寄生獣
どうも、松本13です。今回は、『寄生獣』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『寄生獣』は、岩明均の同名漫画を原作とする日本映画。監督は山崎貴、主演は染谷将太。
【あらすじ】
地球に突然、謎の寄生生物「パラサイト」が出現。それは知性を持ち、人の脳に侵入して体を乗っ取り、他の人間を捕食する。人知れずパラサイトが増殖していく中、ごく普通の高校生・新一に潜り込んだパラサイトは脳への侵入に失敗し、右腕に居座ってミギーと名乗って彼に共存を持ちかける…
この映画、個人的にとても好きな作品です。
寄生獣のコミックに関しては、比較的リアルタイムに近いタイミングで愛読し、長年にわたり何度も読み込んできたので、どちらかといえばガチ層のファンであるかと思います。
そんな私個人としてはこの作品かなりの良作だと思っています。
傑作実写と言ってしまってもいいくらい。個人的にはかなり高評価です。
もちろん問答無用の名作とは言い切れませんし、やはり長年原作を読み込んできたファンとしては思うところは多々あったりもするのですが。
ただコミックの実写化という時点で完璧はありえないと思いますし、この映画を否定するファンの意見はごもっともだと思うのですが。
個人的にこの映画の批判的レビューってめちゃくちゃ読んでいて興味深いです。
割とガチ目のファンがガチ目の批評を本気で行っているんですよね、
そういう部分は読んでいて本当に興味深いですし、1ファンとして非常に勉強になる部分も多いです。
この作品の批判的レビューに読み応えがあるものが多いのは、この作品に地雷キャストがいないからというのもあると思うんですよね。
邦画、特に実写映画にありがちな演技がちょっとアレなキャストの起用みたいな、そういう地雷要素がこの映画に関してはないんですよね。
だから批判的レビューの大半はキャスト批判ではなく、内容に言及したもので、だからレビューも読んでいてとても興味深いものが多いんですよね。
この映画、本当に地雷キャストの無さという部分に関しては個人的にはかなりの高評価です。
とはいえ主要3キャスト、主人公である新一、ミギー、そしてヒロインである里美のキャスティングについては公開前からかなりよろしくない意味で話題になってたかと思います。
ただ公開からある程度時間が経ち、脊髄反射的な原作ファンならではの拒絶反応みたいなものも落ち着いたあたりで、まあそういうものだ、と思って見てみると思ったよりも悪くはないんですよね。
むしろ個人的には全然ありだったり。
最初はもう本当にこれじゃない感満載で、私としても見ていてかなりきつかったのですが、ふと気がつくと全然違和感は感じなくなっていたり。
原作とは似ても似つかない見た目ながら、ただ一つの方向性としてこれはこれでかなりありだと思います。
特に新一や里美の作中での印象的な言動の演じ方は本当に素晴らしかったです。
これ、ちゃんと演技をできる人が、ちゃんと役をものにできていないとできない演技だと思うんですよね。
ありがちなクソ実写だとこれじゃない感に加えて目も当てられないひどい演技というダブルパンチだったりするのですが。
この映画に関しては学芸会要素は一切なし。演技に関してのツッコミどころみたいなのは本当に皆無。
ルックスとしては、この人の方が良かったんじゃないか、みたいに思う部分は多々あったりするのですが、ただ実際の演技を見た後だと、じゃあ他のキャストになったとして、これだけの演技ができるのか?と言ったらちょっと微妙なところだったり。
とにかく脇役を含め、本当にキャスティングについては素晴らしい作品なんじゃないかと。
脇を固めるのは邦画としては超がつくほどの豪華メンバー。そんなメンバーに囲まれてもなお食われることなく浮いたりもしていない主役とヒロインの演技力はさすがだなあと。
これだけの演技をできるキャスティングの選択肢が他にあるかと言ったらちょっと私個人としては思いつかないんですよね。
そういう意味では主人公とヒロインに関してはこれが最良の選択肢だったのかもなんて思ったりもします。
ここで今話題のアイドルを起用して爆死なんて可能性も十分にあり得たわけで。
なのでキャスティングについては本当に高評価です。
ミギー役の阿部サダヲについても見る前は絶対にないだろうと思ったのですが、見てみると思ったよりも悪くなかったり。
おそらく原作ファンであればあるほどこの作品ってマイナスの印象から見ると思うんですよね。
だから妙にプラス加点されていって結果的に結構高評価になるみたいな。
そういう性質って結構あるんじゃないかと。
前述のキャストも含め、この映画ってマイナス要素がほとんどないんですよね。
本来ならマイナスになる部分でめちゃくちゃうまくやっているんですよね。
そもそも原作ファンならミギーの声が阿部サダヲという時点で相当な悪印象かと思うのですが、絶対的な期待を持ってみたのなら分かりませんが、最低最悪の印象から見始めると意外と許容範囲なんじゃないかと。
主人公サイドはそんなあれこれがあったりしますが、寄生獣サイドに関しては本当にもうパーフェクトなんじゃないかと。
キャスティングに関しても演技に関しても、もうめちゃくちゃ素晴らしかったです。
それとこの映画に関して個人的には原作改変要素に関してもかなり高評価です。
漫画実写化においてある意味一番の地雷になりやすい要素だったりするのですが、個人的にはこの映画における原作改変要素はめちゃくちゃ好きです。
もちろん評価が分かれる部分ではあったりするかとは思うのですが、ただ原作のすべてを二本の映画にまとめるという上では本当に素晴らしい仕事なんじゃないかと。
それくらいの名改変だと個人的には思いますし、エピソードの取捨選択についてもめちゃくちゃうまいなと思ったりします。
原作改変って個人的にはあまり好きなものではなかったりするのですが、ここまで好印象を持てる原作改変というのも本当になかなかなかったりします。
もちろん個人的には削って欲しくないエピソードも多々あったりしたのですが、ただ二本の映画にまとめるということを考えると致し方なかったんじゃないかなと。
全てのエピソードを織り込んだ三部作という選択肢もないわけじゃないかと思うのですが、ただこの時代に、ただでさえ風当たりの強い漫画実写化映画の三部作って相当にリスキーだと思うんですよね。
この映画が公開されたのは2014年。
伝説のクソ映画『デビルマン』はまだ10年前、これまた駄作と名高い『ガッチャマン』が公開されたのは前年という状況。
実写化邦画への風当たりって今とは比べ物にならないぐらい強かったと思うんですよね。
私個人としてもリアルタイムではとても見る気になりませんでした。
個人的に漫画実写化は積極的に見たい方ではなく、上述のように当時はまだ実写化邦画についてのいい印象は皆無だったので。
なおかつ主人公側のキャスティングについての印象もよくはありませんでしたし。
山崎貴監督についても同様。
個人的に当時は山崎貴監督と言ったら実写版『ヤマト』の監督といったイメージでした。
実写化邦画=クソと言っても大げさではないくらいのご時世であった当時に、実写化映画しちゃいけない漫画の筆頭格と言っても決して大げさではないレベルの超名作を、実写版ヤマトの山崎貴監督が、となるとなかなか前向きな期待を持てなかったりするのですが。
ただ公開から時間が経ち、素晴らしい内容の実写化映画も多々公開され、それより何よりあの『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督作品、なんて言うと手のひらを返したようで恐縮なのですが。
とはいえゴジラ-1.0で綺麗に手の平を返した特撮ファンというのは私も含め、結構いると思うのですよね。
そんなこんなでこの映画に対しての印象って、当時とは比べ物にならないくらいいいものになっていると思うんですよね。
アニメ版やドラマ版なども制作され、数ある派生作品のうちの一つくらいの感覚で、そこまで期待値を上げずに見るのであれば十分に見るに値する作品かと思います。
個人的には本当に地雷要素の皆無な素晴らしい映画だと思いますし、もちろん人によってはちょっと違うなと思う部分もあったりするかとは思うのですが。
ただ映画としての質はめちゃくちゃに高いかと思うので、ある程度寛容なスタンスで見るのであれば、おそらく大抵の人にとっては「これはこれであり」くらいにはなるんじゃないかと。
特にこの作品、原作ファンであればあるほどマイナスの印象から見ると思うので、作中の多くの加点要素の影響で思わぬ高評価となる場合もかなりあるんじゃないかと。
それにこの映画ってある程度寛容なスタンスでの原作ファン目線というのが一番楽しめると思うんですよね。
ストーリーについてもキャスティングについても。
原作を知らないと楽しめないというわけではないかと思うのですが、とはいえパッと見の印象だとちょっとしたジュブナイルものや、場合によってはガチなホラーとも見れたりするので、期待する方向によってはちょっと肩透かしな内容だったりしますし。
そういう意味でも原作を熟知している人がこの映画を一番楽しめるんじゃないかと。
CGについてもあれこれ言われていたりはしますが、個人的には許容範囲内だったり。
少なくともひどくはないかと。
個人的にはCGについてはかなり寛容なスタンスです。よほどひどくない限りは許容範囲内。
それに穿った見方をすればGGっていかようにでもひどく見えたりしますし。それは別に邦画に限ったことではなくハリウッド映画も同様。
ハリウッド映画でもひどいものは多々あったりしますし。
これは個人的評価ではありますが、同じく実写であるドラマ作品のパラサイト同士の格闘シーンって、全身を駆使して頭をブンブン振り回すような動きに妙に違和感を感じてしまうんですよね。
個人的に寄生獣の格闘シーンって変形したパラサイトがメインで体はあくまでもおまけの棒立ち状態というイメージがあるので。
そういう意味ではドラマ版よりこちらの方が好きだったりします。
とにかく公開された時代や諸々の印象などで、この作品にあまり良い印象を持っていない人もそれなりにいるかとは思うのですが。
ただこの映画、ありがちなクソ実写では間違いなくないかと。
めちゃくちゃしっかり作りこまれていますし、キャストの演技も素晴らしいですし、映画としての質はかなり高い作品ではないかと思います。
本当に鑑賞ストレスになるような地雷要素はほとんどない映画なので個人的にはめちゃくちゃおすすめです。
あえてこの映画をスルーしている原作ファンて結構いると思うんですよね。そういう人にこそめちゃくちゃ見て欲しい映画だったりします。
ある程度寛容なスタンスで見れば決して悪くはないはず。
もちろん原作の解釈や愛着によってはちょっと違うだろうと思う部分もあったりするかとは思いますが、それはそれで貴重な映像体験かと思いますし、この映画の解釈もこれはこれでありかと思いますし、原作改変要素も映画として必要なものだったりすると思うんですよね。タレントの所属事務所やらなにやらへの忖度とかそういうのではなく。
今でもそこまで評価の低い作品ではないかと思うのですが、ただ公開された時代が時代だった故に脊髄反射で叩かれていたり、そもそもスルーされていたりといったことも多々あるかと思うので、この映画本当にもっと多くの人の目に触れ、評価されてもいいんじゃないかと個人的には思います。
ただ私がこのような感想この映画に持てるのも、公開からある程度時間が経って分別を持ってこの映画を見たからであって、この映画をリアルタイムで見たとしたら同じ感想を持てたかと言ったらおそらくはそうではないかと思いますが。
原作愛があればある人ほどスルーしているという作品の性質なども踏まえ、だからこそ余計に色々な人にめちゃくちゃオススメしたい映画だったりします。
本当に見て損はない一見の価値はある作品なんじゃないかと。
決して完璧な寄生獣の実写化映画というわけではないかと思いますが、とはいえ現実的な部分を考慮すると、これ以上の実写化映画ってなかなか難しいと思うんですよね。
むしろこれ以下の駄作となる可能性の方が十分に高かったわけで、にも関わらずここまでの作品に仕上げたのは本当に素晴らしいと思います。
というわけで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。