犬王


どうも、松本13です。今回は映画、『犬王』についてです。



まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『犬王』は、2022年の日本の長編アニメーション映画。監督は湯浅政明。


【あらすじ】

室町時代の京都。猿楽の一座である比叡座に生まれた犬王は、盲目の琵琶法師の少年と出会う。すぐに意気投合した2人は手を組むことにし、やがて互いの才能を開花させていく…


この映画の興行収入は3億5000万円。


この数字が爆死レベルであるかどうかは分かりませんが、少なくとも良くはないということは確かかと思います。


ただこの数字の比較対象として100億超えのワンピースや新海誠監督作品を引き合いに出すのはちょっと酷かと思います。


近年は化け物級のヒット作が多い国産アニメですが、100億ってそう簡単な数字じゃないと思うんですよね。


とはいえ数字的には成功したとは言い難い今作。


批評的に見たらどうかと言ったら、その部分も手放しに成功したとは言い難いかと思います。


肯定的なレビューもそれなりにはるのですが、「意味不明」、「つまらない」、「退屈」などというレビューも多々あったり。


とはいえそのような否定的なレビューが出てくるのも仕方がないかなと。


このアニメはミュージカルアニメなんですよね。


その部分を知らないでこの映画を見た人も結構多いんじゃないかと。それこそクレヨンしんちゃんの監督だから、みたいなうっすらとした知識で、もしくは誰かに連れられてとか。


ミュージカルって好き嫌いが激しく別れるジャンルですからね。それこそ興味のない人にとっては退屈に他ならないかと。


この映画の評価がいまいちなのはその部分のミスマッチによるものが多いんじゃないかと。作品の質云々というより。


それに加えてこの映画は湯浅政明監督作品。


湯浅政明監督と言ったら一般的にはクレヨンしんちゃんの監督として有名かと思います。


私個人としては、湯浅正明監督はトリップムービー的な表現をよく用いる監督として認識しています。


押井守や今敏、中村隆太郎など、トリップやオルタナティブな表現を得意とする監督のアニメ作品が私はとても好きなのですが。


あくまで私個人の趣味の問題ではあるのですが、湯浅政明監督の作品に関してはちょっと苦手な物もあったりします。


作品の質はもちろん素晴らしいのですが、感覚的にちょっと相容れない部分がありまして。


なので湯浅政明監督作品に関しては、監督の作家性が前面に出た作品より、ある程度原作要素が強い作品の方が好きだったりします。


『ねこぢる』とか『クレヨンしんちゃん』とか『デビルマン』とか。


そういう世界観のしっかり構築された作品から見え隠れする湯浅政明監督の作家性というのは、むしろとんでもなく素晴らしく、『ねこぢる草』などはトリップムービーとしてもアニメ映画としても私のオールタイムベスト上位に入るくらい好きな作品です。


そんな良くも悪くも作家性の強い湯浅政明監督による今作。


ちなみに原作は古川日出男による小説。


この古川日出男という人も、これまた相当に作家性の強い小説家でして。


ちょっと私の感性ではついていけないな…なんて作品も多々あったり。


そんな作家性ゴリゴリの原作や監督によるこれまた見る人を選ぶミュージカルアニメ。


その部分を理解しないで見てしまうと、「意味不明」、「退屈」、「つまらない」と感じてしまうのも仕方が無いかと思います。


原作にしても監督にしてもジャンルにしても、私はもう端から理解することを諦めていたので、全力で置いていかれる感を楽しむことができました。


その手の全く理解できない作品というのも、それを前提として見れば結構楽しめたりします。


美術館で絵画を眺めるような感覚で。


ただ作品後半の長時間にわたるミュージカルシーンに関しては正直ちょっときつかったです。


作家性に関してはともかくその部分についてはちょっと想定外でした。思ったよりも大分きつかったです。


ミュージカル映画としては待ちに待ったメインディッシュなのかもしれませんが、苦手な人にとってはかなりきついかと。


とはいえ私個人としては湯浅正明監督のアニメでもなければ、ミュージカル映画を見ることなんてまずないので、そういう意味ではとても貴重な経験でした。


この映画は監督にしても原作にしてもジャンルにしても、見る人を激しく選ぶ作品かと思いますが、ただ刺さる人にはとてつもなく深く刺さる作品ではあるので、そういう意味では一度通っておいても損はないんじゃないかなと思います。


湯浅政明作品にしても古川日出男作品にしてもミュージカル映画にしても好きな人は本当に好きですからね。


というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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