新座頭市物語 笠間の血祭り
どうも、松本13です。今回は『新座頭市物語 笠間の血祭り』についてです。まずは簡単な概要とあらすじから。
【概要】
『新座頭市物語 笠間の血祭り』は、1973年4月21日に東宝が配給した時代劇映画。勝新太郎の代表作、座頭市シリーズの第25作目となる。
【あらすじ】
盲目の居合斬りの達人・座頭市は、常陸国笠間の地で幼馴染と再会する。しかし再会を喜んだのも束の間、笠間一帯は悪徳代官とやくざの不正・暴政に支配されており、市は巨大な陰謀へと巻き込まれていく…
長く続いていた劇場版『座頭市』最終作となる今作。16年後にもう1作だけ作られてはいるものの、第一作目から長く続いていた劇場版シリーズとしては、一旦今作にて区切りとなります。
正直、シリーズとしては今作、そこまで評価は高くない賛否両論な作品かと思うのですが、ただ「座頭市シリーズ」って日本のみならず世界で評価されるモンスター級の名作が多々あったりするシリーズ。そんなシリーズの最終作としては「ちょっと物足りない」と思うファンの気持ちもわからなくはないのですが。
とにかく、ここまであらゆるパターンは使い果たしていますし、他の作品のような「凄腕同士の一騎打ち」みたいな要素は今作にはありませんし。
とにかく一切隙がない名作、みたいな他の作品に比べると、ちょっと評価が伸び悩んでしまう部分はあるかもしれませんが、ただ単体で見るのであれば決して悪い作品ではないと思いますし、個人的には「これはこれで傑作なんじゃないかな」と。
確かに、スター俳優演じる凄腕用心棒との一騎打ちみたいな要素はないものの、多人数相手の大立ち回りの居合ラッシュみたいな、アクション映画としての見所は決して他の作品に劣らないかと思います。
座頭市が自分の生まれ故郷に帰る、みたいな要素は、これまで流浪の旅を続けてきたシリーズ最終作ならではだと思いますし。
まあ、そうやって帰った故郷が普通ではない状態なのですが、ただその部分のドラマが非常に面白くてですね。
この手の名作時代劇って「無難な内容の、言ってみればおじいちゃんと孫が一緒にテレビで見られるような」みたいなイメージを持っている人もいるかもしれませんが、そのようなノリはテレビドラマの時代劇であって、この時代の劇場版って割とえぐい内容の時代劇が結構多いですからね。
座頭市に関しても同様で、「時代劇」と言うとちょっと敷居が高く感じてしまう人もいるかもしれませんが、内容に関してはバイオレンス満載のスプラッターアクションみたいな側面も多々あったりしますからね。手足も普通に飛んだりしますし。
ストーリーに関しても、凄惨で容赦ないものが多いですし。今作に関しても、故郷で再会した幼馴染がさわやか系の若手政治家みたいな見た目をしておいて、実は性根の腐ったクソ野郎で、なおかつロリコンという変態仕様。
そんな悪を座頭市が成敗していくのですが、ただ座頭市も座頭市で清廉潔白なヒーローではなく、叩けば埃が出まくりな脛に傷を持つ身。
ただそれゆえに「超えてはならない一線」というものに関してはものすごく大切にしていて、その一線を超える輩に関しては、己の毒をもって毒を制す的な成敗をするのですが、その部分の「詰め方」に毎回しびれてしまうんですよね。この手の作品においての悪人の詰め方って、めちゃくちゃセンスが必要な部分だったりするわけじゃないですか。
勝新太郎のその部分のセンスって、本当に素晴らしいと思うんですよね。
決してあからさまに熱くはないのだけど、刺すところにはしっかりとぶっ刺して、決めるところはしっかり決めるみたいな、まさにジャパニーズ・ハードボイルドの1つの完成形だと思うんですよね。ちょっとこういう感じ、他の国の映画では見たことがありませんし。
個人的に、このジャパニーズ・ハードボイルドの後を継いだのがビートたけしだと思っていまして。
とにかく、そんな勝新太郎の魅力にシビレまくることができる今作。
もちろん、そのような勝新太郎が演じる座頭市のキャラクター面だけでなく、まさに神業と言える殺陣シーンも一見の価値ありです。
「盲目なのに凄腕で最強」という部分に説得力を持たせられるって、普通に考えてすごいと思うんですよね。普通にやったら、どう考えても無理が出ちゃうじゃないですか?
ただ、勝新太郎の座頭市って、その部分にめちゃくちゃ説得力があるんですよね。そして、おそらく世界で一番有名な盲目の凄腕だと思うんですよね。
世代が違うと、「俳優・勝新太郎」と言われてもピンとこない人もいるかもしれませんが、現在の感覚で言えば『ジョン・ウィック:コンセクエンス』でドニー・イェンが演じた盲目の殺し屋に感覚が近いかもしれません。
盲目なのに最強の殺し屋ジョン・ウィックと渡り合うって、普通に考えたら無理じゃないですか? ただ、ドニー・イェンだとその部分にめちゃくちゃ説得力があると思うんですよね。
「ジョン・ウィック」や「ドニー・イェン」を引き合いに出すなんて、さすがにちょっと大げさなんじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、座頭市を含めた昭和の名作時代劇って、世界中の映画に絶大な影響を与えた作品だったりするので、決して大げさではないと思うんですよね。
その手のいにしえの名作って、現代の感覚で見るとちょっと見づらい作品もあったりするのですが、今作に関してはテンポサクサクで、ストーリーもシンプルな90分程度のスプラッターアクションなので、もちろん腰を据えて見るのもありですが、気軽なポップコーン映画として見てみるのもありなんじゃないかと。
座頭市シリーズって、世代によっては意外とノータッチな人もいたりするかと思うのですが、現代の感覚で見てもめちゃくちゃ面白く、めちゃくちゃとっつきやすいシリーズなので、一度は触れておいても損はないんじゃないかと。
ということで、今回はこの辺で。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。