寄生獣 完結編
どうも、松本13です。今回は、『寄生獣 完結編』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『寄生獣 完結編』は、岩明均の同名漫画を原作とする2015年の日本映画。実写二部作の後編にあたる。監督は山崎貴、主演は染谷将太。
【あらすじ】
新一の暮らす街では、市長を中心としたパラサイトたちの強大なネットワークが形成されていた。一方、人類側はパラサイトせん滅の策を練っていた。双方から危険視される新一とミギーは、その戦いに巻き込まれていく…
個人的に、特に邦画における漫画やアニメの実写化に関しては懐疑的なタイプなのですが、実写版寄生獣に関してはめちゃくちゃ好きです。
実際に見る前は、多くの原作ファン同様、特に主人公サイドのキャスティングについて思うことは多々あったのですが、実際に見てみると思ったよりも全然違和感がありませんでした。
序盤はやはりこれじゃない感は否めないのですが、実力派キャストが演じているだけあり、見ていると本当に違和感がなくなっていくんですよね。
とにかく寄生獣の実写版ってクソ邦画にありがちな演技力皆無な学芸会要素とか無駄な恋愛要素とか事務所への忖度とかそういうものが一切ないんですよね。
ルックス的にはコレジャナイ感満載のキャスティングもあったりするのですが、ただ演技に関しては間違いのないキャストだったりするので実際に見てみると、これはこれで悪くはない、となるんですよね。
この実写版が唯一無二の大正解かと言ったら、そうは言い切れない部分もあったりしますが。
ただ数ある派生作品のうちの一つくらいの、ある程度寛容なスタンスで見るのであれば、おそらく多くの原作ファンにとっては良作の範囲に収まるんじゃないかと。
本当にそれくらい素晴らしい作品だったりします。
原作に対してのリスペクトもファンへの配慮もしっかり感じるし、作品作りに対しての熱意もめちゃくちゃ感じます。
好き嫌いは人によって別れる部分かと思いますが、ただ本当にこの映画はちゃんと作られた映画だと思うんですよね。
そんなこんなで前作は非常に素晴らしかったのですが、原作の全てを二本の映画に収めるゆえ改変されている部分が結構あったんですよね。
ただ実写版寄生獣って原作改変やエピソードの取捨選択がもうめちゃくちゃにうまいんですよね。
本当にその部分は実写化映画屈指のレベルと言っても過言ではないくらいの素晴らしさ。
ただ少なからず原作とは違った流れになっている部分もあったりするので、その部分のしわ寄せが完結編である今作に来るんじゃないか、みたいな不安はあったりしたのですが。
なので一応の警戒をしつつ鑑賞をしたのですが、その部分は杞憂に終わりました。
完結編である今作も前作に負けず劣らずの素晴らしさ。
めちゃくちゃしっかり完結しました。
ひとまず前作を楽しむことができたのであれば、今作も問題なく同じテンションで楽しむことができるかと思います。
原作をうまく改変して、エピソードを切ったり貼ったりの取捨選択をしてここまできれいにまとめたのは本当にすごいなと。
めちゃくちゃ綺麗に収まってるんですよね。
もちろん贅沢を言えば織り込んで欲しいエピソードも多々あったりするのですが、ただその部分を思い切って削除したからこそここまでバランスのいい作品になったんじゃないかなと。
その部分を織り込んだ上での二時間超えの超大作、とか三部作とか、そういう選択肢もあったかとは思うのですが。
とはいえ実写化邦画への風当たりの強いこの時代に、それはかなりリスキーだったんじゃないかなと。
『デビルマン』公開からまだ10年しか経っておらず、数年前には『ガッチャマン』が公開されたばかり。他にも多数のクソ実写が野に放たれました。
この映画が公開された時代って実写化邦画への風当たりやイメージは本当に最悪だった時代だと思うのですよね。
そんな時代に公開された故に過小評価されすぎている部分もあるかと思うのですが、この作品は本当にもっと評価されてもいいんじゃないかと。
特に原作ファンにこそ。
本当にある程度寛容なスタンスで見るのであれば普通に満足できるかと。
あえてこの映画をスルーしている原作ファンにとって、この映画の印象って決していいものではないかと思うのですが、それくらいの印象で見ると、本当に思った以上に悪くはない内容だと思います。その部分は間違いないかと。
本当にこの作品、駄作になる可能性の方が高かったと思うんですよね。
実写化邦画への風当たりも決して弱くはない中、おそらくそれなりのしがらみもあったと思うのですが、そんな厳しい条件の中でここまできれいに物語を完結させたのは本当にすごいことだと思います。
前作までは素晴らしかったけど、広げた風呂敷を上手くたたみ切れずに爆散、みたいな完結編も多々あったりするのですが。
この映画は本当に膝を打つほど上手に完結させてます。
全2部作の後編である今作ですが、ただ単純な前作の続きというわけではなく、今作ならではの見どころというのもありまして。
それが最強のパラサイトである後藤の登場。
その部分は本当に原作ファンであればあるほど盛り上がれる部分なんじゃないかと。
ありきたりな後藤という苗字に特別感を感じるのって多分寄生獣かパトレイバーファンくらいのものですし。
というか原作ファンじゃないと後藤と言われても「誰?」って話ですし。
後編において削除されたエピソードというのも原作ファンにとってはそれなりの賛否両論点かと思うのですが。
個人的にその部分はめちゃくちゃ見たかったエピソードなのでかなり残念ではあったのですが。
ただその部分を取捨選択したからこそ、ここまで綺麗にまとまったのかなと。
逆にそのエピソードを盛り込んでいたらここまで綺麗には収まらなかったと思いますし。
そういう部分の取捨選択のうまさは本当にさすがだなと。
原作ファンとしては見たいエピソードは多々あったりするのですが、ただ寄生獣って話の本筋を食ってしまうような名エピソードが多いので。
ある程度話をコンパクトに落ち着けるのであれば、あえて名エピソードを削るというのも致しかたないことなんじゃないかなと。
全ての原作ファンが満点をつけられる映画ではないかと思いますが、ただ原作ファンであるのならば、個人的に一見の価値のある映画ではあるかと思います。
本当にちゃんと作られた映画なので。
原作へのリスペクトと作品作りへのパッションを本当にひしひしと感じる作品なんですよね。
こういう作品は本当にもっと評価されてもいいんじゃないかと。
原作への解釈や愛着次第ではちょっと違うだろうと思う部分もそれなりにはあったりするのですが。
ただこの作品の解釈もそれはそれでありかと思いますし、そんな明後日なことはしてはいないんですよね。しっかりと原作を読んでいる人がちゃんと理解して解釈している内容です。
個人的にはめちゃくちゃおすすめの作品です。
本当にクソ邦画にありがちな地雷要素が一切ない映画なんですよね。だからその手の映画特有の鑑賞ストレスも皆無。
今作にも恋愛要素はありますが、それはあくまで原作で描かれていたレベル。
恋愛要素で作品を破壊した『ガッチャマン』みたいなことはしていないんですよね。
環境問題とか、人間の存在とか結構主語のでかいことがテーマになっている映画ですが、ただ監督の自分語りみたいなポエムは入ったりしませんし。
『デビルマン』のように映画そのものを舐めた作品でもありませんし。
おそらくデビルマンて邦画における「悪魔はお前ら人間だ」的作品の最底辺の作品かと思うのですが、寄生獣はその手の作品の最上位の作品に位置するんじゃないかと。
ちなみに今作の主演の染谷将太はデビルマンにも出演していました。
かつてその最底辺の作品に出演していた彼が、その最上位作品の立役者になるというのもなんだかすごい話ですが。
とにもかくにも今作での泉新一の演技はとても素晴らしかったです。
本当にビジュアルだけ見るとこれじゃない感満載なのですが、ただ実際に見てみるとこの泉新一もそれはそれで本当にありなんですよね。
それくらいに力のある素晴らしい演技でした。
そういうキャストそれぞれの演技でも本当に見応えのある作品です。
本当に寛容なスタンスで見るのであれば、多くの原作ファンにとって悪い作品ではないはず。
というわけで今回はこの辺で最後までお付き合いいただきありがとうございました