨今のZ級な、もしくはそこにすら達していないサメ映画はともかくとして、シャークネードに関してはメタルマンよりずっと面白い映画かと思いますが。
シャークネードはいろいろと荒い部分はあるものの、映画としては普通に面白かったりするので。
そういう良作サメ映画くらいの感覚で見るとこの映画はかなり厳しいかと思います。
サメ映画感覚で見るのであれば、上層ではなく下層の方のイメージで見るのが適切かと。
そのくらいの感覚で、ある程度の予備知識を持って見ればこの映画はとても面白い映画だと思います。
そういうネタ要素に加えて、この映画は何だか妙なノスタルジーもあったりするんですよね。
2000年代の、今のように気軽にネットで映画を見ることができなかった時代。
無料で見れる映画と言ったらYahoo動画(GYAO)くらいで、客寄せパンダ的な有名作品数本を見てしまうと残っているのは見たことも聞いたこともない監督やキャストなのに、タイトルだけは妙に聞いたことがあるような怪しい映画しかなくて。
ビデオをレンタルするにも給料日前で金がないとか、夜遅くですでに店が閉まっているとか、そのような事情でこの地獄のラインナップと何とかやっていくしかないみたいな。
今よりも映画に関する選択肢が大分少なかった時代のちょっとしたノスタルジーのような、実家のような絶望感を味わえたりもします。
ちなみに上述の諸々については吹き替えで見た場合です。字幕で見ると言葉の壁すら超えた演技の酷さが伝わってきてしまう可能性があるのでご注意ください。
この映画に限らず、クソ映画って吹き替えでかなり救われている部分があると思うのですよね。
その部分で演技の酷さは大分カバーできるので。
色々終わっているクオリティなのだけれど、吹き替えだけはまともみたいな、クソゲーだけどBGMだけはまともみたいな、そういうミスマッチ感がクソ映画のある種の魅力でもあったりすると思うのですが。
邦画のクソ映画にしても、もし吹き替えで演技の酷さをカバーできるなら、かなり楽しめるような映画ってたくさんあると思うんですよね。
というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。