クソ映画検証34『蟲師』
どうも、松本13です。今回は、クソ映画検証、『蟲師』についてです。
まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『蟲師』は、同名漫画を原作とした2007年公開の日本映画。監督は大友克洋、主演はオダギリジョー。
【あらすじ】
100年前の日本。見えない生命体「蟲」を惹きつける体質の蟲師・ギンコは、人々を癒やしながら旅を続ける。禁忌の蟲を足に宿す女性・淡幽と出会った彼は、失われた自身の過去の因縁や闇と対峙し、再び放浪の旅へ向かう…
この映画、クソ映画として検証するとかなり特異な作品だと思うんですよね。
ひとまず原作云々抜きにこの映画を評価すると、決してクソ映画ではないんじゃないかと。
クソ映画につきものの演技がアレな地雷キャストもいませんし、幻想的な世界観や少々難解なストーリーなどについても好みは分かれるながら、決して作品として欠陥があるわけでもレベルが低いというわけでもないと思うんですよね。
では原作ありきでみたらどうかと言うと、私自身、『蟲師』については本当に大好きで、コミックとしてもアニメとしてもオールタイムベストでトップに来るくらいガチファンだったりするのですが、そのような並々ならぬ原作愛を持ってこの作品を見ると、この映画、場合によってはかなりのクソ映画になってしまうんじゃないかと。
先述のように、この映画、映像作品としてのレベルは低くないんですよね。実写化ゆえ、それなりに賛否は分かれるかと思いますが、ただ、決して悪くはないと思うんですよね。主演のオダギリジョーにしても、今作におけるキーパーソンを演じた江角マキコや大森南朋にしても、個人的にはむしろめちゃくちゃハマり役だと思いますし。
それにこの時代、邦画におけるオダギリジョーって、めちゃくちゃ勢いがありましたからね。
2000年代の邦画における永瀬正敏か浅野忠信辺りが出ている映画を見とけばとりあえず間違いないみたいな雰囲気ってあったと思うのですが、2000年代半ばくらいってその一角にオダギリジョーもかなり食い込んでいたと思うんですよね。
そんな間違いないキャスティングに加え、監督はあの『AKIRA』の大友克洋。後に冷静になって考えてみると、大友克洋の実績って主にコミックやイラスト、アニメ方面でして。
実写に関しては「?」な部分多かったりするのですが。
とにもかくにも当時はキャスティングにしても監督にしても、実写化にはクソ映画は多いけれどこの映画は大丈夫なのでは?みたいな楽観ムードや期待も結構あったと思うんですよね。
そして実際見てみても、この映画、中盤くらいはめちゃくちゃ素晴らしいのですよね。
それこそ傑作と言っても過言ではないくらいに。
ただ最後の最後でやらかしちゃうんですよね。
謎の原作改変をやらかしちゃいまして。
この映画がクソ映画と呼ばれるのって本当にその部分の1点だけだと思うんですよね。
それさえなければ、賛否はそれなりに分かれるながら、クソ映画とまでは評価を落とさなかったと思うので。
しかも今作、よりによって改変したのが原作におけるめちゃくちゃ重要なエピソードでして。
場合によっちゃ最重要と言っても過言ではないくらい。原作ファンであればあるほどめちゃくちゃ思い入れの強い、そんなエピソードをよりにもよって本当に最悪な方面へ改変しちゃったんですよね。しかもその改変が必要かと言ったら全然そんなこともなく、むしろなくても良かったんじゃないか?くらいでして。
この時代の、特に邦画におけるクソ実写って、とにかく制作発表から火柱が上がりまくってる物が多く、そしていざ公開がなされると予想通りの大爆死みたいなパターンが多かったと思うので。
今作のような、それなりの期待や楽観ムードを持って迎えられ、内容の大半もかなり良かったにも関わらず、最後の最後でとんでもないやらかしをしたみたいなパターンてあまりないと思うんですよね。
しかも『蟲師』って相当な名作であることは間違いないものの、とはいえ誰もが知るアニメというわけでもなく、それゆえにそこまでの話題にも問題にもならなかったみたいな部分もあり、クソ映画としてはそこまで有名ではないかもしれませんが。
ただ今改めて見てみると、もうめちゃくちゃにひどいんですよね。
とにかく作品内での落差が本当に凄まじいんですよね。そんな傑作からクソ映画へのナイアガラはある意味貴重な映像体験かもしれません。
先述のような事情ゆえ、そこまで大炎上をした作品ではないかもしれませんが、「原作改変」という一点においては本当にクソ映画界屈指の酷さだと思います。
ということで今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。