男はつらいよ お帰り寅さん



どうも、松本13です。今回は、『男はつらいよ お帰り寅さん』についてです。


まずは簡単な概要とあらすじから。


【概要】

『男はつらいよ お帰り寅さん』は、2019年12月27日に公開された日本映画。映画『男はつらいよ』シリーズ50周年記念作品であり通算第50作目。


【あらすじ】

柴又の帝釈天。かつて参道にあった団子屋はカフェになっていた。人々は車寅次郎の甥・満男の妻の7回忌で集まり、昔を懐かしむ。そんなある日、会社勤めの身から小説家に転身した満男は、最新作のサイン会で初恋の人と再会する…


誰もが知る名シリーズの22年ぶりの正統続編!オリジナルキャストが再集結しての完全新作!


そうなったらもう期待しかないわけでして、そしてその期待ゆえにこの作品は私にとって、とても残念な作品となりました。


映画としての質が決して低いわけではないかと思います。ただ本当に私が期待しすぎてしまったと、それだけのことだと思います。


ただ個人的には、ここまで過剰な期待をさせた責任はそちらにもあるのだから、もう少しこっち方面へのサービスがあってもいいんじゃないか?というのが正直なところです。


22年ぶりの正統続編なのだから、ファンサービスたっぷりのお祭り映画になるのかなと思っていたら全然そんなことはなかったんですよね。


この映画に作品としての欠陥があるというわけではありませんが、ただこの作品に一部ファンが望む要素については全く叶えられていなかったんじゃないかなと。


詳細はネタバレになるので控えておきますが、『男はつらいよ』正統続編という部分にはあまり期待をしない方がいいかと。


これは完全な私個人の愚痴なのですが。


オープニングの男はつらいよのテーマは、桑田佳祐ではなく渥美清のオリジナルバージョンにして欲しかったです。


桑田佳祐バージョンがダメというわけではないのですが、それはエンディングの方でいいんじゃないかと。


いや、理屈としてはわかるんですよ。


超大物アーティストで寅さんファンでもある桑田佳祐が寅さんのコスプレをしてオープニングを歌うってとてもすごいことだと思うんですよね。


ただ本編には全然関係ないわけですし、それって映画の外の桑田佳祐というアーティストありきな話だと思いますし、知らない人にとっては「誰?」って話ですし。


まあとはいえお祭り映画としてはこういうノリもありだと思うんですよ。むしろそういうノリ大好きですし。


こういう往年のシリーズファンとか、ある程度年齢いった人にしかわからないようなある種の内輪ネタみたいな、そういうの全開のお祭りノリで始まったのなら実際の本編もそういう内容にして欲しかったのですが。


内容は全然そんなことないんですよね。


この映画、過去の男はつらいよと共に、いつの時代の何を思い浮かべるかによっても感想は違ってくるかと思います。


やっぱり男はつらいよって、見るとどこかしらの時代や誰かしらの存在や何かしらの状況を思い浮かべたりすると思うんですよね。


私個人としては男はつらいよと言ったら、「ザ・昭和」な感じでして、そして自分たちより上の世代の人々のことを思い出したりするのですが。


平成という時代に男はつらいよの昭和を見て育った世代としては、なんだかめちゃくちゃ寂しい気持ちになったんですよね。


私じゃなくてもこの作品にノスタルジーを求めた人って結構多いと思うんですよね。昭和の再来みたいな。


ただ今作はその手のノスタルジーがほとんどないんですよね。皆無とは言いませんが。


それに今作、作風自体もそこまで明るいものではありませんし。


というか男はつらいよ自体が別にそこまで明るく楽しい話じゃないんですよね。


思い込みの激しい中年フリーターが美人相手に勘違いしていい気になるもフラられて終わりみたいな。


言ってしまえばそれだけの話だったりするのですが。


ただそれだけの話で終わらないのはやはり渥美清大先生による寅さんというキャラクターあってのことだと思うんですよね。


ほんとそれと同じ話を別なキャラクターでやったら相当に暗い話になると思うんですよね。


今作は、そんな寅さんの不在をめちゃくちゃに感じさせる作品でした。


今作が寅さんの存在をないがしろにしてるわけじゃないんですよね。むしろめちゃくちゃ大切にしてる。だからこそ余計に不在の寂しさが際立つというか。


それに加え昭和の映画ということもあり、オリジナルキャストの多くはすでに鬼籍に入られています。


その部分の寂しさもあったり。


かつてのオリジナルキャストが元気だった頃をリアルタイムで知っているのでその不在が余計に堪えるんですよね。


そんなこんなでこの映画、私にとってはただ寂しいだけで終わってしまった残念映画でした。


しかも相当に過剰な期待をしたのでかなりのダメージを受けてしまいました。


ただ本当に映画としては悪くはないと思うんですよね。


むしろ期待する方面によってはこの映画、かなり評価が高くなるんじゃないかと。


前述のような部分に不満を感じたファンって私だけでなく、この映画に関する否定的な意見って決して少なくはないと思うのですが。


ただ今作、『男はつらいよ』ではあると思いますし、正統続編でもあると思うんですよね。


そもそも男はつらいよの直近の数作って、寅さん演じる渥美清の体調が思わしくなかったこともあり、甥っ子である満男が主人公の作品が多かったんですよね。


寅さんはフェードアウト気味。


なので時系列順に見ていったとしたら今作の作風も別におかしなことではないんですよね。


すでにこういうノリって昔からあったので。


今作における満男のエピソードや初恋の相手の泉ちゃんなどに関しても、これまた賛否は別れるところかと思いますが、個人的には大いにありだと思います。


まあ満男君も昔はめちゃくちゃ色々あったんですよね。そして泉ちゃんがもこれまた可哀想な女の子で。


そんでもって紆余曲折あって結ばれるわけなのですが。


そんでもってめちゃくちゃ初々しいキスをしていたあの二人が、もういい歳の子供のいる年齢にもなって再会するわけなのですが。


本当にその部分に関してはめちゃくちゃ素晴らしいと思います。


ただやはり寅さんがいないとこの手のエピソードって暗くて寂しいだけの印象が勝ってしまう部分があるんですよね。


シリーズを全て時系列順に見た上で今作を見れば、本当にそこまでおかしな話ではないと思いますし、これにて完結と言われてもそれなりには納得できるとは思います。


ただ寅さんってめちゃくちゃ作品の多いシリーズ。なにせギネスに乗っているくらいですから。


それを時系列順に見た上で、というのもちょっと無理な話なんじゃないかと。


実際この映画を、平成に公開された満男が主人公である作品のイメージを持って見に行った人ってそこまで多くはないかと思うんですよね。


直近にテレビで放映なり何なりで見た昭和作品のイメージそのままで見に行ったという人がかなり多いんじゃないかと。


そもそも寅さんって、そういう時系列あんまり関係ないところが作品の魅力だったりしますし。


何時、どのエピソードを見ても、いつものメンバーがいつものやり取りみたいな、そういう様式美が寅さんの大きな魅力だったと思いますし。


まあその部分に関してはシリーズに対しての解釈にもよるかと思いますが。


とはいえこの映画が別にそこまでおかしなことをしている訳では無いかと思います。


この映画に感じた個人的な不満点の多くは、「ちょっと期待する方面を間違えてしまったかな?」で片付けられるのですが。


ただ今作のタイトルの、「お帰り寅さん」はないだろうと。その部分だけがちょっと個人的に納得できない部分だったりします。


タイトルがお帰り寅さんでなかったら多分ここまで残念な作品にはならなかったと思うんですよね。


お帰り寅さんと言っておきながら内容は寅さんの不在をこれでもかというぐらいに感じさせる内容。


「寅さんはあなたの心の中にいるんです」みたいな理屈もまあわからんではないのですが。


ただ22年ぶりの完全新作!令和の寅さんと言われたらまあCGか何かでどうこうとか、そういうサプライズを期待もしちゃうじゃないですか。


そういうファンサービスがちょっとくらいはあってもいいじゃないですか。


いや、桑田佳祐のコスプレ歌唱も全然いいんですよ。ただ求めてるのはそういうのじゃないんですよ。


この映画のタイトルがもう少し違ったものだったら私もここまでの期待をしなかったと思うんですよね。


それにそういう部分で、もう少しうまいことやっていたとしたら、この映画本当に大成功したと思うんですよね。


ぶっちゃけこの映画、成功したとは言い難い部分は多々あると思うので。失敗まではいかないながらも。


ただこの映画から寅さんに入ったとか、寅さんを1回も見たことがなかったけどこの映画はとても良かったとか、この映画が男はつらいよシリーズの新たな入り口になっている部分もあるので。


そういう意味ではめちゃくちゃ意義のある作品なんじゃないかなと思います。


男はつらいよってめちゃくちゃ面白い映画なんですよね。ただ古い時代の日本の映画ということもあり、ちょっととっつきづらい部分もあると思うんですよね。


実際私も子供の頃はそんな感じでしたし、むしろ金曜ロードショーで来週はスピルバーグファンタジーでもなく、筋肉アクションでもない、男はつらいよですよと予告が流れるとちょっと残念な気分になったりしたのですが。


ただ何かのきっかけに本編通して見てみるとめちゃくちゃ面白いんですよね。


興味のないうちは、「今日は映画を見るぞ」という日に、男はつらいよをあえてチョイスするということはないかと思うので、テレビ放送とか何かのタイミングで偶然見てみたいな、本当にタイミングやきっかけだと思うんですよね。


そういう意味でも今作は本当に意義のある作品だと思います。


作品としてもとても素晴らしいものですし。


ただ時系列とかそういうことを考えないふわっとしたイメージて、男はつらいよの正統続編として見るとちょっと期待外れかもしれないので、


感覚としてはスピンオフ作品ぐらいで見るのがいいんじゃないかと。


本当にこれがテレビスペシャルとかスピンオフとかだったらめちゃくちゃ名作だと思うんですよね。


とにかく昭和の寅さんみたいな期待さえしなければ普通に楽しめるんじゃないかと思います。


平成の直近の寅さんの、その後の話くらいのスタンスで見れば。


昭和と平成の寅さんの違いがわからない人は、ひとまずちょっとしたスピンオフくらいの感覚で見た方がいいんじゃないかと。


というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。



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