シラート
どうも、松本13です。今回は『シラート』についてです。まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『シラート』は、2025年のスペイン・フランス合作映画。第78回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でワールドプレミア上映され、審査員賞など4冠に輝いた。
【あらすじ】
砂漠のレイヴパーティで行方不明となった娘を探すため、父と息子はモロッコの砂漠奥地へ向かう。謎めいた参加者グループと共に次の会場を目指し過酷な荒野を進むうち、親子は次第に精神的な限界へと追い詰められていく…
今作、個人的には「今年最大の拾いもの映画」といったところでして。鑑賞前は、絶賛の声は多いものの、まあよくある「批評家受けのいい映画」かなと思っていたんですよね。
ただ今作、そのようなお行儀のいい映画ではなく、視覚・聴覚・精神にゴリゴリに作用してくるタイプの作品。
ジャンル分けがちょっと難しい作品ではあるのですが、ドラマであることはもちろんのこと、サスペンス的な要素は多分に含まれているかと。
それと、レイヴ・ミュージックがメインの映画ですので音楽的な魅力も多々あり、レイヴというとやはりドラッグは切り離せないものでして、トリップ・ムービー的な側面も多々あるかと思うんですよね。
トリップ・ロードムービー、これっていにしえの映画好きにとってはちょっとした名作フラグだったりもしますよね。
砂漠にデデーンと巨大なスピーカーを積み上げ、爆音でダンスミュージックを流しながら踊り狂う人々って、砂漠もないしレイヴもそこまで一般的ではない日本からすると、かなり異様な光景だったりするのですが。
そんなレイヴというものを知ることができるという意味でも、一見の価値はあるんじゃないかと。
レイヴって、ただ音楽流して薬キメて「うえーい」とか「ヒャッハー」みたいなものとは、ちょっと趣が違った側面があったりするんですよね。
ただ今作、基本的にはロードムービーでして。
娘を探す父と息子と犬一匹が、レイヴ会場に紛れ込んでしまうというところからストーリーが始まるのですが。
そこから主人公の親子は、娘を探して次のフェスの会場へ向かうレイバーと行動を共にするのですが……そこからの展開がまあいろいろありまして、その部分は絶対ネタバレなしで見た方がいいかと思います。
ひとまず今作、モロッコの政情がとても不安定な地域が舞台となっているので、「移動には相当な危険が伴う」という予備知識だけは事前に持っておいた方がいいと思います。
その部分を知らないと、今作におけるそれなりに覚悟が必要な動が、単なるフェスからフェスへのお気楽な旅に感じられてしまうかもしれないので。
今作、好き嫌いは確実に真っ二つに分かれるタイプの作品かと思うのですが、ただし「評価受けのいいだけの意識高い感じな映画」というわけではないので、ドラマ、ロードムービー、サスペンスとしても一度は触れておいても損はない作品かと思います。
個人的にはロードムービーやサスペンスとしてもめちゃくちゃ面白かったのですが、ひと昔ふた昔前の、いにしえのトリップ・ムービーやカルトムービーのような作品の質感が、とても好みでした。
好みは真っ二つに分かれる映画ではありながら、そこまで難解ではないと思うんですよね。
展開がスローペースな部分はあるものの、視覚・聴覚的にはド派手な作品ですし、子供と犬がめちゃくちゃ可愛いですし、『シラート』というタイトルの伏線回収もめちゃくちゃわかりやすくなされますし、刺さる人にはもう果てしなく刺さる作品かと思います。
ただ今作、「ネタバレ厳禁」や「マッドマックスを超えた」みたいなプロモーションが一部でなされていたりするのですが。
ただ、最後の最後に大どんでん返しが起きて綺麗にストンと落ちる、みたいな作品ではないので、その部分であまり過剰な期待はしない方がいいかと。
それと「マッドマックスを超えた」という部分も、個人的にはちょっと違うかなと思っていまして。
確かに絵面はちょっと似ていたりしますし、登場人物にフュリオサに似ている人物がいたりはしますが、作品としては全く別ジャンルのものなので、マッドマックス云々はノイズにしかならないと思うのであまり意識しない方がいいかと思います。
ということで、今回はこの辺で。最後までお付き合いいただきありがとうございました。