さよならの朝に約束の花を飾ろう
どうも、松本13です。今回は、『さよならの朝に約束の花を飾ろう』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『さよならの朝に約束の花をかざろう』は、2018年の日本のアニメ映画。監督・脚本は岡田麿里。
【あらすじ】
10代半ばで外見の成長が止まり、数百年生きるイオルフの民。そんなある日、僻地で暮らす彼らの平穏が、その長寿の血を狙う異種族に壊されてしまう。混乱の中を逃げ延びたイオルフの少女は、やがて森で人間の赤子を発見し、その子を育てる決意をする…
この映画、本当に素晴らしい映画でした。
ちょっと言い方に語弊があるかもしれませんが、一般大衆娯楽映画としての100点満点みたいな、そういう正しい映画を見て正しく感動できたなみたいな。
そんな満足感を得られた映画でした。
個人的な100点満点ではなく、自分の中のある程度フラットな尺度での100点満点をつけられる、そういう映画って実際そうはないと思うんですよね。
個人的に好きな映画でも万人向けではない故、そこまで大っぴらにプッシュできないみたいな映画が私の中には多々あるのですが、この映画はもう誰にでもおすすめできるタイプの映画かと思います。
面白いとか最高だとか、そういう類ではなくめちゃくちゃいい映画。そしてめちゃくちゃいい映画を見た気分にさせてくれる映画です。
そして最高に泣ける。
と言うとちょっと拒絶反応が出てしまう人もいるかと思うのですが。
私もどちらかというとそういうタイプです。「あー泣ける映画とかそういうのいいんで」みたいな。
しかもこの映画、ビジュアルが見方によっては結構不穏だったりするんですよね。
なんかパッと見のビジュアルが、いわゆる「なろう系」とか異世界転生ものっぽいですし。
その手のジャンルにも素晴らしい作品は多々あるのですが、ただ粗製乱造されまくっているジャンルゆえ、作品の取捨選択ってめちゃくちゃ重要だと思うんですよね。
それと見用によっては、君の名はの大ヒット以降にこれまた粗製乱造された、ガワだけ新海誠アニメに寄せただけの、アニメとしてのクオリティはそれなりに高いけど作品としては微妙な高品質な駄作とも取れますし。
なので私としても、まあなんかなろう系とかによくある西洋っぽい雰囲気のティッシュみたいな名前の登場人物がいっぱい出てくる感じで、ただ評判聞く限りアニメとしては当りの部類ではあるだろうからとりあえず見ておこうかなと。
それくらいのノリだったのですが。特にここ数年なろう系アニメにしても新海誠のバッタもんアニメにしても、かなりハズレを掴まされていたのもあり、割と斜に構えている部分もあったりしたのですが。
開始15分で早くも泣いてしまいました。
マジで15分で泣きました。あまりにも泣いたのが早すぎて時間確認したのですがマジで15分でした。
そしてそこから最後までほとんど泣いていました。
これは決して大げさではなく、上映時間の6割7割は泣いていたんじゃないかと。
ただこの映画、別にそこまでお涙頂戴な映画ではないんですよね。
まあ、あらすじでわかる通り結構泣ける話ではあるのですが、とはいえその程度の話なんて今どき珍しくもありませんし。
ただなんて言うか、そういう感じの涙ではないんですよね。
なんか心を妙に揺さぶられるというか。
普段全く鍛えていない部分に絶妙に作用してくるというか。
泣ける映画と言われると拒絶反応を示してしまう人って私も含め結構いると思うんですよね。
泣く気満々でこの映画を見るならともかく、むしろ泣いてたまるかくらいのスタンスで見ている人間さえも泣かせてしまう、この映画にはそれくらい作品としてのパワーがあると思います。本当にとてつもない作品です。
それもそのはず、この作品の監督は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を書いた岡田麿里。
そりゃ泣けるわけだよなと納得。
多くの人と同じように、私もあの花ではもうめちゃくちゃ泣きました。本当にゲロ吐くんじゃないかというくらいの号泣でした。
ただあの花の時も、「いや、こういうアニメじゃ泣かないんだよね。私のツボは未来から来たサイボーグが溶鉱炉に沈むシーンとかそっち方面だから」とか思っていたらもう枕カバーがびしょびしょでした。
そして泣きはらした目で、近所のスーパーにサッポロ一番塩ラーメンを買いに行ったのでした。
ただ、あの花についても今作についても別にお涙頂戴の感動ポルノってわけじゃないと思うんですよね。
涙ってあくまで副産物で、それ以前に作品の質が恐ろしく高いんですよね。だから余計に泣けてしまうのですが。
岡田麿里作品って泣けるのが売りみたいなところがありますが、涙は本当に副産物。作品としての素晴らしさはそれ以外にも多々あるんですよね。
ただちょっとその部分がうまく言語化できないようなものであったりして、その中で唯一簡単に言語化して伝えられるのが泣けるという部分なだけで。
とはいえあの花の涙って割とわかりやすい涙ではあったりしたのですが。
この作品の涙はちょっと言葉にはできないような妙な涙だったりします。
この作品のビジュアルにしても、泣けるアニメみたいな評価についても、「ちょっとそういうのいいから」と引いてしまう人も結構いるかと思うのですが。
ただこの映画は、どのようなスタンスを持って見ても十分に満足できる作品ではあると思うので、一度は見ておいても損はないかと思います。
映画としてもアニメとしても相当にレベルの高い作品ですし、この作品の心が妙に揺さぶられる感じというのは他の作品では代替の効かない唯一無二のものだったりするので。
映画において「涙腺崩壊」というキーワードを使うことは個人的には可能な限りしたくないタイプなのですが。
「涙腺崩壊」とか「○回泣ける」みたいな押しつけがましい言葉ってむしろ作品を貶める効果しかないと思いますし。
そんなスタンスの私ですら、この映画にはちょっと涙腺崩壊という言葉を使いたくなってしまいます。
本当に涙腺崩壊という言葉がぴったりくるくらいにずっと涙が出っぱなしでした。
とにかくこの映画でしか味わえない、言葉にできない感覚が多々ある映画なので、映像体験として一度は通っておいても絶対に損はない作品かと思います。
この映画を見て1滴の涙を流さず何も感じなかったとしたらそれはそれでかなり貴重な経験かと思いますし。
本当に全方位に向けて声を大にしておすすめしたい映画。
そしてそう言われれば言われるほど拒絶反応が出てしまう人にこそ見てほしい映画です。
というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。