テレビの中に入りたい
どうも、松本13です。今回は、『テレビの中に入りたい』についてです。まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『テレビの中に入りたい』は、2024年のアメリカ合衆国のサイコホラー映画。配給はA24。
【あらすじ】
謎めいた同級生マディの家で観た深夜番組「ピンク・オペーク」に魅了された少年・オーウェン。だがそんなある日、マディが行方不明になる…
90年代の郊外に住む孤独な若者の、虚構と現実の境界線が解けていくという、これぞA24と言った尖った映画。他の方のレビューでも言及されていることですが、初期A24や、同じく一昔前の郊外に住む若者を主人公とした変則映画の名作『ドニー・ダーコ』など、そっち方面の映画が好きな人にとってはめちゃくちゃ刺さるんじゃないかと。
ただ今作、めちゃくちゃ尖っている、いにしえのサブカル臭がプンプンするような作品ながら、基本的なプロットはシンプルなので、いい感じの映像を楽しむだけの「雰囲気映画」としてもめちゃくちゃ楽しめます。とにかく、批評家とマニア受けだけがいい前衛映画というわけじゃないんですよね。今作は製作に、昨今では名作請負人と言っても過言ではないエマ・ストーン夫妻が関わっており、その部分のバランスは流石といったところ。
そんなこんなで今作、刺さる刺さらないは別として、誰にとっても一見の価値ありな作品ではあるのですが、個人的にはインターネット普及以前の世代にめちゃくちゃおすすめしたかったりします。今作ってインターネット普及以前の世界観なので、仮想現実みたいな親切なものはなく、本当にサブカル的な一本のテレビドラマと、変わり者の友人と、あとは自分の自意識だけなんですよね。
だから今作って、見方を変えれば全部個人の妄想で片付けられたりもするのですよね。何の裏付けもデータもない、それでも確かに「向こう側」がある気がする、あってほしい、あってくれなきゃやってらんない、みたいな。
スマホやインターネットが普及する以前の、それこそテレビと友達が全てであったあの時代に、友達もろくにおらず、抑圧的な父親ゆえにテレビもろくに見せてもらえない、みたいなあの時代ならではの「くすぶり感」というか「閉塞感」というか、その部分がとてつもなく秀逸に表現できている作品なので。
あの頃のあの感じを知る世代にとっては、本当にめちゃくちゃおすすめの作品ですし、刺さる人にとっては本当にオールタイムベストに入るくらいの作品になるんじゃないかと。先述の『ドニー・ダーコ』や『π』、『ジェイコブス・ラダー』などなど、レンタルビデオ店で発掘したあの時代特有の毒気のある「電波」な作品を心の宝物にしていたような層には、相当刺さる映画だと思うんですよね。
ということで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。