クソ映画検証31『バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】』
どうも、松本13です。今回はクソ映画検証、『バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】』についてです。まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】』 は、2003年7月5日に公開された日本映画。監督は深作欣二・深作健太のダブルクレジットながら、深作欣二が担当したのは、冒頭のシオリ初登場シーンの僅か1シーンである為、実質的には深作健太の単独作品となる。
【あらすじ】
前作から3年後、大人に宣戦布告しテロリストとなった七原秋也を抹殺するため、新BR法が施行される。強制徴兵された中学生たちが、2人1組の一蓮托生ルールのもと、七原らの籠る孤島へ送り込まれる…
監督である深作欣二監督がわずか1シーンのみの撮影で急逝し、息子の深作健太がほぼ全編を監督した作品です。
前作って、世界で評価されるバイオレンス映画の巨匠、深作欣二が監督した、それこそ歴史に残る名作中の名作。
私を含め、多くの人のオールタイムベスト邦画でもトップに来るほどの歴史的作品だと思うんですよね。
かつ、作品の持つ暴力性などで政治家とバチバチやり合ったり、邦画史においても稀に見る社会現象を巻き起こしました。
そんな偉大すぎる前作に比べると、話にならないレベルかと思うんですよね。
そして、これまた面白すぎる原作があった前作に比べ、今作は完全オリジナルということもあり、ストーリーも登場人物も何もかもが弱いんですよね。
ただ、「話にならないほどのクソ中のクソ」かと言ったら、決してそうではなく、映画としてはしっかり成立しているんですよね。
あの名作の続編と期待してみると、前作との落差からクソ映画くらいの評価を下してしまうかもしれませんが。
とにかく、この映画における最重要人物である深作欣二監督の死という、作品が空中分解してもおかしくないレベルの悲劇を乗り越えた部分に関しては、個人的には評価したいなと。
そもそも、深作欣二監督が死んでしまった時点で、『バトル・ロワイアル』という作品は成立しないと思いますし。
前作と比べたら本当に話にならないレベルながら、今作に関しても要所要所では前作のような面白さや、深作欣二イズムみたいなものは感じられるんですよね。
特に今作の冒頭から中盤くらいまでは、本当に圧倒的に面白く、めちゃくちゃ引きつけられる内容なんですよね。
本当に冒頭だけ見ると、「あれ?この映画、もしかして名作なのでは?」と思ってしまうレベル。
ただ、中盤ぐらいから急失速し、後半は若干冗長に感じてしまいます。
それと、今作、藤原竜也演じる中原修也を筆頭に、ここぞというところの決め台詞が妙にダサかったり、いまいち決まりきらなかったりするんですよね。
前作って、めちゃくちゃセンスと毒のある原作ゆえ、そういう部分の会話パートも秀逸だったのですが。
そして、原作由来の名キャラ揃いだった前作に比べると、今作のキャラもかなり弱かったり。
ただ、前作のビートたけし演じた教師の娘役である前田愛や、これまた前作のたけしとは違った方面へぶっ飛んだ竹内力がめちゃくちゃ作品を引っ張っている感がありますし、ちょい役ながら登場するビートたけしの存在感もさすがといったところ。
それと、先述したことではありますが、いまいち決まらないようなセリフの多い今作ではありますが、ただ、要所要所ではめちゃくちゃ心にぐさりとくるような名セリフもあって、『バトル・ロワイアル』のエッセンスや深作欣二イズムが皆無ではないと思うんですよね。
リアルタイムで経験していると、『バトル・ロワイアル』って、話題性や社会現象、作品の持つアナキズムとか、「今作を規制したい大人 VS 今作を見たい子供」みたいな映画の外でも繰り広げられた大人対子供の構図とか。
そういう諸々を含めた作品の魅力やエネルギーって、本当に絶大だったんですよね。
それに比べると、今作って、いまいち決まりきらない微妙な反戦ポエムみたいになってしまっている感が否めないのですが。
そもそも、製作中止になってもおかしくない深作欣二監督の死という事情を考慮すると、そこまで悪い作品ではないんじゃないかと。
息子の深作健太監督が今作の戦犯にされたりしていますが。
ただ、深作健太監督も親の七光りで今作の監督になったというわけではなく、むしろ『バトル・ロワイアル』という作品を深作欣二監督に教えたのは健太監督でして。
父親が無茶をしないように東宝に人質に取られ、なおかつプロデューサーとして資金をかき集めたり、脚本として参加したりなど、『バトル・ロワイアル』という作品には相当深く関わっている人物なんですよね。
しかも、初監督作品という部分を考慮すると、「よくやった方なんじゃ?」と思う部分もあったりするのですが。
あの名作の続編としては話にならないレベルですし、今作単体としても決して名作ではないかと思いますが、ただ、作品の性質さえ理解した上で見るのであれば、一度は見ておいても損はないんじゃないかと。
2000年代初頭の邦画のアクション映画としては映像のレベルは相当に高いと思いますし。
同じくジュブナイルものであり、アクション要素もある日本映画の最底辺『デビルマン』と同時期の作品と考えるとこの作品のレベルの高さがわかるかと思います。
ちなみに酒井彩名は今作とデビルマンの両方でヒロインを演じていたりします。
とにかく中盤ぐらいまではめちゃくちゃ面白いですし、作品の性質を理解した上でシビアになりすぎなければ、ポップコーンムービーとして良作の範囲くらいには収まる作品なんじゃないかと。
ということで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。